木材の仕上げ加工|塗装・研磨方法の種類やDIYとプロの違いを徹底解説

木材の仕上げ加工|塗装・研磨方法の種類やDIYとプロの違いを徹底解説

木材にどのような加工を施すかによって、仕上がりのデザイン性・耐久性が左右されます。

それはDIYの場合もプロによる施工の場合も変わりません。

そこで今回は「木材の仕上げ加工」について塗装や研磨(サンディング)、カット、木口処理の種類を紹介します。

DIY・現場加工と工場加工の違いについてもお話ししますので、木材を用いた設計デザインを検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

コラムのポイント

● 木材の仕上げ加工には様々な種類があり、それぞれDIYや現場で対応できるものと工場でないと対応できないものに分かれます。

● DIYや現場での加工と工場での機械加工は特徴が異なるため、現場の規模や予算に合わせて適切な方法を選びましょう。

● 私たち「柏田木材」は1950年に奈良県で創業して以来、高品質な木質建材を製造販売しており、塗装や仕上げ加工も自社工場にて対応しております。



木材の塗装仕上げ種類

木材の塗装仕上げ種類

木材の塗装には、「木目を生かす仕上げ」と「完全に隠してしまう仕上げ」があり、主に3つに大別できます。

  • 「浸透系塗料」:木材表面だけではなく内部まで浸透する塗料
  • 「造膜系塗料」:表面に塗膜を形成し、内部までは浸透しない塗料
  • 「機能性塗料」:木材に機能をプラスできる塗料

それぞれ塗料ごとに特徴や用途が異なるため、施工部位に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。

浸透系塗装

オイルステイン
(オイルフィニッシュ)

木目を生かしつつ木材の乾燥を防ぎ着色もできる塗料です。

塗料によっては防腐・防虫効果もプラスできるため、屋内用・屋外用ともに用いられます。

塗料の希釈が不要なのでDIYでも扱いやすい点が特徴です。

セラミック塗装

ガラス質のセラミックを含む塗料で、乾燥すると表面の撥水性・防水性・防汚性が高まります。

また、塗料によっては耐薬品性・防カビ性・抗菌性などの表面保護効果や、難燃性も付与できるものもある点がメリットです。

DIY仕様からプロ仕様のものまであるため、塗料を選ぶ際は注意しましょう。


造膜系塗装

ニス
(水性・油性)

水性のアクリルニスやウレタンニス、揮発溶剤で希釈するラッカーニスなどがあり、どれも樹脂を含む透明系塗料です。

表面に樹脂の膜が形成されるため、表面保護機能に長けています。

ただし、経年とともに塗膜が劣化して剥がれたり、木材本来のマットな風合いや質感が失われてしまうので注意しましょう。

扱いやすく比較的安価なことから、主にDIY向きの塗料です。

PU塗装
(ウレタン塗装)

ポリウレタン樹脂を含む塗料で、家具やフローリングなど幅広い部位に用いられます。

耐水性・耐候性・耐熱性が高まり、木材の紫外線による劣化を抑制できる点がメリットです。

ただし、乾燥硬化するまで時間がかかる点には注意しましょう。

1液型はすぐに塗装できるためDIY向きで、主剤と硬化剤を混ぜ合わせる必要のある2液型はプロが主に使用します。

2液型は1液型よりも硬化時間が短く耐用年数が長いですが、一度混ぜ合わせるとその日のうちに使い切らなくてはいけません。

アクリル塗装

アクリル系合成樹脂を含む塗料で、安価で扱いやすい点がメリットです。

表面を保護しつつも水蒸気を外に放出できる透湿性があるため、湿度の高い環境下において採用されます。

ただし、耐久性や耐候性は低く、短いサイクルで再塗装が必要になる可能性があるため注意しましょう。

高耐久なアクリルウレタン塗料は2液型なので、基本的にはプロ用です。

シリコン塗装

シリコン系樹脂を含む塗料で、アクリル塗料よりも木材の耐久性・耐候性が高まります。

アクリル塗料と同様に透湿性がある上に撥水力もプラスされるため、屋外の木部にも用いられます。

PU塗料・アクリル塗料と同様に、1液型・2液型があるため、DIYで用いる場合は要注意です。

UV塗装

紫外線を照射することで硬化する樹脂塗料です。

その他の乾燥硬化型塗料と比べると短時間で硬化するため、塗膜を厚くできる点が大きなメリットです。

分厚い塗膜によって、耐久性・耐熱性・耐薬品性・耐摩耗性が高まります。

ただし、UV塗装するためには大掛かりな機材が必要なので、DIYはもちろん、プロによる現場塗装は基本的にできません。

また、木材を取り扱うメーカーでも非対応のところもあるため、材料選定の際には注意しましょう。


機能性塗装

抗ウイルス・抗菌塗装

木材表面に付着するウイルスや菌類の機能を抑制できる塗料もあります。

そのため、人のよく触れるドアやテーブル天板、カウンター材などにおすすめです。

DIYや現場塗装でも施工できる塗料はありますが、塗膜が均等に形成されにくいため、工場塗装が原則とされています。

日焼け防止塗装

木材に含まれるリグインが紫外線と反応して経年変色を引き起こしますが、それを抑えられる塗料があります。

DIY用とプロ用があり、プロ用の方が日焼け防止効果が長く持続します。

滑り止め防止塗装

主にフローリングなどの床材へ用いる塗料で、微粒子を含むため塗膜の表面に細かい凹凸ができて滑りにくくなります。

DIY用の簡易的なものも市販されていますが、粘性が高く均等に塗りにくいため、木材の場合は主に工場塗装されます。

不燃塗装

不燃塗料と聞くと塗布するだけで木材が不燃化すると思われがちですが、そうではありません。

あくまでも、「防火材料に塗布してもその防火性が下がらないようにする」ための塗料なので、不燃木材へ塗布することが条件です。

※詳しくは「木材は塗装で“不燃化”できる?建築基準法との関係や塗料の種類を解説」をご覧ください。


ポイント

柏田木材は、塗装も全て自社工場にて行なっております。

ウレタン塗料はもちろん、UV塗料やオイル塗料、屋外用塗料などを現場ごとに組み合わせ、300色以上の調色実績がある点が強みです。

塗装仕様の選定からサンプル作成、オリジナル色の調色も承っておりますので、お気軽にご相談ください。


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木材の表面仕上げ

木材の表面仕上げ

木材の表面加工は塗装だけではありません。

その他の仕上げ加工を施すことにより木材の風合いは大きく変わります。

うづくり加工
(浮造り加工)

木材の表面をブラシなどで細かく削り、木目の凹凸を浮立たせて強調させる加工です。

使い込んだような風合いが現れます。

原則は工場で加工しますが、電動ワイヤーブラシで時間をかければDIYでも可能です。

ワイピング塗装加工

表面の塗料を拭き取りながら馴染ませていく加工で、導管(※)を埋めるように塗料が行き渡るため、肌触りが滑らかになり木目がより一層際立つ点がポイントです。

※導管:植物の根から枝先まで主に水分を行き渡らせるためのパイプ。

手間がかかることから、主に家具などの仕上げに採用されます。

なぐり加工

日本で古くから行われている手法で、板材や角材の表面を工具で叩いて独特な凹凸をつける手法です。

個性的な風合いで味わい深いデザインになります。

超仕上げ
(超カンナ仕上げ)

木材の表面をカンナ掛けして鏡面状に加工で、塗装では生み出せない自然な艶感と滑らかな触り心地が魅力です。

ただし、木肌の粗い樹種や板目の木材では木目がささくれ立つ可能性があるため、全ての木材へは加工できません。

白木塗装仕上げ

通常、木材へクリア塗装をしても無塗装の状態と比べると「濡れ色」になり見た目が変わってしまいます。

それを抑える方法が白木塗装仕上げで、白木(無垢材)の色合いはそのままで表面を保護できます。

プレナー仕上げ

裁断されたままで表面が粗い木材をモルダーという機械に通して質感を滑らかにする加工です。

主に柱や梁などの構造体に用いられる加工で、家具や床材など人が直接触れる部分では研磨処理は不十分なので注意しましょう。


ポイント

柏田木材は、切削・接着・着色・塗装を自社工場にて全てライン化しているため、効率的かつ安定的な生産と品質確保を実現しております。




木材の研磨・サンディング仕上げ

木材の研磨・サンディング仕上げ

木材は切断したままの状態では表面が粗く、そのまま仕上げ材として使えません。

そのため、表面をヤスリで研磨するサンディング(サンダー)仕上げが必要になります。

サンディングすると表面が滑らかになり、マットでサラッとした風合いへ変化するのです。

また、塗料が均等にのりやすくなり、塗装ムラを防げる利点もあります。

サンディングに使われるヤスリは、目の細かさによって以下のように分類されます。

  • 荒目(#40〜100)
  • 中目(#120〜240)
  • 細目(#280〜400)
  • 極細目(#400〜800)
  • 超極細目(#1000〜2000)
  • 超精密研磨(#2000〜)


DIYや現場作業と工場での研磨は同じと思われるかもしれませんが、工場での研磨は加工精度が非常に高く、厚みムラが0.3mm程度に納まります。

そのため、内装材や家具など詳細な寸法が重要になる場合におすすめです。

ただし、機械による研磨は木材の一方向からしか掛からないため、荒目から中目のヤスリを使用すると手での研磨よりも研磨跡が目立つ可能性があるため注意しましょう。



木材のカット加工

木材のカット加工

木材は原木から板材・角材へ切断するだけではなく、細かいカット加工によって様々なデザインや納まりに対応できます。

主なカット加工は以下の通りです。

面取り加工
R加工

面取り加工とは、板材・角材の角を磨いて丸くする加工です。

角をどのくらい削るのかによって、C面取りやR面取り、糸面取りに分けられます。

R加工は板材の端部を大きく曲面に仕上げる加工で、テーブルの天板やカウンター材など、人の手に触れやすい木材へ施されます。

しゃくり加工

板材や角材を段差なく連結させるために接合部分に仕口(しぐち)や継ぎ手と呼ばれる溝をつくる加工です。

実(さね)加工

羽目板材やフローリング材などを連結させるために、実(さね)と呼ばれる凹凸をつける加工です。

一般的には凸部分を雄実(おざね)、凹部分を雌実(めざね)と呼びます。

連結した板材の継ぎ目に隙間が開かない本実突付(ほんざねつきつけ)加工と、隙間が均等に開くようにする本実目透かし(ほんざねめすかし)加工が一般的です。

エンドマッチ加工

本実加工は板材の長手方向のみに施しますが、短手方向にも凹凸をつけた方が美しく納まるケースもあります。

板材の短手方向に実(さね)を作る加工をエンドマッチ加工と呼びます。

レーザー加工

レーザー光線を木材へ照射してカット・彫刻・穴あけなどの加工を施すこともできます。

ただし、設備コストがかかるため、大量に細かい加工が必要な場合を除き、あまり用いられません。

それぞれDIYや現場での加工も可能ですが、使用できる工具が限られることから、精度は工場加工品より劣る可能性があるので注意しましょう。

木材の木口処理

木材の木口処理

無垢材の場合は木材をカットしても表面と断面の素材は同じですが、合板や化粧板は断面(=木口)がそのままの状態ではデザイン的にあまり好ましくありません。

そのため、納まりによっては以下の処理が必要になります。

木口塗装

木口(こぐち)を表面と同色で塗装すると、素材の違いが目立たなくなります。

木口シート貼り

化粧板の表面材と同素材のタックシートを木口に貼ると、表面とほぼ同じ見た目になります。


 DIY・現場と工場で加工する違い

 DIY・現場と工場で加工する違い

DIYや現場での加工と工場での機械加工とでは、できる加工の種類や仕上がりに差があります。

主な違いは以下の通りです。

加工場所特徴
DIY・現場加工①現場の状況や納まり変更に対応できる柔軟性がメリット
②品質にムラがあり、時間がかかる
③大掛かりな設備は必要ないが、少量の木材を加工するだけでも工具を揃える必要がある
④できない加工がある(UV塗装など)
⑤精度が悪くなる加工もある(実加工やエンドマッチ加工など)
工場での機械加工①事前に加工の種類やサイズ、仕上がりを明確に決めておく必要がある
②短期間かつ高品質で仕上がりが均一
③加工する木材の数量が多い場合は、時間とコストを削減できる(OEM製品としてラインを確保できる可能性も)
④耐久性や防汚性の高い業務用塗料を使用できる(一般的に市販されている塗料より業務用塗料の方が性能は高い)


総合的に見ると、DIYや現場での加工は状況に合わせて方法を変えるなどの柔軟性がありますが、精度はやはり工場での機械加工の方が高いのが通常です。

ただし、少量のみを工場で特注加工するとコストが割高になる可能性があるため注意しましょう。

マンションやホテル、その他中規模以上の建築物において工場での加工をおすすめします。

ポイント

柏田木材では、耐候性の高い「RENNER(レナー)塗料」や環境にやさしい自然塗料「オスモUV」などの最新塗料を取り入れ、さらに精度の高い特注加工やOEM製造を承っております。

「製品の仕様や性能について相談したい」「材料の手配から依頼したい」「施工効率を上げられる材料を探している」という方は、ぜひ柏田木材へご相談ください。





まとめ

木材の仕上げ加工や塗装には種類があり、DIYや現場で対応できるものとそうでないものがあります。

手作業による仕上げ加工と工場での機械加工には長所と短所があるため、現場の規模や予算に合わせて適切な方法を選ぶことが重要です。

柏田木材は1950年創業以来、時代と共に様々な木質建材の製造・販売を行ってまいりました。

様々な仕上げと塗装を自社工場にて対応しておりますので、多種多様な仕様の製品を一貫してお客様へ提供できます。

「どのような経年変化が現れるか心配」

「既製品の材料では設計デザインにフィットしない」

「国産材を使いたいがコスト面などでハードルが高い」

「希少樹種を使いたいが必要量の材料が確保できない」

「ウッドインテリアを採用したいが耐久性が心配」

そんなお悩みを抱えている企業様は、柏田木材へお任せください。

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