不燃材料とは｜建築基準法による決まりと防火性能、認定製品を選ぶポイント

建物の設計デザインをする上で欠かせないキーワードが「不燃材料」です。

構造材・仕上げを選ぶ際には、その意匠性だけではなく不燃性もチェックする必要があります。

そこで今回は「不燃材料」について、建築基準法における定義と準不燃・難燃材料との違い、種類・用途・施工部位を“木材のプロ”が詳しく解説します。

1950年創業の柏田木材が自信を持って提案する木質系建材も紹介しますので、ぜひ最後までごらんください。

不燃材料とは｜準不燃・難燃材料との違い

不燃材料とは、建築基準法で定められる「防火材料」の一種で、火災の際に加熱されても以下の現象が生じない建築材料を指します。

• 燃焼しない
• 防火上、有害な変形・溶融・き裂、その他の損傷を生じない
• 避難上有害な煙またはガスを発生しない

不燃・準不燃・難燃材料の違いは、上記現象が生じないまでの時間によって分類されます。

防火材料の種類	加熱開始後に認定条件を満たす時間
不燃材料	20分以上
準不燃材料	10分以上
難燃材料	5分以上

（参考：建築基準法施行令第108条2）

不燃材料の種類

防火材料（不燃・準不燃・難燃材料）は、告示※によって定められているものと、国土交通大臣から材料・製品ごとに個別認定を受けているものに分かれます。

※告示：国や地方自治体、その他公共団体などが、法令や条例に基づく内容を広く一般に告知するための形式

告示によって定められている材料

不燃材料は建設省（現：国土交通省）の告示により、以下のものが材料として認定されています。

• コンクリート
• れんが
• 瓦
• 陶磁器質タイル
• 繊維強化セメント板
• ガラス繊維混入セメント板（厚さ3mm以上のもの）
• 繊維混入ケイ酸カルシウム板（厚さ5mm以上のもの）
• 鉄鋼
• アルミニウム
• 金属板
• ガラス
• モルタル
• しっくい
• 石
• 石膏ボード（厚さ12mm以上でボード用原紙の厚さが0.6mm以下のもの）
• ロックウール
• グラスウール板

（参考：建設省告示第1400号「不燃材料を定める件」）

ちなみに、告示で定められる準不燃・難燃材料には建設省告示第1400号に含まれる「不燃材料」も含まれます。

つまり、不燃材料は準不燃・難燃材料の要件もクリアすると言うことです。

（参考：建設省告示第1401号「準不燃材料を定める件」、建設省告示第1402号「難燃材料を定める件」）

国土交通大臣から個別認定を受けている材料

不燃材料は告示によって定められているものに加えて、要件をクリアしていることが実験などによって証明されている場合は「国土交通大臣の認定を受けたもの（大臣認定品）」として使用（施工）が許可されます。

その背景には、2000年の建築基準法改正によって、防火材料の仕様規定に加えて性能規定が加わり、各種（防火・構造・設備・一般構造等）の性能基準が明確になった点が関係します。

大臣認定品にはそれぞれ認定番号が与えられ、カタログなどに表示されます。

防火材料の種類	認定番号
不燃材料	一般：NM-◯◯◯◯ 外部仕上げ用：NE-◯◯◯◯
準不燃材料	一般：QM-◯◯◯◯ 外部仕上げ用：QE-◯◯◯◯
難燃材料	一般：RM-◯◯◯◯ 外部仕上げ用：RE-◯◯◯◯

（参考：国土交通省｜建築基準法に基づく構造方法等の認定｜防耐火構造・防火材料ほか）

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不燃材料の用途・施工部位

不燃材料を含む防火材料の使用が義務付けられているのは、主に以下の法令に関係する部分です。

※防火材料の使用義務については、必ず各自治体へ詳細をご確認ください。

屋外の防火措置

建築基準法第64条「看板等の防火措置」によって、防火地域内にある屋外の看板・広告塔・装飾等には不燃材料の使用が義務付けられています。

具体的には、屋上に設置される高さ3mを超える広告や看板、装飾が該当します。

耐火・準耐火構造または防火・準防火構造の外装

建築基準法第21条第１項「大規模の建築物の主要構造部等」、第27条第１項「耐火建築物等としなければならない特殊建築物」、第61条「防火地域及び準防火地域内の建築物」の規定対象となる建築物の外装（延焼のおそれがある部分※）には、不燃材料の使用が求められる可能性があります。

※延焼のおそれがある部分：周辺の建物など外部からの延焼被害を防止するために防火性が必要となる部分を指し、建築基準法及び関連法令でその範囲が決められている

併せて、建物の規模（延床面積・階数）と建物を建てる地域によって、耐火・準耐火・防火・準防火構造にしなくてはならず、外壁などに不燃材料の仕様が義務付けられます。

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内装制限の範囲

建築基準法第35条第2項「特殊建築物等の内装」では、不特定多数の人が利用する建物（特殊建築物※）の内装仕上げ材に防火材料の仕様が義務付けられています。

※特殊建築物：不特定多数の人が利用する建物や火災時のリスクが高い建物を指し、建築基準法第2条「用語の定置」で定める学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫などが該当する

このルールを一般的には「内装制限」と呼び、壁・天井・扉・見せ柱など床以外の部分が対象です。

建物の規模（延床面積・階数）と用途、施工部位（壁or天井）によって、不燃・準不燃・難燃材料のどれを使用しなくてはいけないかが異なります。

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柏田木材の不燃材料｜不燃パネル・不燃木材

柏田木材は、林業・製材業で世界的に有名な奈良県五條市で「無垢材・不燃木材・突板化粧板・不燃パネル」を取り扱う建材メーカーです。

木材を知り尽くしているメーカーだからこそ、お客様のご要望やプラン・現場の条件に最適な材料を提案いたします。

木質建材の加工・製造に加えて特殊塗装も全て自社工場で手掛けているため、「内外装の防火規定に対応できる・表面耐久性が高い・変色しにくい・環境と人にやさしい・産地にこだわった」木質建材をお探しの方は、ぜひ弊社へご相談ください。

突板化粧板（不燃パネル）

対応樹種：杉・桧・米栂・米松・オーク・バーチ・メープル・ウォルナット・チーク・チェリー・アッシュ・カリン・カバなど40樹種以上

【不燃タイプ】

種類	厚みmm	幅mm	長さmm	塗装
規格サイズ	6・9	450	1818・2424	ウレタン塗装
特注サイズ	3〜90	〜1,220	〜2424

不燃木材

対応樹種：杉・桧

種類	厚みmm	幅mm	長さmm	塗装
羽目板 ルーバー	12～90	～450	1500～	無塗装 不燃ウレタン塗装（白華抑制タイプ）

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まとめ

不燃材料とは建築基準法で定められた基準を満たした防火材料の一種で、内外装の防火規定をクリアするために欠かせません。

柏田木材は1950年創業以来、時代と共に様々な木質建材の製造・販売を行ってまいりました。

「木目を活かした内外装デザインを実現させたいが思うような不燃材料が見つからない」という方は、ぜひ柏田木材までご相談ください。

各地の良質な木材を取り扱い、無垢材・不燃木材、不燃・非不燃突板合板を製造しております。