玄関框の種類とは?形状・材質の違いやおすすめ商品について解説
日本の住宅に欠かせない「玄関框」。
あまり知られていませんが、形状や材質にいくつかの種類があります。
そこで、今回は「玄関框」の役割や種類を徹底解説。
長年、框を作ってきた“柏田木材”の商品も紹介します。
高品質の木質建材をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
●框は、建物に入ってまず目に留まる部位で、玄関の印象を大きく左右します。
●予算や設計デザイン、納まりに合わせて適切な形状・材質の框を選ぶことが重要です。
●私たち「柏田木材」は、1950年に創業以来培った高い製造技術を活かし、高品質でディテールにまでこだわった框材を製造しています。
コンテンツ
玄関框とは?どんな役割がある?
框(かまち)とは、玄関で土間と室内を区切るために取り付ける横木の部材です。
上足と下足を明確に分ける日本住宅においては、古くから施工されてきました。
室内の床端部を隠して見た目を良くすることに加え、強度を高める役割を持ちます。
最近は、上下足のスペースを敢えて曖昧にする洋式住宅も増えていますが、框がない、つまり段差がないと、外部のホコリや水分が室内に入りやすく、靴の脱ぎ履きをする際も腰掛けられません。
そのため、靴を脱ぐ施設においては、必ず玄関框が設けられるのです。
玄関框の種類【形状】
玄関框と言っても、その形状や納まりにはいくつかの種類があります。
それぞれ特徴が異なりますので、ご予算やデザインによって使い分けてください。
では、詳しく見てみましょう。
框(上がり框)
多くの方がイメージするのが上がり框。
室内の床材端部に取り付ける横木で、厚みのある板状の部材です。
玄関ドアと平行に設置するのが一般的ですが、最近は曲線状の框を用いたり、角度を付けて斜めに設置したり、L型に納めたりする事例も増えています。
付け框
付け框は、土間の立ち上がりと壁の取り合い部分に設置します。
上がり框と同様に板状の部材で、室内の巾木と混同されがちですが、その目的は全く別物です。
巾木は壁と床の取り合い部分に設置し、床材端部の隙間を隠し、掃除の際に壁が汚れるのを防ぐための部材。
一方、付け框は、素材の異なる部分を接合させる部分を隠す見切り材です。
リフォーム框
既存の框を撤去することなく、きれいなもの・異なるカラーのものに取り替えられるのがリフォーム框です。
断面がL字をした薄い部材で、既存框の上から貼り付けます。
室内床を上貼りした場合に生じる既存框との段差も解消できるように、フローリング材と同じ程度の厚さに設定されているのが一般的です。
玄関框の種類【材質】
玄関框は、形状の種類だけではなく、材質にもいくつかの種類があります。
施工方法や見た目、質感が異なりますので、設計デザインの際には適した物を選ばなくてはいけません。
無垢材
一本の丸太を裁断して作られた物や、板材を積層した集成材があります。
全てが“木そのもの”なので、踏み心地が柔らかい点が魅力です。
ただし、角などに傷が付きやすく、温度・湿度環境によってねじれや反りなどの変形を起こす可能性がある点は注意しましょう。
また、継ぎ目のない長尺材は高価になる場合がほとんどです。
しかし、浅いキズやシミなどの汚れは研磨で補修できます。
挽板・突板材
挽板とは、無垢材を厚さ2〜3mm、突板は0.2〜0.3mmにスライスした材料で、これを集成材などに貼り合わせた框もあります。
表面には無垢材を用いるため、ナチュラルな木目をデザインに取り入れられます。
踏み心地は無垢材よりも硬めですが、温度・湿度変化による変形リスクが少なく、コストがやすい点が魅力です。
また、比重の重い樹種を用いても框材自体の重さを軽量化できるため、施工面でも有利と言えるでしょう。
また、長尺材の入手も、無垢材と比べると容易です。
深いキズやシミは補修できませんが、表面保護塗装(UV塗装やハードコート塗装)により、耐傷性・耐汚性を高めることができます。
シート材
木目や石目などをプリントしたシートを表面材として用いた框材もあります。
カラーや柄のラインナップが豊富な点がメリットですが、質感は無機質で模様が単調になる点は否めません。
耐水性に優れているため、機能面を重視する場合におすすめです。
ただし、キズは補修できない点には注意してください。
石材
ハイグレードな建築物を中心に、天然石(御影石・大理石など)や人造石から作られた框材を用いる事例もあります。
高級感がある点が魅力ではありますが、現場加工が難しくコストが高いため、一般住宅で取り入れられることはごく稀です。
“柏田木材”では、品質や寸法の安定性が高く、コスパに優れた「突板貼り框」を製造。
樹種・塗装(クリア・着色)、表面特殊加工の組み合わせによって、幅広いご要望に対応できます。
玄関框の高さはどのくらいがベスト?
玄関框の高さは、建物用途や構造種別によって異なりますが、一般的には「100~300mm」です。
ちなみに、国土交通省では高齢者向け施設や住宅においては、18cm以下が望ましいとしています。(参考:国土交通省|高齢者の居住の安定確保に関する法律)
そのため、マンションなどの非木造住宅においては50~70mm、木造戸建住宅は150~170mmに設定している場合が大半です。
框が低いほどバリアフリーの観点からは有利で、室内外を緩やかに繋げるため、空間に広がりが感じられます。
ただし、靴の脱ぎ履きをする際に腰掛けられないため、別途ベンチなどが必要になります。
逆に、高くするとゾーニングが明確になり、メリハリや風格を感じる空間に仕上がり、和風建築におすすめです。
ご要望を実現できる“柏田木材”の玄関框
柏田木材の「突板貼り框」は、無垢材製の物と比べても仕上がり面で引けを取らず、施工性が高い点が強み。
突板貼り框の品質や施工性に差が出るポイントは以下の7点です。
“面取り部分”の美しさ
突板貼りの場合、下地に突板と同系色の樹種またはMDFを利用することが一般的。
しかし、突板と下地で異なる素材を利用するため、面取り部分など下地が露出する部分は、同系色といえども、処置が不十分だと色の差が目立ち、仕上りが悪くなってしまいます。
上がり框は室内へ入ると真っ先に目に留まる場所だからこそ、見た目のディテールにまでこだわった材料を選んでください。
柏田木材では、面取り部分の色合い違いを防ぐために、下地材の色が目立たぬように着色を施し、デザイン性を妥協しません。
変形リスクを最小限に抑えた“品質安定性”
厚みの薄い付け框は、特に反りやねじれが起きやすい部材です。
突板貼りですと、無垢材よりも変形リスクは少ないものの、現場の温湿環境によって影響を受けてしまう可能性があります。
一度変形してしまうと、背割りなどの処置をしないと改善が難しい点は否めません。
柏田木材では、水分が出入りして変形しないように、付け框の裏面に耐水MDFを接着し、反りやねじれを最小限に抑える工夫を施しています。
ディテールにこだわることで実現した“施工性”
リフォーム框は、芯材が薄い特殊な部材であるがゆえに、品質によって仕上がりに大きく差が出てしまいます。
柏田木材では、リフォーム框の出隅角度を直角よりも少々鋭角になるように製作しています。
それによって、既存框の上に被せた際に空洞ができにくく、しっかりと接着できるのです。
また、突き付け部分に溝を設けることで、釘を打ち込みやすくしている点も特徴です。
樹種・塗装・表面仕上げの組み合わせによる“デザイン性”
短期納期樹種(オーク、バーチ、ビーチ、メープル、アッシュ、ウォルナット)と受注生産樹種のレパートリーに加え、着色・無着色塗装、浮造りや白柄などの表面加工を組み合わせることで、お客様のイメージにできるだけ近い材料をご提供しております。
また、施工前・直後だけではなく、経年変化も踏まえ、着色剤・ウレタン塗料は退色・黄変に耐性のあるものを選択している点もポイントです。
そのほかにも、産地を特定した国産材・地産材を使った特注生産や、OEMも承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
現場に合わせた“オプション加工”
新築・リノベーション問わず、現場によって「こんな框があればいいのに」というシーンがきっとあるはずです。
柏田木材では、意匠性・施工性を高めるために、溝加工や木口貼り、色合わせ着色などのオプション加工を承っています。
急な仕様変更にも対応できる“迅速性”
通常、玄関框などの部材は2〜3週間程度の納期がかかりますが、工程や納まりが日々変化することは決して珍しくありません。
「発注数量を間違えた」・「注文を忘れていた」・「納まりが変わった」などのトラブルにも対応できるよう、柏田木材では短納期対応品をご用意。
上がり框・付け框は3日営業日以内、リフォーム框は5日営業日以内の納品をお約束しています。
工期・予算・デザインに合わせた“代替案のご提案”
デザインイメージによって樹種にこだわりたい現場も多いはずです。
しかし、工期やご予算によってそれが叶わないことも。
柏田木材では、ご用意できる樹種を近似色に着色するなどの代替案をご提案しております。
微妙な塗装色を調節できる技術は、同じ樹種でもフローリングと框の色が異なるなどの色合いトラブルを最小限に抑える点でも実用的です。
まとめ
玄関框は、建物に入った際にまず目に留まる場所です。
だからこそ、高品質な製品を選ばなくてはいけません。
また、納まりやご予算に合わせた形状や材質であることも重要です。
“柏田木材”は、長年培った経験と知識を活かし、ディテールにまでこだわり抜いた框を製造しています。
国産材活用や特注製造・OEMなどにも積極的に取り組んでおりますので、「木材を使ってこんな部材が作りたい」「産地を特定した建材を使いたい」という方は、まず私たちまでご相談ください。
高い加工技術で、あなたの理想を叶えます。
“柏田木材”の取り組み
私たち「柏田木材工業株式会社」は、1950年に奈良県で木工所として創業して以来、多くの木製品の開発・製造支援を行ってきました。
木製製品のOEM・特注製造・研究開発を通じて、お客様の木材に関わるビジネス課題を解決いたします。
国産材利用にも積極的に取り組んでおり、以下のような地産材を用いた実績がございます。
- 奈良県産杉
- 奈良県産桧
- 信州産唐松
- 吉野杉
- 吉野桧
「国産材・地産材でこんな製品が作りたい」というご要望も“柏田木材”でしたら、実現できます。
〈関連コラム:国産材利用でSDGs達成を目指す。メリット・デメリットから活用方法まで徹底解説〉
●加工・接着・着色・塗装を自社にて一貫対応いたします。
●ウレタン塗料だけではなく、UV塗料・オイル塗料・屋外用塗料など様々な塗料に対応いたします。
●お客様からの材料支給にも対応いたします。
●加工前の材料保管・加工後の製品保管を自社倉庫にて対応いたします。
●お客様のご要望に合わせて樹種・形状・塗装仕様のご提案をいたします。
木材に関するすべての工程を自社にて対応し、倉庫管理の代行によって運送距離や回数を減らすことで、運搬エネルギーの削減を実現できます。
また、自社工場は銘木として知られている「吉野杉・吉野桧」の産地と近いため、高品質な木材から作られた製品を最小限の運搬エネルギーでご提供できる点も強みです。
「バイオマスボイラー」による自然を無駄にしないクリーンな熱源確保や、水性塗料を用いた着色技術、高耐久で低汚染なUV塗装・オスモUV塗装の導入によるVOC削減など、様々なアプローチで環境に配慮。
総合的に高品質製品の製造と地球環境保護に取り組んでいます。
「木質系建材を使いたいが既製品では難しい」
「国産材を使いたいがコスト面などでハードルが高い」
「希少樹種を使いたいが必要量の材料が確保できない」
「ウッドインテリアを採用したいが耐久性が心配」
そんなお悩みを抱えている企業様を、1950年創業以来“木工所”として培ってきたノウハウと環境開発でしっかりサポート。
木材利用の可能性を広げることで、環境保全へ貢献しています。