無垢材家具のデメリット|突板化粧板の造作家具がおすすめ「10の理由」を解説

重厚感のある無垢材を使った家具は、住宅や店舗の設計デザインにおいて人気ですが、プランに採用する前に知っておくべきデメリットや注意点があります。
そこで今回は、「無垢材家具」のメリット・デメリットと、造作家具における無垢材・突板化粧板の使い分けについて“木材のプロ”が詳しく解説します。
そのほか、造作家具に関して多くの方からいただくご質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
⚫︎無垢材の家具にはデザイン面でメリットがある反面、コスト・施工性・重量・メンテナンス性などにおいて注意すべきデメリットがあります。
⚫︎造作家具の最適な材料は、建物の用途や規模、予算、設計プランによって異なり、無垢材と突板化粧板を適宜使い分けることが重要です。
⚫︎「柏田木材」は1950年に奈良県で創業して以来、産地にこだわった「無垢材・突板化粧板・不燃木材・集成材・ランバーコア」などを取り扱い、木質建材の製造から加工、塗装まで全て自社工場にて一貫して行なっております。
コンテンツ
無垢材家具のメリット

無垢材から作られる家具には、デザイン面や機能性においていくつかのメリットがあります。
- 唯一無二の家具に仕上がる(無垢材は樹種・産地・使用する部位によって、木目や色味が異なる)
- 重厚感・高級感と優雅さ(無垢材は、彫刻などの細かい装飾加工が可能で、経年で独特なツヤを発する)
- 木の香り成分によるリラックス効果(樹種によっては精油成分が鎮静効果をもたらす)
- 無垢材(無塗装品)の吸光効果(紫外線の反射を抑制し、目の負担を軽減する)
- 無垢材(無塗装品)の調湿効果(壁面収納などの大型家具は、空気中の湿度を吸収してそれを放出する調湿性能を持つ)
- 経年変化が趣をプラスする(自然変色・ツヤにより、独特の風合いが出る)
- メンテナンスの容易性(キズ・汚れがついても、研磨や塗装によって百年以上使い続けられる)
これらの点から、無垢材家具は古くから世界中で親しまれています。
ただし、無垢材家具は製作・使用において、事前に知っておくべきデメリットもあるため注意が必要です。
無垢材家具のデメリット

無垢材家具には、コスト面・性質面・施工面などにおいてデメリットと注意点があり、それを知らずにプランへ採用すると、後でトラブルになる可能性があります。
価格が高い
家具の材料として主に使用される無垢材は高強度の広葉樹※で、原則として輸入材であり、原油高や円安の影響で近年価格は高騰しているのが実情です。
※オーク・ウォルナット・チーク・チェリーなど
スギやヒノキ、キリ、パインなどの針葉樹も一部の家具に材料として用いられますが、柔らかくキズや凹みがつきやすいため、高級家具にはほとんど採用されません。
温度・湿度環境による変形リスクが高い
無垢材は、周囲の空気が湿潤と乾燥を繰り返すと、反り・ねじれ・収縮などの変形を起こします。
組み立て後の家具においては、その変形力による負荷が局部的にかかり、ひび割れる可能性もあるため注意が必要です。
無垢材の変形リスクは、樹種だけではなく、木表(きおもて)・木裏(きうら)のどちらを表面に使うかによっても異なるため、無垢材家具の製作には木材に関する深い知識と経験が欠かせません。

▶︎おすすめコラム:木材の「木表・木裏」とは|どっちが上?見分け方・反りの違い、使い分けを解説
品質・仕上がりにムラが出やすい
無垢材は丸太を乾燥・製材した天然素材なので、同じ産地・加工場所でも、品質にムラが出るリスクがあります。
また、良質な材料を選定するには経験が必要で、同じ品質・見た目の無垢材を大量確保しにくく、職人の技術力によって家具の仕上がりが左右される点は否めません。
また、無垢材は保管状況(湿度環境)によって品質が変わり、材料1本ごとの性質と状態を見極めた加工技術も必要です。
汚れ・シミがつきやすい
無垢材は湿気の吸収率が高く、無塗装の状態では液体が付着するとすぐにシミになる可能性があります。
色味が淡い樹種は、液体以外に手垢汚れが目立つ点も注意すべきポイントです。
万が一、シミや汚れがついた際にその部分を洗剤で拭き取ろうとすると、それがさらなるシミになるため、ご注意ください。
▶︎おすすめコラム:木材の仕上げ加工|塗装・研磨方法の種類やDIYとプロの違いを徹底解説
こまめなメンテナンス・手入れが必要
無垢材に塗装を施せば、シミや汚れ、擦り傷がつくのをある程度防止できますが、一度塗装すると定期的な再塗装が必要になるため、メンテナンス周期などを事前に確認することが重要です。
無垢材の表面保護や乾燥防止に用いられるオイル塗装は、半年〜1年に一度は塗り替えが必要になります。
ウレタン塗装はオイル塗装よりもこまめな塗り替えは必要ありませんが、テーブルやカウンターなど摩擦を受ける場所は最低でも5〜10年で再塗装しないと保護効果を維持できません。
また、ウレタン塗膜は、窓辺など紫外線を受ける場所では数年でひび割れ・剥離が起きる点にもご注意ください。
▶︎おすすめコラム:〈ウレタン塗装+木材〉メリット・デメリットや経年変化、その他塗料との違いを解説
変色する
無垢材の多くは、リグニン※が紫外線に反応することにより変色(淡色化・濃色化)します。
※リグニン:植物の細胞壁に含まれる主成分で、セルロースとの結合により植物の硬度を出す役割を持つ
そのため、無垢材の家具は光がよく当たる場所と壁になる場所で色違いが起きるケースは珍しくありません。
家具全体が満遍なく変色すればあまり気になりませんが、テーブルやカウンターでは、部分変色すると目立つ可能性があるので注意が必要です。
ただし、近年は木材の日焼けによる変色を抑制する塗料もありますので、家具の設置場所に応じて使用する事例も増えています。
重くなる
無垢材は、強度を確保するために材料を厚くしなくてはならず、家具に加工すると重くなる可能性があります。
壁や天井・床に固定する家具であれば重量が大きくてもあまり支障はありませんが、置き型の家具は地震で移動・転倒すると、思わぬ事故を招きかねません。
また、重い材料は施工効率も低下させます。
学校やホテルなど、多数の家具が必要な現場において、家具の施工効率低下は工期遅延や予算アップにつながるのでご注意ください。
内装制限をクリアするのが困難
特殊建築物※や、一定規模以上の建築物は、建築基準法・消防法の内装制限を受けます。
※特殊建築物:不特定多数が利用する用途の建築物で、建築基準法第2条で定める「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物」を指す。
建築基準法は、原則として、居室・通路の天井と壁のみが内装制限を受けて、床面から1.2m以内の腰壁や巾木・窓枠などの造作部材、家具は対象に含まれません。
しかし、消防法においては「簡単に取り外しできず木材その他可燃材料を用いた壁面収納や造作家具」も規制の対象です。
(参考:東京消防局|第6内装制限・防火材料)
内装制限の対象になると、仕上げ材に防火材料(不燃・準不燃・難燃材料)の使用が義務付けられ、無垢材家具は不燃木材で作らなくてはいけない可能性があります。
不燃材料での家具製作は、コスト面や施工性・意匠性の観点から実現が困難な場合が大半です。
▶︎おすすめコラム:〈内装制限〉建築基準法を分かりやすく解説|建物種類・不燃材料・2025年建築法改正についても
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インテリアをトータルデザインするとさらにコストアップ
家具と天井・壁・床・内装ドアなどをトータルデザインして同じ風合いの木材を使用したい場合でも、納まりによっては厚みのある無垢材では実現できない可能性があります。
万が一、家具とその他の部分で同じ無垢材を使用できたとしても、コストが高くなる点には注意が必要です。
無垢材家具はデザイン性においてとても魅力的ですが、建物の規模や家具のデザインによってはベストなプランとは限りません。
そのため、設計デザインのプランに応じて、無垢材と突板化粧板を使い分ける必要があります。
「無垢材」と「突板化粧板」の使い分けが重要

突板化粧板とは、丸太を厚さ0.2〜0.3mmに薄くスライスした突板(つきいた)を表面材とした木質化粧板で、天然の木目や色味を仕上げ材として採用できます。
無垢材と突板化粧板には特徴に違いがあるため、家具の材料を選定する際にも、建物や空間の用途・予算に合わせて、最適な方を選ぶことをおすすめします。
| 無垢材 | ・大きくダイナミックな木目を活かせる(テーブルなどの天板におすすめ) ・変形を抑えるためには、材料を厚くするなどの工夫が必要(家具が重くなり、コストも高くなる) ・キズや汚れがついても、研磨補修できる(ただし、量が多いと点検・管理・補修が大変) |
| 突板化粧板 | ・突板のサイズによっては表面に継ぎ目が出て木目が途切れる(家具の細かいパーツはあまり気にならない) ・薄くても無垢材より変形しにくい ・キズや汚れがついても補修できない(ただし、保護塗装により、表面の耐久性を高められる) |

個人住宅や小規模な店舗など、家具のメンテナンス・手入れを細かく管理できる建物は「無垢材」の家具もおすすめですが、不特定多数の人が利用する中大規模の建築物では、こまめな家具の点検が難しいため、お手入れしやすい「突板化粧板」の家具がおすすめです。
『柏田木材』は、無垢材・突板化粧板・集成材を取り扱い、ウレタン塗装やオイル塗装から特殊塗装まで、全て自社工場にて行なっております。
木質建材選びでお悩みの方は、お気軽に弊社までご相談ください。
▶︎おすすめコラム:カウンター材の選び方|無垢材・集成材・突板化粧板どれがいい?用途や材質の種類、加工について
▶︎おすすめコラム:突板にデメリットはあるのか|フローリング・家具・テーブル天板の注意点、無垢材・挽板との違いを解説
突板化粧板の造作家具をおすすめする「10の理由」

無垢材家具には、歴史を感じさせる魅力がありますが、キズや汚れ、経年変色を味わいとして受け入れることが求められ、こまめな手入れも必要です。
そのため、公共的な施設では採用が難しいのが実情です。
そこで無垢材に代わって多くの現場に採用されているのが、突板化粧板で作る造作家具です。
突板化粧板の造作家具には、以下のメリットがあります。
- 無垢材よりも変形しにくく、薄い材料で品質・形状・強度を保てる
- 無垢材よりも材料を軽量化できる
- 希少な樹種・高価な樹種でも、無垢材より材料コストを抑えられる(天然木部分が極薄であるため)
- 比較的柔らかい針葉樹でも、基材(きざい)となるパネルの種類によって強度を高められる
- 無垢材よりも多様な樹種を選べる
- 高品質の工場塗装済み化粧板は、耐摩耗性・耐汚性に優れる(UV塗装※など)
- 無垢材は天然素材だが、突板化粧板は工業製品なので、品質が均一
- 無垢材よりも、突板化粧板は1本の丸太から採取できる表面積が大きいため、同じ色味の材料を大量に確保しやすい
- 工場塗装された突板化粧板は、塗膜の品質が均一かつ高品質で、メンテナンス・再塗装の間隔を長引かせられる
- 突板化粧板は、厚さのレパートリーが豊富で、壁・天井・内装ドアにも同じ見た目の材料を採用できる
※UV塗装:紫外線を照射すると硬化する特殊塗料を用いる塗装方法で、ウレタン塗装よりも厚い塗膜を形成できるため、表面の耐摩耗性アップにつながる
▶︎おすすめコラム:「木材の表面を守るUV塗装」特徴や種類、ウレタン塗装との違いについて解説
ちなみに、防火材料として認定を受けている突板不燃化粧板(不燃パネル)は、内装制限の対象となる天井や壁の仕上げ材として使用でき、壁面収納の材料としても制限をクリアできる可能性があります。
ただし、内装制限の対象範囲となる家具の材料については、建築主事(建築確認や公的検査を行う自治体などの担当者)によって判断が異なるため、事前の確認が必須です。
▶︎おすすめコラム:化粧不燃ボードとは|種類・厚み・規格・価格から、準不燃材との違いまで徹底解説
『柏田木材』は、無垢材・不燃木材から、不燃・非不燃タイプの突板化粧板、集成材・ランバーコアなど多様な木材を加工する建材メーカーです。
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【FAQ】造作家具に関するよくあるご質問

ここからは、多くの方からいただく「造作家具」に関するご質問を紹介します。
Q.無垢材家具と突板化粧板の家具では、寿命はどのくらい違う?
A.高級な無垢材家具は、メンテナンスや修理を繰り返して数百年使い続けられますが、突板化粧板は日本において1950年代に普及し始めたため、100年以上使用を継続できるか実証されていません。
無垢材家具を数百年維持するためには、コストと手間がかかり、突板化粧板の家具は、そこまでの耐用年数がない可能性はあるものの、メンテナンスが楽な点はメリットです。
定期的な家具の入れ替えを前提とする店舗・オフィスなどのテナント、ダメージを受けやすいホテル・学校・病院などの公共施設では、突板化粧板の寿命でも十分とも考えられます。
そのため、建物の用途や家具の設置場所によって、適した材料を選ぶことが重要です。
Q. 無垢材家具と突板化粧板の家具では、見た目に違いが出る?
A.無垢材と突板化粧板は、板材の面積が広くなると見た目に違いが出ます。
無垢材は、原則として一枚板を使用するため、木目が途中で途切れることはありませんが、突板は一定の間隔で継ぎ目が現れます。
ただし、直線的な木目が特徴の柾目(まさめ)を選べば、突板の継ぎ目はあまり目立ちません。
最近は、敢えて突板の継ぎ目を目立たせるために板目の突板を方向違いで並べるランダム貼りも人気です。


木目の違いに加えて、無垢材は装飾的な彫刻を施せるのに対して、突板化粧板は表面材+基材で構成されているため、表面の彫り込み加工ができない点も大きな違いです。
そのため、デコラティブなデザインの家具には「無垢材」、シンプルなデザインの家具には「突板化粧板」が多く採用されます。
高品質で多様な“柏田木材”の木質建材

柏田木材は、林業・製材業で世界的に有名な奈良県五條市で「無垢材・不燃木材・突板化粧板・不燃パネル・集成材」を製造・販売する建材メーカーです。
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材料選びでお困りの方はぜひ弊社までご相談ください。
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柏田木材では、以下の木質建材を製造しておりますので、造作家具の材料をご検討中の方も、ぜひ弊社にお任せください。
まとめ
無垢材の家具にはデザイン面でメリットがある反面、コスト・施工性・重量・メンテナンス性などにおいて注意すべきデメリットがあります。
造作家具の最適な材料は、建物の用途や規模、予算、設計プランによって異なり、無垢材と突板化粧板を適宜使い分けることが重要です。
柏田木材は1950年創業以来、時代に合わせて様々な木質建材の製造・販売を行ってきたメーカーです。
奈良県産材をはじめとした各地の銘木を取り扱い、木質建材の製造から加工、塗装まで、全て自社工場にて行なっております。
内外装の仕上げに用いる木質建材の選定でお悩みの方は、ぜひ柏田木材までご相談ください。

