「板張り天井」建築基準法ルールと注意点|施工性・不燃性・費用で考える材料の選択肢と設計のコツ

近年、住宅だけではなく非住宅建築でも「板張り天井」が人気です。
天井全面を板張りにするパターンからアクセントとして部分的に取り入れるパターンまで、様々な事例があります。
ただし、板張り天井にはメリットだけではなく設計前に知っておくべきデメリットや注意点があり、それを知らずに施工すると後悔の原因になりかねません。
そこで、今回は「板張り天井」のメリットと多くの事例で採用される理由から、デメリットと設計における課題、材料選定のポイントについてまで、“木材のプロ”が詳しく解説します。
非住宅建築における天井デザインと深く関わる内装制限のルールや、費用・経年劣化・メンテナンスなど、多くの方からいただくご質問も紹介しますので、ぜひ設計の参考にしてください。
● 板張り天井は、インテリアデザインに高級感やぬくもりをプラスし、さらに調湿性など快適性向上につながる機能も備えています。
● 板張り天井には、コスト面や施工面におけるデメリットもあるため、設計プランに採用する際には注意が必要です。
● 非住宅用途の建築物では、建築基準法で定める内装制限の規定が関わる場合があるため、板張り天井の仕上げ材は慎重に検討しなくてはいけません。
コンテンツ
板張り天井のメリットとは|住宅・非住宅で注目される理由

板張り天井には、主にデザイン面・機能面におけるメリットがあり、住宅はもちろん、オフィスや店舗、ホテル、教育・保育施設、医療・福祉施設など、建物の用途を限らず採用されている“内装木質化※”における注目のデザインです。
※内装木質化:建物の構造種別を問わず、室内の壁・床・天井に木材の仕上げを積極的に取り入れる設計手法で、防火規定による制限が多い大規模建築物や非木造(RC造・SRC造・S造など)の建物でも木材の魅力を生かしたインテリアにできる
(参考:林野庁|非住宅建築物の木造化モデル設計・木質化の効果について|内装木質化した建物事例とその効果)
日本では、和室の竿縁天井など、木質建材を仕上げに用いる天井の歴史は古いですが、近年はシンプルでフラットな板張り天井がトレンドで、シンプルなインテリアから和モダンなインテリアまで、幅広いデザインに取り入れられています。
板張り天井の主なメリットは、以下のとおりです。
高級感・重厚感がプラスされる
最近は、シンプルなインテリアデザインがトレンドですが、板張り天井にすると、そこに高級感・重厚感をプラスできます。
天然木材を仕上げ材とする天井は、一般的なビニルクロスや塗装、石膏・ロックウールから作られる化粧吸音パネルなどとは見た目の風合いが全く異なります。
そのため、天然素材の質感を求めるミドルグレード以上の建物に板張り天井を採用する事例は少なくありません。
調湿性がある
天井仕上げに無垢材(無塗装)を採用すると、天然木本来の調湿性により、室内の湿度が安定しやすくなります※。
※ある程度の面積を板張りにした場合であり、狭い面積では調湿効果は限定的です。

なぜなら、木材は細かい空洞が無数にある細胞構造で、そこに空気中の水分を抱え込み、乾燥環境ではそれを放出するためです。
実験データでは、季節を問わず、無垢材を仕上げ材に使っている空間の方が、ビニルクロス仕上げの空間より総体的に湿度が低くなると報告されています。
(参考:林野庁|非住宅建築物の木造化モデル設計・木質化の効果について|建物の内装木質化のすすめ「科学的データが示す内装木質化の効果」)
木材の調湿性は、空間の快適性や衛生を保つ上で、とても効果的なメリットです。
突板化粧板も無垢材ほどではありませんが、一定の調湿性を持ちます。
断熱性がある
木材は、建築材料の中でも断熱材に使われるグラスウールに次ぐ高い断熱性を持つため、テナントビルなど非木造建築物では、主に躯体から伝わる冷気を遮断する効果があります。
| 建築材料の種類 | 熱伝導率(W/m・K) |
|---|---|
| アルミニウム | 210 |
| コンクリート | 1.6 |
| 石膏ボード(プラスターボード) | 0.60 |
| 畳床 | 0.15 |
| 天然木材 | 0.12 |
| グラスウール断熱材(10K相当) | 0.050 |
近年、RC造の建築物でコンクリート躯体を露出するインダストリアルデザインも人気ですが、それと比べると空調効率の向上を実現できます。
吸音性・遮音性がある
木材には室内で発せられた音を吸音し、残響を抑える性能があります。
天井を木質化するだけでは吸音性・遮音性は限定的ですが、壁も板張りすると室内の音が外に漏れにくく、外の雑音も気になりにくくなります。
実験の結果では、内装材の木質面積が大きいほど、集中力や作業性・業務効率を高めることがわかっています。
(参考:林野庁|非住宅建築物の木造化モデル設計・木質化の効果について|建物の内装木質化のすすめ「科学的データが示す内装木質化の効果」)
そのため、オフィスや図書館、保育園・幼稚園、学校では、従来は採用されていた吸音パネルに代わり、板張り天井を採用する事例は珍しくありません。
リラックス効果がある
杉や桧の無垢材から放たれる“木の香り”には、リラックス効果があり、実験では、心地良さ・落ち着き感を高めて、リフレッシュ効果や疲労感緩和効果があることがわかっています。
(参考:林野庁|非住宅建築物の木造化モデル設計・木質化の効果について|建物の内装木質化のすすめ「科学的データが示す内装木質化の効果」)
具体的には、血圧の上昇や脈拍の乱れ、ストレスホルモンの発生を抑制し、ストレスのバロメーターでもある脳前頭前野活動を鎮静化する作用が研究で認められているのです。
木質建材の中でも、塗装していない無垢材など、無加工に近い状態ほどリラックス効果が高いとされています。
経年変化を楽しめて愛着が湧く
「末長く使い続けられる建物にしたい」「経年変化を建物の歴史として楽しみたい」という方にこそ、板張り天井はおすすめです。
板張り天井は施工直後と10年後、50年後とでは、違う表情を見せます。
天井は床や壁と比べると紫外線の影響を受けにくいですが、それでも経年により変色したり艶が増す樹種は多く、それが空間に趣をプラスします。
その土地で育った地産材(地域材)を使うことにより、建物利用者に愛着を持ってもらえることも可能です。
▶︎おすすめコラム:国産材利用でSDGs達成を目指す。メリット・デメリットから活用方法まで徹底解説
木材利用を通じて森林活性化・CO2削減に貢献できる(地球環境保全への貢献)
木材の中でも特に国産材(地産材含む)を積極的に設計プランへ取り込むと、森林の「伐って、使って、また植える」サイクルが進み、森林活性化、ひいては大気のCO2量削減につながります。

木材が流通しないと、伐採に適した木が放置され、森林が適正に管理されず荒廃する可能性があり、そのような状態ではCO2吸収量は著しく低下します。
木々が若いほど成長過程で多くのCO2を吸収し、有機物に変えて、さらに幹で炭素として固定されるため、森林の活性化は大気中のCO2削減にもつながるのです。
輸入材でも一定のCO2削減効果はありますが、長距離の輸送によって多くの化石燃料を消費するためウッドマイレージ※は多く、むしろCO2排出量を増やす可能性があります。
※ウッドマイレージ:木材の材積(㎥) × 輸送距離(km)で算出する数値で、木材輸送による環境負荷を評価する指標となり、数値が大きいほど消費エネルギー量やCO2排出量が多いことを意味する
建物・企業のブランド力向上につながる
林野庁が実施したアンケート調査によると、木材を使った建物の建築に取り組む企業に好印象を持つビジネスパーソンが多いことがわかっており、建物そのものやそこを利用・運営している企業などのブランド力向上を期待できます。
(参考:林野庁|非住宅建築物の木造化モデル設計・木質化の効果について|建物の内装木質化のすすめ「科学的データが示す内装木質化の効果」)
また、木造や内装木質化を実現したオフィスは、SDGsや環境保全への取り組みなどの企業理念を発信する場として活用することも可能です。
木材を地産材にこだわり、その調達から製材、加工、施工(利用)までを地域内で行うと、そのエリアでも経済波及効果も高まります。
▶︎おすすめコラム:「地産地消を“建築”で実現」10のメリットや関連する補助金を紹介
板張り天井のデメリットと設計上の課題|後悔する理由と解決方法

板張り天井は魅力的な仕上げですが、「コスト」「施工性」「内装制限」などの理由から後悔につながるケースもあります。
そのため、設計プランに採用する前にはデメリットも把握しておきましょう。
コストが上がる
板張り天井は、ビニルクロスや塗装仕上げと比べると、材料費・施工費ともに割高です。
| 仕上げの種類 | 単価の相場 |
|---|---|
| ビニルクロス仕上げの天井 | 1,500〜3,500円/㎡程度 |
| 塗装仕上げの天井 | 1,500〜6,500円/㎡程度 |
| 化粧吸音パネル仕上げの天井 | 4,500〜9,500円/㎡程度 |
| 板張り天井(無垢材の場合) | 8,000〜20,000円/㎡程度 |
| 板張り天井(突板化粧板の場合) | 6,000〜12,000円/㎡程度 |
板張り天井の中でも無垢材仕上げは、他の方法と比べると高価ですが、耐用年数(寿命)が長く、短い期間でやりかえる必要がありません。
・板張り天井(無垢材):耐用年数30年以上
・板張り天井(突板化粧板):耐用年数10〜15年程度
・ビニルクロス仕上げ:耐用年数10〜15年程度
・化粧吸音パネル仕上げ:耐用年数15〜20年程度
・塗装仕上げ:耐用年数10〜15年程度
そのため、長い視点で考えると、内装コストを抑えられる可能性があります。
施工手間が増える
板張り天井に用いる仕上げ材にはいくつかの種類がありますが、どれも板状・パネル状のものを1枚ずつ固定していくため、ビニルクロスや塗装と比べると施工手間が増え、工期は長くなります。
室内工事のため天候の心配はありませんが、建物の用途によっては工程の長期化により建物の収益性に影響を及ぼす可能性があるため、板張り天井を広範囲に採用する場合は、余裕のあるスケジュールにしましょう。
「板張り天井にしたいが施工手間を最小限に抑えたい」という場合は、大判パネルサイズを選べる突板化粧板がおすすめです。
無垢材の羽目板と比べると1日に仕上げられる施工範囲が広く、工程への影響が比較的少ないと言えます。
圧迫感が出る
板張り天井は、ホワイト系のビニルクロスや塗装、化粧吸音パネルで仕上げる場合と比べると、天井の圧迫感が気になる場合があります。
特に、天井高があまり高くない戸建て住宅やマンション、ホテルの居室や、トイレなど狭い空間では、注意が必要です。
圧迫感が心配な場合は、部分的にアクセント天井として取り入れるデザインがおすすめです。
全面を板張り天井にしたい場合は、ホワイトアッシュやビーチ、桧など、明るい色で木目柄の主張が抑えめな木目を選ぶと、圧迫感を軽減できます。
ただし、これらの樹種は経年変化で色が濃くなる場合があるため、事前にどのような色になるか確認しておくことが重要です。
板材の隙間や木割れ(ヒビ)が発生する
板張り天井に使われる羽目板は、長尺の材料を実(さね)加工によって連結させて固定しますが、無垢材の場合は、室内の温湿環境によって木材が伸縮・変形し、冬などの乾燥期には、継ぎ手が空いて目立つ場合があります。
※湿度変化による隙間は、季節が変わると元通りになるケースがほとんどです。
隙間が開いても機能的には問題ありませんが、一般の方には施工不良に見えてしまうため、事前の説明が欠かせません。

隙間ができるリスクを防ぎたい場合は、湿度変化による伸縮が少ない突板化粧板がおすすめです。
無垢材の場合は、天然乾燥と人工乾燥を併用してじっくり乾燥された木材を選ぶと、伸縮や変形を最小限に食い止められます。
どちらの場合も、伸縮しにくい材料は木割れのリスクが低いため、長持ちする点がメリットです。
変色・色むらへの配慮が必要
無垢材でも突板化粧板でも、無塗装もしくはクリア塗装の材料は、木材そのものの色むらや紫外線による変色が気になる可能性があります。
天井は壁や床より変色が気になりにくいですが、設計の際にはお客様への事前説明が必要です。
木材には、経年変化によって淡色化するものと濃色化するものがあるため、事前にメーカーに変色後の色について確認しましょう。
色むらを目立ちにくくさせたい場合は、着色塗装がおすすめです。
建物の用途によっては、無垢材に日焼け止めを抑える塗装を施すこともできます。
ただし、内装制限によって不燃木材や不燃突板化粧板を採用する場合、現場塗装では防火材料の認定が取り消される場合があるため、着色したい場合は工場塗装品を選びましょう。
非住宅で特に注意|建築基準法の“内装制限”と板張り天井の関連性

非住宅の建築物に板張り天井を採用する場合に必ず確認しなくてはいけないのが、建築基準法で定める「内装制限」のルールです。
内装制限とは、不特定多数の人が利用する公共性の高い建築物や大規模建築物に適用される防火規定で、居室及び通路(廊下や階段室)、無窓居室、火気使用室、地階などの天井・壁の仕上げに防火材料の使用が義務付けられます。
※ルールの詳細は「〈内装制限〉建築基準法を分かりやすく解説|建物種類・不燃材料・2025年建築法改正についても」を併せてご覧ください。
防火材料とは、火災時でも建築基準法で定める不燃性能(燃焼しない・防火上、有害な変形・溶融・き裂、その他の損傷を生じない・避難上有害な煙またはガスを発生しない)を維持できると実験などで証明されてる建築材料を指し、不燃材料・準不燃材料・難燃材料に分類されます。
※防火材料の詳細は「不燃材料とは|建築基準法による決まりと防火性能、認定製品を選ぶポイント」を併せてご覧ください。
| 防火材料の種類 | 加熱開始後に不燃性能を維持できる時間 |
|---|---|
| 不燃材料 | 20分以上 |
| 準不燃材料 | 10分以上 |
| 難燃材料 | 5分以上 |
内装制限のルールでは、建物の用途区分・構造種別・規模(床面積)によって、天井・壁に不燃材料・準不燃材料・難燃材料のどれを使用すべきか細かく決められています。
そのため、板張り天井にする場合は、内装制限のどの仕様が適用されるかと、選定した材料が防火材料として認められるかを必ず確認しなくてはいけません。
▶︎おすすめコラム:〈内装制限の緩和〉対象条件や住宅・店舗・オフィスの違い、消防法との関係性を解説
▶︎おすすめコラム:消防法の「内装制限」|建築基準法との違いや緩和、天井・壁・家具デザインのポイント
板張り天井の材料選定ポイント

板張り天井の仕上げ材を選ぶ際には、材料の種類とそれぞれの特徴、不燃性能のグレード、施工性・加工性、メンテナンスなど、幅広い視点で検討しましょう。
木質天井材の種類を知る(費用・耐用年数・意匠性の違い)
板張り天井に使用される木質天井材は、無垢材・不燃木材(難燃木材)・突板化粧板・不燃(難燃)突板化粧板・化粧シート材に分かれ、費用や耐用年数、見た目・質感に差があります。
| 木質天井材の種類 | 特徴の違い |
|---|---|
| 無垢材 | 費用:△(材料費は樹種によって異なるが、施工費が高い) 耐用年数:◎(30年以上) 意匠性:◎(天然木そのものの質感と見た目) 不燃性能:×(防火材料としては認められない) ▶︎質感を重視した設計に適する |
| 不燃(難燃)木材 | 費用:△(基本的に材料費も高い) 耐用年数:◎(20〜30年程度) 意匠性:◎(天然木そのものの質感と見た目で、無垢材とほとんど違いなし) 不燃性能:◎(防火材料として認定されたものを選ぶ) ▶︎質感を重視した設計に適する |
| 突板化粧板 | 費用:○(杉など安価な樹種を除き、無垢材よりリーズナブルなものがほとんど) 耐用年数:○(15〜20年程度) 意匠性:○(天然木とは異なり、一定の幅で突板の継ぎ目が現れるが、質感は無垢材とかなり近い) 不燃性能:×(防火材料としては認められない) ▶︎コストパフォーマンス重視の設計に適する |
| 不燃(難燃)突板化粧板 | 費用:○(薬剤処理された不燃木材・難燃木材よりリーズナブル) 耐用年数:○(15〜20年程度) 意匠性:○(不燃性能のない通常の突板化粧板と違いなし) 不燃性能:◎(防火材料として認定されたものを選ぶ) ▶︎コストパフォーマンス重視の設計に適する |
| 化粧シート(突板シートや木質クロスなど) | 費用:◎(杉など安価な樹種を除き、他の材料よりリーズナブルで、施工費も安い) 耐用年数:○(10〜15年程度) 意匠性:△(経年によってシートやクロスの継ぎ目が目立ってくる可能性あり) 不燃性能:○(防火材料として認定されたものを選べるが、選択肢が限られる) ▶︎耐用年数は短くてもコストの安さを重視する設計に適する |
このように、仕上げ材ごとに特徴が異なるため、計画に最適なものを選ぶことが重要です。
防火材料か確認する
防火材料として内装制限の対象範囲に使用が認められる仕上げ材は、告示で定められたものか国土交通大臣に個別認定されたものに限られます。
- 【告示で定められたもの】=建設省告示第1400号「不燃材料を定める件」※、建設省告示第1401号「準不燃材料を定める件」※、建設省告示第1402号「難燃材料を定める件」※に明記されている材料
- 【国土交通大臣に個別認定されたもの】=メーカー・製品ごとに実験などで防火材料の認定条件を満たしていることが公的に証明され、認定番号が付与されている材料
※各種告示は「国土交通省|告示・通達一覧」のページで検索できます。
板張り天井に用いる仕上げ材は原則として「国土交通大臣に個別認定されたもの」になり、カタログなどに記載された認定番号により、不燃材料・準不燃材料・難燃材料のどれかがわかります。
| 防火材料の種類 | 認定番号 | 認定根拠となる条文 |
|---|---|---|
| 不燃材料 | 一般:NM-◯◯◯◯ 外部仕上げ用:NE-◯◯◯◯ | ・建築基準法第2条第9号 ・建築基準法施行令第108条の2第1〜3号 |
| 準不燃材料 | 一般:QM-◯◯◯◯ 外部仕上げ用:QE-◯◯◯◯ | ・建築基準法施行令第1条第5号 ・建築基準法施行令第108条の2第1〜3号 |
| 難燃材料 | 一般:RM-◯◯◯◯ 外部仕上げ用:RE-◯◯◯◯ | ・建築基準法施行令第1条第6号 ・建築基準法施行令第108条の2第1〜3号 |
※防火材料の認定制度についての詳細は「不燃材料の認定制度とは|告示との違いや条件・試験内容、番号一覧の見方を解説」を併せてご覧ください。
施工性・加工性を確認する
仕上げ材の種類やサイズによって、施工性や加工性、材料ロスの量が異なり、工期・予算計画に影響が出ます。
特に、板張り天井の施工面積が広い場合や複雑な形状の天井に施工する場合は、材料の割り付けや現場加工の容易性を慎重に確認しましょう。
施工効率を上げたい場合は、大判パネルを選べる突板化粧板、狭く複雑な天井で材料ロスを抑えたい場合は、羽目板形状の無垢材がおすすめです。
空間のデザイン統一性を検討する
板張り天井と木質の床・壁・家具などを合わせる場合は、空間のデザイン統一性を意識しましょう。
木目でも色合いや柄の強さによって雰囲気は異なり、多様な樹種の木材を取り入れるとまとまりのない印象になる可能性があります。
インテリアを木目で統一したい場合は、天井以外にも施工できる汎用性の高い突板化粧板がおすすめです。
無垢材でも天井だけではなく床・壁・家具の仕上げ材に採用できますが、コストが高くなったり細かい納まりがうまくいかない場合がある点には注意が必要です。
【FAQ】板張り天井に関するよくある質問|費用・経年劣化・メンテナンスなど

ここでは、板張り天井について多くの方からいただくご質問を紹介します。
Q.板張り天井と相性が良い建物は?住宅以外の採用事例はある?
A.板張り天井は、これまで主に住宅に採用されてきましたが、不燃(難燃)木材や不燃(難燃)突板化粧板のレパートリーが増えるとともに、オフィスやテナントビルなどの商業施設、ホテル、教育・保育施設、福祉・医療施設と、幅広い用途の建物に採用されてきています。
特に、学校や幼稚園・保育園、病院、高齢者施設では、木の持つリラックス効果を取り入れるため、内装木質化を積極的に取り入れる事例は珍しくありません。
(参考:林野庁|非住宅建築物の木造化モデル設計・木質化の効果について|内装木質化した建物事例とその効果)
Q.マンションの専有部分も内装制限の対象に含まれる?
A.マンションの専有部分(各戸内)は、原則として床面積が200㎡(≒60坪)以下であれば、内装制限の対象から除外され、板張り天井で防火材料を使用する必要はありません。
ただし、自治体ごとの条例によって内装制限のルールをクリアしなくてはいけない可能性もありますので、詳細を知りたい方は、管轄の建築主事や消防署に事前相談すると確実です。
Q.板張り天井は経年劣化する?10年後・20年後はどうなる?
A.キッチンや給湯室など、極端に天井付近の湿度が上がらない場合は、施工後10年・20年経っても大きな変化はなく、木材が変色する程度の場合が大半です。
ただし、夏と冬の温度差が大きい地域などでは、無垢材や突板化粧板が木材の伸縮に耐えられず、木割れする可能性があります。
木割れした部分は、ボンドや専用補修材で目立たないようにすることはできますが、完全にわからなくなるようにするのは困難なので、設計者はお客様にリスクの事前説明が必要です。
Q.不燃(難燃)木材を内装制限の対象範囲に採用するデメリットはある?
A.内装制限の対象となる範囲に不燃(難燃)木材を施工することは可能ですが、コストの高さや白華現象などのデメリットがあるため、注意が必要です。
薬剤処理された不燃(難燃)木材の主なデメリットは、以下のとおりです。
- コストが高い(無垢材の1.5〜3倍程度)
- 白華現象(不燃薬剤が経年で表面に浮き出て結晶化する現象)の発生リスクがある
- 高湿度の場所では、水溶性である不燃薬剤が空気中の湿気を引き寄せて、反りやねじれなどの変形が起こりやすい
- 高湿度の場所では、変色しやすい
- 現場塗装できない(現場塗装すると、防火材料の認定を取り消される場合がある)
- 樹種が限定される(硬質な広葉樹は、薬剤が浸透しにくいため)
そのため、内装制限を受ける場合でも、採用は慎重に検討しましょう。
※不燃木材の詳細は、「不燃木材とは?建築基準法との関連性とメリット・デメリットをプロが解説」を併せてご覧ください。
Q.板張り天井の日常的な手入れとメンテナンスの方法は?
A.板張り天井はそれほど手入れやメンテナンスは必要ありませんが、ホコリが気になる場合は乾いたモップなどで掃除し、汚れがついた場合は、固く絞った布巾で軽く水拭きする程度にとどめましょう。
無塗装の無垢材や突板化粧板を水拭きすると跡が残る場合があるため、水分は速やかに拭き取る点がポイントです。
経年による変色が気になる場合は、上から濃いめの着色塗装を施すと目立たなくなります。(内装制限の対象範囲は現場塗装不可なので要注意)
高品質で多様な“柏田木材”の木質製品

柏田木材は、林業・製材業で世界的に有名な奈良県五條市で「無垢材・不燃木材・突板化粧板(非不燃タイプ・不燃タイプ)・集成材」など、幅広い木質建材を製造・販売する建材メーカーです。
産地と品質にこだわった木材を仕入れ、天然木の魅力を活かした木質建材を手掛け、規格のサイズ・仕上げに加えて、お客様のご要望に合わせた特注加工も承っております。
内装材料選びでお悩みの方は、ぜひ弊社までご相談ください。
⚫︎レパートリー豊富な「塗装・表面加工ラインナップ」
⚫︎木材の切削・接着・着色・塗装を全て自社工場で行うことによる「高い品質安定性の確保」
⚫︎木材産地に近い立地による「リーズナブルな価格の実現」
⚫︎SDGsやカーボンニュートラル実現に貢献できる「国産材(県産材・地域材)の活用」
⚫︎“こだわり”を実現できる「特注加工・開発支援・OEM製造」
⚫︎施工効率を高められる「自動倉庫管理のオンタイム納品」
柏田木材では、以下の木質建材を製造しております。
長尺品や大ロット品などのOEM製品の開発サポートも承っておりますので、「既製品ではプランに合わない」「コストと品質のバランスが良い建材を探している」という方のご相談もお待ちしております。
まとめ
板張り天井は、インテリアデザインに高級感やぬくもりをプラスし、無垢材は調湿性など快適性向上につながる機能も備えています。
ただし、コスト面や施工面におけるデメリットもあるため、設計プランに採用する際には注意が必要です。
非住宅用途の建築物では、建築基準法で定める内装制限の規定も必ずチェックしましょう。
柏田木材は1950年創業以来、時代と共に様々な木質建材の製造・販売を行ってまいりました。
「木目を活かした内装・外装デザインを実現させたいが、思うような材料が見つからない」という方は、ぜひ柏田木材までご相談ください。


