【2023年最新情報】ウッドショックは終了した?木材価格の推移と2024年以降の予想 

ウッドショックは終了した?


2021年に建築業界を騒がせた“ウッドショック”ですが、最近ニュースで取り上げられることも減り、「終わった」「落ち着いた」という意見も耳にします。

果たしてそれは本当なのでしょうか?

今回は、木材価格の推移などから見るウッドショック終了の兆しについて解説します。

最近進んでいる輸入材から国産材への移行の理由についてもお話ししますので、木の魅力を生かした設計デザインを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

コラムのポイント

● ウッドショック時に高騰した木材価格はピークアウトしたものの、輸入材は依然高値をキープしています。

● ウッドショックなどのリスクを回避する方法として、国産材の利用がおすすめです。

● 国産材利用は、価格面以外にも性能面・環境面でメリットがあります。

● 私たち「柏田木材」は、1950年に奈良県で創業以来、県産材・地域材を利用した高品質な木質建材を製造しています。



2021年に始まった第三次ウッドショック

第三次ウッドショックとは


世界的な新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、2021年に「ウッドショック」と呼ばれる木材の価格高騰や運輸停滞が起こりました。

これがいわゆる「第三次ウッドショック」です。

あまり知られていませんが、過去にも第一次・第二次とウッドショックが起きています。

  • 「第一次ウッドショック」
    1990年代初頭に、アメリカ・オレゴン州とワシントン州の丸太輸出量が規制され木材価格が高騰した
  • 「第二次ウッドショック」
    2006年に、インドネシアで大統領令によって違法伐採が取り締られ木材価格が高騰した

第三次ウッドショックは、世界的な“Stay Home"の動きによる先進国でも住宅需要拡大も相まって、第一次・第二次よりも価格上昇率が高く、さらに長期化し、世界中の建築業界を騒がせたのです。

(引用:公益財団法人 森林文化協会|ウッドショックはなぜ起こったか?


ウッドショックが発生した2021年末には、木材全般の価格が上昇し、特に製材・集成材は、ウッドショック前と比べて最高で2.5倍にまで価格が急騰しました。

(引用:経済産業庁|どうなったウッドショック;価格の高止まりが需要を抑制?


上のグラフを見ても分かる通り、2022年に入ると価格の下降傾向が見られます。

しかし、このタイミングで世界的な原油高や歴史的な円安が発生し、日本においては、その後も木材価格が高騰したままの状態が続いたのです。

ところが、2023年に入り、一部のメディアで「ウッドショックは終了した」という情報も目に入るようになってきました。



ウッドショックは「終了した」「落ち着いた」って本当?

ウッドショック後の木材価格推移は?


農林水産省が毎月公表している「木材流通統計調査」を見ると、木材価格は既にピークアウトしたことが分かります。

ウッドショック前のと2023年の木材価格を比較すると、ほぼ同等にまで落ち着いている樹種が多いことが、「ウッドショックは終了した」と言われる所以でしょう。(参考:農林水産省|木材価格統計調査

ただし、輸入材のみに着目すると、価格はまだまだ“元通り”とは言えません。

ウッドショック時に最も価格が高騰したカナダ製材は、2020年の価格と比較しても、未だ1.45倍程度です。(2023年9月時点)

構造用集成材・合板も、ウッドショック以前と比べると高いままであることが分かります。

(引用:林野庁|モクレポ令和5年11月号


依然としてロシアウクライナ情勢による原油高、円安ドル高は続いており、その影響を大きく受けていることが推測されています。

これらのことから、ウッドショックは終了したのではなく「落ち着いた」と言った方が適切かもしれません。

第三次ウッドショックは、第一次・第二次のように単発的な現象ではなく、様々な要因が立て続けに起こったことによって長期化しています。

そのため、2024年以降も輸入材においては当面の間、高値が続くことが予想できます。




「輸入材依存からの脱却」と「国産材利用への移行」がキーワード

地産地消_木材


ウッドショックをきっかけに、日本国内では「輸入材依存からの脱却」「国産材への移行」が進んでいます。

林野庁のデータによると、2021〜2023年の建築用木材輸入量は、大きく減少しており、建築業界全体で考えが変わっていることは明確です。

木材輸入量の推移
(引用:林野庁|モクレポ令和5年11月号


この現象は、今まで安価であった輸入材と高価なイメージが強かった国産材の価格差が縮まったことにあります。

また、世界情勢によって納品が滞るリスクも鑑みて、国産材へ切り替える現場も少なくありません。

大規模プロジェクトですと、円安による価格変動リスクを抑えたい思惑もあります。

しかし、国土の2/3ほどを森林が占める日本において、国産材を使うメリットはこのような一時的なものだけではありません。

「国産材」を使うメリット

● 運輸距離が短いため、原油価格の影響を受けにくく、環境に優しい。

● 国内や地域の経済発展に繋がり、社会的意義が大きい。

● 工期に合わせて確実に材料を入手しやすい。

● 「育てた人」「加工した人」が明確で、高品質な材料を入手しやすい。

● 産地をさらに限定した地域材(地産材)を使うと、利用者から愛着を持たれる建物になる。


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高品質の木材を求めるなら“奈良の木”がおすすめ

杉フローリングのメリット


国産材の中でも高品質として知られているのが「奈良の木」です。

世界的な銘木である吉野杉・吉野桧の産地でもあり、江戸時代から続く歴史ある林業によって、美しい木目と高い密度の木材が生産されています。

高価なイメージを持たれがちですが、国産材平均価格との差が縮まっているのが現状です。

(引用:奈良県|林業及び木材産業関連データ


品質の高さや美しさを踏まえると、かなりコスパの良い材料と言えるでしょう。


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ポイント

私たち“柏田木材工業”は、1950年に奈良県五條市にて創業以来、時代と共に様々な高品質な木質建材を全国に送り届けてまいりました。
奈良県をはじめとした、良質な国産材を用いて、ご予算に合う多彩な商品作りに努めております。
製品開発・OEM製造も承っていますので、お気軽にご相談ください。






国産材利用で補助金利用の可能性も

奈良県産材利用で補助金対象に


国産材の活用促進は、国の重要な施策であるため、いくつもの補助事業が行われています。

都道府県・市区町村単位で、独自の補助金がありますので、国産材・県産材・地域材を使う際は、支給対象となる事業がないか自治体へお問い合わせください。

ポイント

“柏田木材”のある奈良県では、建築場所を県の内外問わず対象となる補助事業を行なっています。



奈良県産の木材を利用したい方は、「奈良の木を使用した住宅助成事業」「公共施設における県産材利用に係る支援」をぜひご活用ください。




高品質な木材建材は“柏田木材”へご相談を

木材


私たち“柏田木材工業株式会社”は、建材を中心に木製品の開発・製造支援を行う会社です。

1950年創業以来、高品質で施工面・コスト面まで考慮した商品をご提供し続けてきました。


自社製品の製造販売だけではなく、木製製品のOEM・特注製造・研究開発を通じて、お客様の木材に関わるビジネス課題を解決いたします。

柏田木材・5つのお約束

● 加工・接着・着色・塗装を自社にて一貫対応いたします。

● ウレタン塗料だけではなく、UV塗料・オイル塗料・屋外用塗料など様々な塗料に対応いたします。

● お客様からの材料支給にも対応いたします。

● 加工前の材料保管・加工後の製品保管を自社倉庫にて行います。

● お客様のご要望に合わせて樹種・形状・塗装仕様のご提案をいたします。



“県産材・地域材”の活用

柏田木工所として創業して以来培った知識とネットワークを活かし、県産材や地域材の利用にも積極的に取り組んでいます。

以下のような地域材の活用実績がございますので、ぜひご相談ください。

  • 奈良県産杉
  • 奈良県産桧
  • 吉野杉
  • 吉野桧
  • 信州産唐松


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立地による“リーズナブルな価格”の実現

私たちが工場を構えるのは、奈良県五條市。

銘木として知られる吉野杉の産地とも近い、林業・製造業が盛んな地域です。

そのため、良質な木材を最低限の輸送コストで入手できるため、お客様にもコスパの高い木質内装建材をご提供できます。

倉庫管理による“施工効率性アップ”

羽目板材などは長尺な建材であるため、現場での置き場確保にお困りのケースは少なくありません。

早めに納品すれば、作業スペースに影響がでてしまうこともあるでしょう。

柏田木材では、材料の一時保管場所として、自動倉庫による管理を導入しています。

必要なものを必要なタイミングで現場へ納品できるため、施工効率性アップが期待できるだけではなく、工期遅延のリスクを防げます。


全工程を自社工場で行う“品質安定性”

木材の切削・接着・着色・塗装を全て自社工場で行っているため、品質のばらつきや手作業による人工の増加、工程間での運搬による時間や費用のロスを最小限に抑えられます。

全工程を自社で管理しているため、高い品質安定性を保証できる点が私たちの誇りです。


多彩で環境に配慮した“塗装レパートリー”

塗装も自社で行っているため、仕上げ選定についてもぜひご相談ください。

複数種の塗装サンプルの作成や、オリジナル着色のご提案など、豊富な塗装レパートリーを組み合わせ、お客様のイメージを実現化するお手伝いをいたします。

また、「バイオマスボイラー」による自然を無駄にしないクリーンな熱源確保や、水性塗料を用いた着色技術、高耐久で低汚染なUV塗装・オスモUV塗装の導入によるVOC削減など、環境へ配慮した技術も積極的に導入しています。



工期・予算・デザインに合わせた“材料選定のご提案”

柏田木材は、自社製品を販売するだけに留まらず、お客様のご要望や課題を伺いながら仕様を共に決めていく“開発支援”や、“特注製造”も行っています。

そのため、材料選定やデザイン構想段階から製造まで一貫したサポートをご提供。

「こんな材料があればいいのに」というお悩みを解決するお手伝いをいたします。



まとめ

ウッドショックの影響は、建築業界、特に住宅業界へ大きな打撃を与えました。

2023年以降はだいぶ落ち着きを取り戻しつつありますが、輸入材の価格は未だにウッドショック前の水準まで戻り切っていません。

そこで注目されているのが、国産材の利用です。

コスト面だけではなく、品質面・環境面でもメリットがあります。

“柏田木材”は、国内外から良質な木材を仕入れ、長年培った経験と知識を活かし、お客様のご予算・設計デザインに合う木質建材をご提案しています。

「木質系建材を使いたいが既製品では難しい」

「国産材を使いたいがコスト面などでハードルが高い」

「希少樹種を使いたいが必要量の材料が確保できない」

「ウッドインテリアを採用したいが耐久性が心配」

そんなお悩みを抱えている企業様を、私たちがしっかりサポートいたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。




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