「木材の表面を守るUV塗装」特徴や種類、ウレタン塗装との違いについて解説 

UVランプ照射


木材の表面を汚れから守る方法として一般的なのが塗装ですが、その中でも特に強度が高いのが「UV塗装」です。

しかし、現場塗装ではないため、どのようなものか知らない方も多いでしょう。

そこで、今回は「UV塗装」のメリット・デメリットや種類について詳しくお話しします。

木の魅力を生かした設計デザインを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

コラムのポイント

● 木材の表面にUV塗装を施すことで、耐久性・耐水性・耐熱性がアップします。

● UV塗装は、デメリットを知った上で、適切な場所へ採用しましょう。

● 私たち「柏田木材」は、1950年に奈良県で創業以来、県産材・地域材を利用した高品質な木質建材を製造しており、UV塗装をはじめとした特殊塗装も全て自社工場で行なっています。



UV塗装とは?メリットは

柏田木材の高度な塗装技術


UV塗装とは、表面に専用塗料を塗って専用機材で紫外線を照射することで、塗膜を硬化させる方法です。

一般的な塗装は一定の乾燥期間が必要ですが、UV塗装は短時間で塗料が硬化するため、塗膜を分厚くできます。

ポイント

従来の液状塗料を用いたウレタン塗装などは、最低でも2時間程度乾燥硬化にかかる一方、UV塗装の硬化時間は最短で「2秒」ほどです。

塗膜強度は、最高で9H程度の硬さとなるため、表面の耐久性を高めたい際に用いられます。


紫外線以外の波長光線を当てて硬化させる「光硬化」塗料もありますが、エネルギー密度の高い紫外線を用いることで、瞬間的な硬化を実現できます。

UV塗装によって得られるメリットは以下の通りです。

  • 耐水性が高まる
  • 耐汚性が高まる
  • 耐熱性が高まる
  • 着色塗装・クリア塗装のどちらにも対応できる
  • 瞬間効果するため、数十秒から数分間熱を加える「熱硬化塗料」よりもCO2が発生せず省エネである
  • 大気汚染の原因物質であるVOC(揮発性有機化合物)を含まない

性能面でメリットがあるだけではなく、環境面でも利点があるため、「環境配慮型塗料」として注目されています。

キズや汚れが付きにくいことから、公共施設の床などへ採用されるケースも少なくありません。


UV塗装のデメリット

UV塗装のデメリット


塗布すると表面の耐久性が高まるUV塗装ですが、採用する前に知っておくべきデメリットや注意点があります。

  • ソフトウッドに塗装しても、深いキズや凹みまでは防ぎきれない
  • 塗膜が厚いため、木材本来の触り心地や風合いは損なわれる
  • UV塗装には大掛かりな設備が必要なので、現場塗装や少量のみの塗装が難しい
  • UV塗装を施せるメーカーが少ないため、材料の選択肢が限られる
  • 複雑な形状だと均一に紫外線が当たらないため、均一な塗膜を形成できなかったり部分的な硬化不良になる可能性がある
  • 黒など濃い色は塗料の奥まで紫外線が届きにくく、硬化不良になる可能性がある
  • 一度硬化した塗膜を剥がしにくく、大きなキズが付いた場合の補修が難しい


ただし、建築資材は表面が平らでシンプルな形状がほとんどで、さらに木目を生かすクリア塗装であれば、硬化ムラが起こるリスクは極めて低いでしょう。

ただし、「UV塗装=表面が丈夫」と思われがちなので、ソフトウッドへ塗装する場合のリスクは十分理解しておかなくてはいけません。

ポイント

柏田木材は、自社工場にてUV塗装設備を整えているため、リーズナブルな価格で高品質の塗装仕上げ製品をご提供できます。

塗装仕様の選定やサンプル作成、オリジナル色の調色も承っておりますので、お気軽にご相談ください。





UV塗装の種類

UV塗装の種類


UV塗装と言っても、その主成分によって特徴や仕上がりの風合いは異なります。

主に、「天然植物油が主成分のオイルUV塗装」と「石油系化学樹脂が主成分のUV塗装」に分けられます。

天然植物油が主成分のオイルUV塗装

紫外線照射によってオイル系塗料を乾燥させます。

主にフローリングなどの木材に採用され、木の質感を残したマットな仕上がりになるのがメリットです。

UV塗装の持つ省エネ性と相まって、環境に優しい塗装技術として採用事例が増えています。

ポイント

柏田木材では、他社にはない自然塗料のUV乾燥技術を確立し、均一な仕上がりと、通常のオイルUV塗装よりも高い表面保護能力を兼ね備えた“オスモUV塗装”を採用しております。


〈関連ページ〉

PR TIMES|柏田木材工業株式会社|乾燥時間がいらない自然塗料、「オスモUVオイル」の塗装ラインを導入

石油系化学樹脂が主成分のUV塗装

こちらは、石油系樹脂を主成分としているため、これまでは光沢感があり人工的な仕上がりになるものがほとんどでした。

しかし、近年は市場の需要が艶消しのマット仕上げに移り変わっていることから、光沢を抑えた塗料も増えています。

大きく分けてアクリル樹脂系塗料とエポキシ樹脂系塗料に分類され、車の部品や電化製品などのプラスティック製品や、耐久性や摩耗性が特に求められるフローリング材に用いられています。


ポイント

植物油から作られたUV塗料と石油系化学樹脂が主成分のUV塗料の主な違いは以下の点です。

● どちらも安全性は高いですが、植物油系UV塗料は硬化後であれば口に入れても問題ないレベルの安全性が保証されます。

● 石油系化学樹脂を用いたUV塗料は木材の調湿性が失われますが、植物油系UV塗料は、塗布後も常に快適な湿度を保てます。

● 石油系化学樹脂を用いたUV塗料の方がキズや汚れへの耐性が高いですが、杉や桧などのソフトウッドへ塗布した場合は、植物油系UV塗料とあまり差がありません。

● 植物油系UV塗料はメリットが多い反面、石油系化学樹脂を用いたUV塗料よりも高価です。

柏田木材では、自社工場でUV塗装を行うことで、高品質な木質建材をリーズナブルな価格でご提供しております。




ポリウレタン(PU)塗装との違いは?

スプレー


木材への塗装方法として最も一般的なのが、「ポリウレタン塗装」です。

PU塗装とも呼ばれ、多くの木質建材へ用いられています。

UV塗装との違いは、ずばり「塗膜の厚さ」です。

ポリウレタン塗装は、溶剤が乾燥することで硬化する「揮発乾燥」タイプであるため、UV塗装のように均一かつ分厚い塗膜は形成できません。

そのため、下地の風合いをより活かせて現場塗装や塗装補修ができる点はメリットですが、一方で耐久性・耐水性・耐熱性はUV塗装よりも劣ります。

ポイント

部位によってUV塗装とポリウレタン塗装を使い分けるのがおすすめです。

柏田木材は、今まで培った木材に関する知識と高い塗装技術を掛け合わせ、ご要望に合う材料をご提案しております。






フローリング・テーブル・カウンターにはUV塗装がおすすめ

フローリングやテーブル・カウンターにおすすめのUV塗装


UV塗装のメリットは表面の耐久性を高める点ですが、塗膜が分厚くなるため、木材の質感は薄れてしまいます。

一方、ポリウレタン塗装は、塗膜が薄いため質感や風合いは残せますが、表面の耐久性・耐水性・耐熱性はUV塗装に劣ります。

このように、それぞれ一長一短なので、適材適所で使い分けることが重要です。

キズや汚れがつきやすいフローリングやテーブル、カウンターにはUV塗装仕上げの材料、意匠性を重視する天井材や壁パネル材はポリウレタン塗装仕上げの材料がおすすめです。

コストや部位、デザインに合わせて複数の塗装を組み合わせることをご検討ください。




レパートリー豊富な“柏田木材”の塗装ラインナップ

調色


私たち柏田木材は、木質建材への加工だけではなく、UV塗装も含めた特殊塗装も、全て自社で行なっています。

複数種の塗装サンプルの作成や、オリジナル着色のご提案など、豊富な塗装レパートリーを組み合わせ、お客様のイメージを実現化するお手伝いをいたします。

また、バイオマスボイラーによる自然を無駄にしないクリーンな熱源確保や、水性塗料を用いた着色技術、高耐久で低汚染なオスモUV塗装の導入によるVOC削減など、環境へ配慮した技術も積極的に導入しています。

木質建材やその塗装仕上げで迷っている方は、ぜひ私たちまでご相談ください。



品質・コスト・エコ全てにこだわりたい方は“柏田木材”へご相談を

木材


私たち“柏田木材工業株式会社”は、建材を中心に木製品の開発・製造支援を行う会社です。

1950年創業以来、高品質で施工面・コスト面まで考慮した商品をご提供し続けてきました。


自社製品の製造販売だけではなく、木製製品のOEM・特注製造・研究開発を通じて、お客様の木材に関わるビジネス課題を解決いたします。

柏田木材・5つのお約束

● 加工・接着・着色・塗装を自社にて一貫対応いたします。

● ウレタン塗料だけではなく、UV塗料・オイル塗料・屋外用塗料など様々な塗料に対応いたします。

● お客様からの材料支給にも対応いたします。

● 加工前の材料保管・加工後の製品保管を自社倉庫にて行います。

● お客様のご要望に合わせて樹種・形状・塗装仕様のご提案をいたします。



“県産材・地域材”の活用

柏田木工所として創業して以来培った知識とネットワークを活かし、県産材や地域材の利用にも積極的に取り組んでいます。

以下のような地域材の活用実績がございますので、ぜひご相談ください。

  • 奈良県産杉
  • 奈良県産桧
  • 吉野杉
  • 吉野桧
  • 信州産唐松


〈関連コラム〉

国産材利用でSDGs達成を目指す。メリット・デメリットから活用方法まで徹底解説

「地産地消を“建築”で実現」10のメリットや関連する補助金を紹介


立地による“リーズナブルな価格”の実現

私たちが工場を構えるのは、奈良県五條市。

銘木として知られる吉野杉の産地とも近い、林業・製造業が盛んな地域です。

そのため、良質な木材を最低限の輸送コストで入手できるため、お客様にもコスパの高い木質内装建材をご提供できます。

倉庫管理による“施工効率性アップ”

羽目板材などは長尺な建材であるため、現場での置き場確保にお困りのケースは少なくありません。

早めに納品すれば、作業スペースに影響がでてしまうこともあるでしょう。

柏田木材では、材料の一時保管場所として、自動倉庫による管理を導入しています。

必要なものを必要なタイミングで現場へ納品できるため、施工効率性アップが期待できるだけではなく、工期遅延のリスクを防げます。


全工程を自社工場で行う“品質安定性”

木材の切削・接着・着色・塗装を全て自社工場で行っているため、品質のばらつきや手作業による人工の増加、工程間での運搬による時間や費用のロスを最小限に抑えられます。

全工程を自社で管理しているため、高い品質安定性を保証できる点が私たちの誇りです。


工期・予算・デザインに合わせた“材料選定のご提案”

柏田木材は、自社製品を販売するだけに留まらず、お客様のご要望や課題を伺いながら仕様を共に決めていく“開発支援”や、“特注製造”も行っています。

そのため、材料選定やデザイン構想段階から製造まで一貫したサポートをご提供。

「こんな材料があればいいのに」というお悩みを解決するお手伝いをいたします。




まとめ

UV塗装は、表面の耐久性・耐水性・耐熱性を高める上でポリウレタン塗装など他の仕上げと比べて優位です。

ただし、大掛かりな設備が必要なため、どのメーカーでも対応できる訳ではありません。

また、分厚い塗膜により、木の質感や風合いは薄まってしまいます。

そのため、部位によって塗装種別を使い分けることがポイントです。

“柏田木材”は、国内外から良質な木材を仕入れ、長年培った経験と知識を活かし、お客様のご予算・設計デザインに合う木質建材をご提案しています。

塗装も全て自社で行なっていますので、多彩な塗装ラインナップより、ご要望に合うものをご提供できる点が強みです。

「木質系建材を使いたいが既製品では難しい」

「国産材を使いたいがコスト面などでハードルが高い」

「希少樹種を使いたいが必要量の材料が確保できない」

「ウッドインテリアを採用したいが耐久性が心配」

そんなお悩みを抱えている企業様を、私たちがしっかりサポートいたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。




MENU