木材のウレタン塗装とは?メリット・デメリットと経年変化、塗装方法を解説

ウレタン塗装は「コスト・耐水性・施工性」のバランスに優れた、最も汎用性の高い木材塗装です。
そのため、住宅から商業施設、DIYからプロの建築現場まで、幅広く採用されています。
ただし、木材へのウレタン塗装は、耐水性・コスト・施工性に優れる一方、用途によって向き不向きがあるので注意が必要です。
そこで、本記事では「木材のウレタン塗装」について、特徴とメリット・デメリット、他の塗料との違い、経年変化、屋外利用時の注意点、お手入れ方法、塗り替えのコツを、“木材のプロ”が詳しくお話しします。
関連する“よくある質問”も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
● ウレタン塗装により、木材の耐久性は高まります。
● 設計プランに採用する際には、事前にデメリットや耐用年数、経年変化、メンテナンスや、他の塗料との違いについて把握しておくことが重要です。
● ウレタン塗装の品質は、現場塗装と工場塗装によっても異なり、それぞれメリットとデメリットがあるため、予算や工期、施工部位に合わせた選定が必要です。
● 私たち「柏田木材」は、1950年に奈良県で創業以来、県産材・地域材を利用した高品質な木質建材を製造しており、ウレタン塗装やその他の特殊塗装も全て自社工場で行っています。
コンテンツ
ウレタン塗装とは|木材塗装の基本

「ウレタン塗装」とは、ウレタン樹脂を主成分とする“造膜系塗料”を用いる方法です。
造膜系塗料は、物体の表面に膜を形成してコーティングするため、高い保護効果があります。
※造膜系塗料とは異なり、木材に塗料が染み込むタイプは「浸透系塗料」と呼びます。
▶︎造膜系塗料・浸透系塗料の違いについて詳しく知りたい方はこちらから
そのため、無塗装の状態では水分・摩耗の影響を受けやすい木材を長持ちさせるために、ウレタン塗装が用いられるのが一般的です。
ウレタン塗装に用いられる塗料は、DIY向けのものから建築のプロが用いるもの、工場でしか扱えないものまでさまざまあり、木材の施工条件に合わせて選定されます。
木材にウレタン塗装するメリット・必要性とは

木材の強度と見た目を維持するためには、表面保護が欠かせず、ウレタン系塗料はその汎用性や施工性、コストの観点から、多種多様な現場で施工されます。
木材をウレタン塗装する主なメリットは、以下の通りです。
摩耗(擦りキズ)に強い
ウレタン塗装は、木材との密着性が高く、塗膜に厚みがあるため、フローリングなど絶えず摩耗を受ける場所でも、表面保護効果を一定期間保つことができます。
そのため、カウンターや家具に使用する木材にも、多く採用されています。
※ウレタン塗装で摩耗のダメージを抑制できますが、キズや凹みは防げません。
汚れ・シミがつきにくい
ウレタン塗装は、塗料に含まれる樹脂成分によって、塗膜の耐水性をプラスできる点が大きな特徴です。
そのため、多少の水分を弾くだけではなく、手垢などの汚れがつきにくくなります。
※キッチンカウンターなど濡れやすい場所では、ウレタン塗装の耐水性だけでは不十分な場合もあります。
塗膜に柔軟性がある
塗料に含まれる樹脂成分によって、ウレタン塗膜には弾力性があります。
そのため、湿気・乾燥による木材の伸縮にある程度追従でき、塗膜のひび割れを抑えることが可能です。
※塗膜が劣化すると徐々に硬化し、ひび割れてくる可能性があります。
木材の変形リスクを抑えられる
造膜系塗料を用いるウレタン塗装は、塗膜で表面をおおうため、浸透系塗料と比べると湿気や乾燥による木材の変形を抑えられます。
木材は湿潤と乾燥を繰り返すと、含水率の変動によって、反り・ねじれ・伸縮・割れなどの変形を引き起こすため、施工部位に合わせて塗装などの工夫が必要です。
※ウレタン塗装だけでは木材の変形を完全に抑えることはできません。材料選定も重要になります。
木材に光沢(つや)をプラスできる
ウレタン塗装は、塗料によって「つやあり(高光沢・10分つや)」や「3分・5分・7分(半つや)」「つや消し(マット仕上げ・超低グロス)」と、光沢を調整できます。
塗料にフラットベース(つや消し剤)を加えて、光沢を落としていくのが基本です。
※多くのウレタン系塗料は、つやの具合によって表面の滑らかさや耐用年数が変わるため、見た目だけではなく性能も含めてどのくらいのつやにするか検討しましょう。
塗料の中ではリーズナブル
ウレタン塗装に用いられる一般的な塗料は、他の塗料と比べて比較的安価です。
また、扱いやすいため、現場塗装する場合も施工費を抑えられます。
※ウレタン系塗料の中には、機能性塗料も含まれるため、全てが安価ではなく、材料コストが高いものもあります。
水性タイプは扱いやすい
ウレタン塗装に用いられる塗料には、水性・油性があり、水性はDIYや現場塗装でも扱いやすいため、広く採用されています。
ただし、水性塗料・油性塗料にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、選定の際には違いを把握しましょう。
| 水性塗料 | 【メリット】 ・ VOCが少なく、環境負荷や人への影響を抑えられる ・作業中の刺激臭がほとんどない ・現場保管しやすい(引火のリスクが低い) ・油性より塗膜が変色しにくい(変色しないわけではないため要注意) 【デメリット】 ・ 塗料の価格が高い ・ 気温や湿度の影響を受けやすい(乾燥時間や塗膜の品質などが変わる) |
| 油性塗料 | 【メリット】 ・ 塗料の価格が安い ・ 作業が早い(工程が少ない) 【デメリット】 ・塗膜が黄褐色になる(クリア塗装や白木塗装の場合は要注意) ・溶剤で希釈するため、強い刺激臭があり、VOC(揮発性有機化合物)が発生して大気汚染やシックハウス症候群の原因となる可能性がある ・ 現場保管に注意が必要(引火のリスクがある) ・ DIYでは扱いにくい |
耐薬品性が高い
ウレタン塗装は、塗料の性質上、薬品に触れても変質・変色しにくい特徴を持ちます。
特に、酸性・アルカリ性・塩分・油分に対する耐久性が高く、油性タイプは、工場や実験室の床仕上げにも採用される事例も少なくありません。
※シンナー類、アセトン、高濃度アルコールや高熱には弱く、塗膜が変色するため、注意しましょう。
機能性塗料の種類が豊富
ウレタン系塗料は、加える薬品によって、さまざまな機能をプラスできます。
例えば、表面についたウイルスを不活性化する「抗ウイルス塗料」や、床が滑りにくくなる「ノンスリップ塗料」、柔らかい針葉樹に用いられる「ハードコート塗料」が代表的です。
※機能性塗料の中には、現場で取り扱えず工場塗装のみに使用できるものがあります。
ウレタン塗装のデメリット

木材にウレタン塗装を施す場合は、事前にデメリットと対策を押さえておくことも重要です。
木材のウレタン塗装には、主に以下のようなデメリットがあります。
木材の質感が損なわれる
造膜系塗料を用いるウレタン塗装は、浸透系塗料とは異なり、木材表面がコーティングされるため、天然木のナチュラルな質感が損なわれてしまいます。
無塗装材とは触り心地が異なるため、事前に現物サンプルなどでどのように仕上がるか確認しましょう。
紫外線によって劣化しやすい
塗料に含まれるウレタン樹脂は、紫外線によって変質しやすいため、日当たりのいい場所に採用する際には経年変化を事前にご確認ください。
ウレタン樹脂は、成分のうちの1つである芳香族イソシアネート由来のウレタン結合が、紫外線によって切断されて劣化につながります。
具体的には、以下のような現象が起こるため、定期的な点検や再塗装を行いましょう。
- ホワイト・クリアの塗膜が黄ばむ(黄変する)
- 表面のつやが薄れる
- 塗膜が硬化してひび割れる
- チョーキング※する
※チョーキング:白亜現象とも呼ばれ、塗料に含まれる顔料が粉末状となって表面に浮き出る現象
耐キズ性が低い
ウレタン塗装には、日常生活中での擦りキズ(椅子を引くなど)や凹みキズ(家具を置く、軽いものを落とすなど)軽減できます。
ただし、木材に鋭利なものがぶつかるなど強い衝撃を受けると、塗膜は破れてしまいます。
特に、杉・桧などの針葉樹は柔らかく、ウレタン塗装してもキズがつきやすいため、ご注意ください。
キズや凹みがつくのを抑えたい場合は、硬い樹種(広葉樹系)を選ぶか、ハードコート塗装がおすすめです。
温度・湿度の影響を受けやすい
施工場所の温度・湿度によって、塗膜が乾くまで時間がかかったり、仕上がりの品質が低下したりするリスクがあります。
考えられるリスクは以下のとおりです。
- 【白化】→一番発生しやすいトラブルで、塗料内のシンナーが乾く際に気化熱によって周囲の気温が下がるとまだ硬化していない塗面に水分が入り込み、樹脂成分が析出・凝集して空孔ができる現象(希釈するシンナーを気化速度が遅いタイプに変更するなどの調節が必要)
- 【多湿環境】→塗膜が発泡したり滑らかにならなかったりする可能性がある
- 【高温・乾燥環境】→表面だけ急速に乾燥してひび割れが発生する可能性がある
- 【低温環境】→塗膜が完全に乾くまでに時間がかかり、重ね塗りすると下の塗膜が浮いたり、塗料が凍結して変質したりする可能性がある
水性塗料の施工環境として適した状態は、温度(気温)10〜30℃、湿度80%以下とされているため、空調されていない現場や屋外での施工には十分ご注意ください。
部分補修しにくい
ウレタン塗装の塗膜が部分的にキズついたり剥がれたりした場合、部分補修しにくく、全面的に再塗装しなくてはいけない場合があります。
部分的にサンディング(研磨処理)して再塗装すると、周囲との色・つやの違いが目立つ可能性があるため注意が必要です。
周囲と同じ塗料を使って部分補修しても、塗料の保管状況によっては、同じように仕上がらないケースも少なくありません。
仕上がりにムラが出やすい
造膜系塗料の保護効果は、下地の密着性や塗膜の厚さによって変わり、施工技術によって品質にムラが出る可能性もあります。
塗料ごとに塗布量と塗膜厚が決められているため、作業の前には詳細を確認しましょう。
- 塗布量:塗料の性能を発揮し、きれいに仕上げるために必要な量で、メーカーが定める(kg /㎡もしくは㎡/ℓで表記される)
- 塗膜厚:中塗り・上塗りをして乾燥した後の塗膜の厚みを指し、必要厚さを確保するために、メーカーが製品の比重や固形分の割合から塗布量を算出する(1㎜の1/1,000=µm[マイクロメートル]で表記される)
木材にウレタン塗装する場合の注意点|経年変化・お手入れ・補修

木材にウレタン塗装を採用する際には、塗装後の注意点も知っておくことをおすすめします。
そこで、ここでは経年変化や耐用年数、お手入れ方法、メンテナンス(再塗装)について詳しく紹介します。
経年変化(変色・劣化)
ウレタン塗装は、紫外線によって塗膜の弾力性が失われ、年数が経つとひび割れて保護能力が低下します。
また、塗料によって黄色く変色する「黄変タイプ」もあるため注意しましょう。
変色が少ない「無黄変タイプ」もありますが、黄変タイプとは特徴が異なります。
| 黄変タイプ塗料 | ・安価 ・塗膜が厚くなりやすく、耐久性が高い ・経年によって黄変する(黄ばむ) |
| 無黄変タイプ塗料 | ・経年による黄変が少ない(黄ばみにくい) ・黄変タイプと比べて価格が高い ・厚い塗膜を形成しにくく、黄変タイプより耐久性が低い(肉厚な塗膜にするためには、塗装回数を増やさなくてはいけない) |
これらの特徴から、施工効率やコストを重視する場合は「黄変タイプ」、白木など色が淡い木材にクリア塗装する場合は「無黄変タイプ」がおすすめです。
耐久性も見た目も重視する場合は、黄変しても目立ちにくいウォルナットやチークなど暗い色味の木材や、木目がはっきりしている木材を採用しましょう。
耐用年数(メンテナンス周期)
家具や内装仕上げ材など室内の場合は「耐用年数15〜20年」、風雨や紫外線にさらされやすい屋外では「耐用年数8~10年」が目安です。
※屋内用ウレタン塗料と屋外用ウレタン塗料は異なります。
室内・屋外どちらの場合も、耐用年数を迎えると、表面が劣化してひび割れ、樹脂が剥離し始めます。
耐用年数はあくまでも目安であり、温度・湿度環境によっては短期間で塗膜が劣化する可能性もあるため、塗装部分はこまめにチェックしましょう。
劣化しやすい条件
ウレタン塗装の塗膜は、以下の条件が揃うと劣化が早まるため、ご注意ください。
- 紫外線を受ける(直射日光を長時間受ける日当たりの良い場所は特に要注意)
- 高温多湿である(熱と水分によって、樹脂に結合が解ける加水分解が起きる可能性がある)
- 屋外で日当たりと風通しが悪い場所(塗装部分にカビやコケが発生すると、その水分で塗膜が剥がれやすくなる)
- プールサイドなど塩素水に触れる(水分に含まれる塩素が、ウレタン塗装の加水分解が促進される)
- 温度差が激しい(木材の大きな伸縮が繰り返されると、塗膜にひび割れが発生しやすくなる)
- ホコリが溜まっている(ホコリが空気中の水分を吸収すると、塗膜の劣化につながる)
お手入れ方法
ウレタン塗装された木材の表面をお手入れする場合は、柔らかい布に希釈した中性洗剤を含ませ固く絞って汚れを拭き取り、速やかに乾拭きして水分を残さないようにしましょう。
しつこい汚れがついても、溶剤(シンナー、ベンジン、アルコールなど)を使うと、つやが落ちたり塗膜が変色したりするため、使用はおすすめしません。
また、ウレタン塗膜は弾力があり分厚いので、化学雑巾やウレタンスポンジで擦ると、細かいキズがつく可能性がある点にはご注意ください。
補修・再塗装
ウレタン塗膜を補修したり再塗装する場合は、既存塗膜の表面を紙やすりなどで研磨(ケレン)して、浮いた塗膜はしっかり剥がし、表面を清掃してから作業しましょう。
表面の研磨作業を怠ると、新しく塗った塗膜が密着せず、すぐに剥がれる可能性があります。
他塗装との違いを比較|シリコン塗料・オイル塗料・自然塗料・ラッカー塗料・UV塗装

木材の仕上げとして用いられる塗料は、ウレタン系塗料だけではありません。
そのほかにも、シリコン塗料やオイル塗料、自然塗料、ラッカー塗料、UV塗料などを採用する場合もあります。
塗料ごとのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
| 塗料の種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ウレタン系塗料 | ・安価で厚い塗膜を形成しやすい ・耐水性が高い ・木材の伸縮などにも追従でき、ひび割れにくい ・塗料のレパートリーが豊富(機能性塗料も豊富) | ・耐久性や耐熱性はシリコン塗料やUV塗料と比べるとやや劣る ・木の質感が変わる ・油性は溶剤にVOCを用いるため、人体や環境へ悪影響を及ぼす |
| シリコン系塗料 | ・塗膜が硬く剥がれにくい ・耐久性や耐候性が高い | ・ウレタン系塗料よりも弾性が低く、塗膜がひび割れやすい ・ウレタン系塗料よりも高価 |
| オイル塗料 自然塗料 | ・木の質感は無塗装の状態に近い ・人体や環境への悪影響が少ない | ・浸透系塗料なので、表面に塗膜は形成されず、保護能力は低い(汚れやシミ、すりキズがつきやすい) ・耐水性や耐久性、耐薬品性、耐熱性はない |
| ラッカー塗料 | ・溶剤が揮発して硬化するため、薄い塗膜を作りやすく、木の質感が残りやすい | ・耐久性が低く、耐水性、耐熱性もない ・溶剤にVOCを用いるため、人体や環境へ悪影響を及ぼす |
| UV塗料 | ・短時間で硬化するため、ウレタン系塗料よりもさらに分厚い塗膜を形成できる ・耐久性、耐水性、耐汚性、耐熱性が高い ・一度硬化すると塗膜が剥がれにくい | ・大掛かりな設備が必要なので、現場塗装できない ・塗装済み木材は高価(ただし、塗膜が長持ちするため再塗装コスト削減に) ・対応できるメーカーが限られる ・再塗装が難しい |
このように、木材への塗装と言っても、使う塗料によって特徴は大きく異なるため、予算や施工部位、工期などを考慮して、適した塗料を選ぶことが重要です。
屋外木材にウレタン塗装は適しているのか|注意点と塗料の選び方

外壁の仕上げ材やフェンス、ウッドデッキなど、木材を屋外に施工するケースも多く、その場合もウレタン塗装は採用されます。
ただし、室内よりも紫外線や雨の影響を受けるため、塗料選びには注意が必要です。
特に注意していただきたいポイントは、ウレタン系塗料には「屋内用と屋外用がある」という点です。
それぞれの塗料には、以下のような違いがあります。
- 【屋内用ウレタン系塗料】→人体への影響が少ない反面、耐水性や耐候性は屋外用に劣る
- 【屋外用ウレタン系塗料】→耐水性や耐候性を高めるための化学物質が多く、人体への影響に注意が必要
屋外の木材に屋内用塗料を使用すると、数年も経たないうちに塗膜が劣化してしまう可能性があります。
塗膜の耐久性以外にも注意すべき点がありますので、屋外の木材塗装について詳しく知りたい方は、下記コラムをご覧ください。
▶︎おすすめコラム:木材の屋外施工|塗装の必要性とは?劣化の原因・塗装の選び方と長持ちさせるポイントを解説
【重要】ウレタン塗装の品質は施工環境で変わる|現場塗装・DIYと工場塗装の違い

ウレタン塗装の品質(見た目や塗膜の耐久性)は、施工環境に大きく依存します。
高品質の塗料を使っても、施工に適した条件が揃わなければ、思うような効果を発揮できない可能性もあるのです。
塗装の方法は、現場塗装(DIY含む)と工場塗装に分けられ、それぞれ異なるメリット・デメリットがありますので、工事計画を検討する際には、事前にポイントを押さえておきましょう。
| 現場塗装・DIY塗装 | 【メリット】 ・少量の塗装範囲に対応しやすい ・木材を加工(施工)してから塗装できる ・現場で施工前に色や仕上がりの具合を確認できる(試し塗りが可能) ・工程変更に柔軟に対応できる 【デメリット】 ・使用できる塗料や塗装方法が限られる(耐久性は高いが有毒性のある塗料や大掛かりな設備のいる塗料は採用できない) ・塗装する人の技術レベルによって仕上がりが左右されやすい(ムラが出やすい) ・完全に乾燥するまでの間、天候・湿度・温度の影響を受けやすい(仕上がり・コスト・工期に影響が出る) ・多湿な季節や天気の日は、乾燥不良による不具合が起こる可能性がある ・工程や天候の影響により、材料が納品されてもすぐに塗装できない場合がある ・塗装費用とは別に、養生代などの仮設費がかかる ・塗料の臭いで近隣トラブルになる可能性がある |
| 工場塗装(塗装済み木材) | 【メリット】 ・最適な乾燥時間や温度・湿度の環境を整えやすい(最良の状態で塗装できる) ・現場塗料では対応できない塗料や塗装方法を選べる(高耐久な塗料の中には工場でしか扱えないものが多い) ・塗装工程は、天候や温度・湿度の影響を受けない ・機械による自動塗装のため、品質ムラが少ない ・一定の塗膜厚さを確保でき、耐用年数が長い ・現場の工程やコストを正確に管理しやすい ・納品されたらすぐに施工できる ・現場養生代などの仮設費を抑えられる 【デメリット】 製品の運搬コストがかかる 特注塗装品は納期がかかる 現場でカット加工するとタッチアップ塗装が必要 |

| 比較項目 | 現場塗装・DIY塗装 | 工場塗装 (塗装済み木材) |
|---|---|---|
| コスト | ◎ (塗料の材料費は比較的安価で、施工費も高くない) | ◯ (材料費が高くなるが、高耐久でライフサイクルコストを抑えられる可能性がある) |
| 耐久性 | △ (施工の技術レベルや温度・湿度の状態によって、差が出て、さらに使用できる塗料が限定される) | ◎ (最良の状態で塗装でき、機械による作業なので、有毒性の高い塗料を使用でき、塗膜厚さなどが一定で高耐久) |
| 品質 | ◯ (施工の技術レベルや温度・湿度の状態によって、差が出る) | ◎ (機械による作業なので、仕上がりが均一) |
| 汎用性 | ◯ (現場で臨機応変に使用や工程を変更できる) | △ (現場の急な仕様変更に対応しにくいため、事前に十分な検討が必要) |
| 見た目の仕上がり | ◯ (施工の技術レベルや温度・湿度の状態によって、差が出る) | ◎ (調色やつやの細かな調節も可能) |
▶︎現場塗装と工場塗装の違いについて、さらに詳しく知りたい方はこちらから
柏田木材は、木質建材の製造・加工からウレタン塗装、UV塗装・不燃塗装などの特殊塗装まで、すべて自社で行っています。
複数種の塗装サンプル作成や、オリジナル着色のご提案など、豊富な塗装レパートリーを組み合わせ、お客様のイメージを実現化できる点が弊社の強みです。
「既製の塗料ではデザインを表現しきれない」「高品質な塗装済み木材を採用したい」という方は、お気軽に弊社までお問い合わせください。
木材のウレタン塗装に関するよくある質問

最後に、木材のウレタン塗装に関して多くの方からご質問いただく点にお答えします。
ぜひ、塗料や施工方法、材料を選定する際の参考にしてください。
Q .適したウレタン系塗料を選ぶポイントは?
A.ウレタン系塗料を選ぶ際には、「施工部位・樹種との相性・つやと色味・コスト・メンテナンス計画」と、幅広い視点が必要です。
中規模以上の建築物など、塗装範囲が広い場合は、品質が均一な工場塗装材を採用する方法をおすすめします。
住宅などの小規模建築物でも、外壁に木材を使用する場合は、耐久性の高い工場塗装材をぜひ選択肢に入れてみてください。
Q .ウレタン塗装は「体に悪い」って本当?
A.ウレタン系塗料に含まれる硬化剤が人体に悪影響を及ぼす可能性がありますが、塗膜が完全硬化した後は、健康リスクの心配がないとされています。
塗料に含まれるウレタン樹脂は、人の肌に触れても害はないと言われていますが、硬化剤に含まれる「イソシアネート化合物」は、長期間吸い続けると、ぜんそくや過敏性肺炎を引き起こし、皮膚へ触れると痛みや腫れ、水疱ができる恐れがあるため、取り扱いには注意が必要です。
(参考:厚生労働省|職場の安全サイト|トリレンジイソシアネート)
ただし、このイソシアネート化合物が人体に影響を及ぼすのは、硬化剤が揮発している途中(塗膜が固まる途中)に限られ、硬化後は剥がれた塗膜を大量に口にしない限り、健康被害は起きないとされています。
小さいお子様やペットのいる場所など、特に健康リスクを避けたい場合は、自然系塗料の採用をご検討ください。
Q .防水性はある?
A.ウレタン塗膜は、劣化していない状態であれば高い耐水性を発揮しますが、防水材としての防水性能はありません。
ウレタン系塗料で防水に特化した防水塗料もありますが、木材に用いられるものとは別物です。
木材に塗布するものは、塗膜が劣化すると撥水性が下がり、水分が内部に浸透して、木材腐朽菌やシロアリの繁殖を招き、強度低下の原因となる可能性があるので注意しましょう。
Q .不燃性のあるウレタン系塗料はある?
A.ウレタン系塗料の中には、不燃性に特化した不燃塗料もあります。
ただし、これは不燃材料の性能を維持するためのものであり、非不燃材に不燃性能をプラスするものではありません。
不燃木材に使用する場合も、現場塗装では防火材料の国土交通大臣認定が取り消される場合があるため、工場での塗装が原則です。
塗装済み木質建材は“柏田木材”へご相談ください

柏田木材は、林業・製材業で世界的に有名な奈良県五條市で「無垢材・不燃木材・突板化粧板・不燃パネル・集成材」を製造・販売する建材メーカーです。
産地と品質にこだわった木材を仕入れ、天然木の魅力を活かした木質建材を手掛け、規格のサイズ・仕上げに加えて、塗装仕様の選定から現物サンプルの作成、オリジナル色の調色も承っております。
ウレタン系塗料はもちろん、UV塗料・オイル塗料・屋外用塗料などの多種多様な塗料を使いこなし、これまで300色以上の調色に対応してきた実績があることが弊社の強みです。
【UV塗料】
短時間で硬化するため、分厚い塗膜を形成できて表面強度が高まります。
防汚性や耐薬品性も高いため、床や壁に施工する木材におすすめです。
【オスモUVオイル塗料】
安全性の高い植物油を原料とした塗料でありながら、ウレタン系塗料と同等の防汚性・耐薬品性を持ち、木材の調湿性も維持できます。
国産材の杉・桧との相性が非常に良いため、多くのお客様からお問い合わせいただいている人気の塗料です。
【難黄変2液型ウレタン塗料】
ウレタン系塗料は硬化後も紫外線や排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の影響で段々と黄変してしまいます。
弊社では黄変しにくく傷にも強い難黄変2液型ウレタン塗料を基本仕様としています。
一般的な塗料と比べると少々高価ですが、施工時の美しさを長く保てる点がメリットです。
【キシラデコール】
現場塗装やDIYでも一般的に使用されている浸透系屋外用塗料ですが、弊社ではスポンジロールコーター(※)を用いた塗装によって、手作業の塗装よりも均一かつ高精度な仕上がりを提供しております。
※スポンジロールコーター:スポンジロールを用いて塗料や薬品を均一に塗布する機械
【木材保護塗料 S-100】
高耐久でありつつ木目を活かした塗装が可能な水性造膜系塗料です。
通常の塗料よりも耐用年数が長く撥水性・潤滑性が非常に高いため、施工後も汚れが付きにくく長期間にわたり美しさを保てます。
【レナー社の屋外用水性塗料】
レナー(RENNER)社は2004年に木材用塗料を中心に手がけるメーカーとしてイタリアで創業し、急成長を遂げている優れた塗料メーカーです。
レナー社の屋外用水性塗料は、国内メーカーの塗料と比べても「変色・白亜化・ひびわれ・水脹れ・質量変化」が起こりにくく、木材を紫外線や雨風、汚染・塩害・低温・高温から守ることができます。
日本では利用実績がまだそれほど多くなく、取り扱っている建材メーカーは少ないですが、大注目の高性能塗料です。
柏田木材では、以下の木質建材を製造しております。
● レパートリー豊富な「塗装・表面加工ラインナップ」
● 木材の切削・接着・着色・塗装を全て自社工場で行うことによる「高い品質安定性の確保」
● 木材産地に近い立地による「リーズナブルな価格の実現」
● SDGsやカーボンニュートラルの実現につながる「国産材(県産材・地域材)の活用」
● “こだわり”を実現できる「特注加工・開発支援・OEM製造」
● 施工効率性アップを実現できる「自動倉庫管理のオンタイム納品」
柏田木材が、材料選定やデザイン構想段階から製造まで一貫してサポートいたしますので、「こんな材料があればいいのに」「既製品ではうまく納まらない」とお悩みの方は、ぜひ一度弊社までご相談ください。
まとめ
ウレタン塗装により、木材の耐久性は高まります。
ただし、設計プランに採用する際には、事前にデメリットや耐用年数、経年変化、メンテナンスや、他の塗料との違いについて把握しておくことが重要です。
ウレタン塗装の品質は、現場塗装と工場塗装によっても異なります。
柏田木材は1950年創業以来、時代に合わせて様々な木質建材の製造・販売を行ってまいりました。
奈良県産材をはじめとした各地の銘木を取り扱い、木質建材の製造から加工、塗装まで、全て自社工場にて行っております。
内外装の仕上げに用いる木質建材の選定でお悩みの方は、ぜひ柏田木材までご相談ください。


