「サスティナブル建材」がトレンド。環境に配慮した内装材とは?基礎知識からおすすめ商品まで紹介

毎日のように耳にする“サスティナブル”という言葉。

「衣・食・住」に関わる様々な分野で取り組まれていますが、建築業界も例外ではなく、建物計画はもちろん、そこに使われる材料についても、環境に配慮されているかが評価されます。

しかし、設計デザインをする際に、一体どれが“サスティナブル建材”なのか、どのように建築に取り入れるのかをご存知ない方も少なくないでしょう。

そこで、今回は「サスティナブル建材」の定義や、木材利用のメリットについてお話しします。

コラムのポイント
●近年、サスティナブル建材として「木材」が注目されています。
●木材利用、特に国産材利用を進めることで、様々な観点から“持続可能性”を高められます。
●私たち「柏田木材工業」は、1950年に創業以来培った高い製造技術を活かし、環境に配慮した高品質の内装材製造や、開発サポートを行っています。




サスティナブル建材とは?

サスティナブル建材の定義



サスティナブル(英:sustainable)とは、環境分野において「持続可能性」と訳されます

持続可能性とは、地球環境や生活環境を未来に向かって長期間維持できることを意味します。

私たちの豊かな生活を後世までつなげる上で欠かせません。

「サスティナブル建材」は、Social(社会面)+Economic(経済面)+Environment(環境面)を全て満たしていることが必要です。(参考:一般社団法人 日本建築材料協会

Social
(社会面)

  • 安心で安全な社会の構築・維持
  • 文化的で快適な住環境の整備
  • 文化の継承

Economic
(経済面)

  • 建築材料の国内自給率向上
  • 雇用の創出
  • 地方経済の発展

Environment
(環境面)

  • 地球環境の保全
  • 地域環境の保全
  • 室内環境の確保(温熱環境や空気質環境)

「長寿命である」

ライフサイクルの長い材料を使うことで、無駄な資源を極力使わない。

「今後も永続的に製造し続けられる」

希少性が高く有限な原料を使わずに、今後も確保し続けられる素材を使い、未来永劫生産が続けられる。

「環境負荷が少ない」

ヒートアイランド現象や地球温暖化の抑制、大気汚染・水質汚染への配慮をし、地球そのもののサスティナビリティを維持する。

「快適な暮らしの整備」

居心地のよい空間を作ることで、その建物の持続可能性(存続性)が高まる。



ポイント
世界で廃材を再利用するリサイクル建材の開発・普及が進む中、森林資源に恵まれた日本においては、“木材利用”が注目されています。
運輸エネルギーを大幅に削減できる「国産材・地産材」の利用が推奨されており、建築規模問わず、木造化・木質化が進んでいます。






〈SDGs実現に向けた“木材利用”のすすめ〉メリットは?どんな点がサスティナブル?

サスティナブルな木材利用



サスティナビリティが注目されている“木材”ですが、実際にどのようなメリットがあり、どのような点が評価されているのでしょうか?

それぞれ、詳しく見てみましょう。



「環境負荷が少ない・森林の多面的機能を保持できる」

「低炭素型コンクリート」や、「CO2吸収コンクリート」など、地球温暖化対策に向けた建築材料の研究開発が進んでいますが、採用される現場はまだまだ限定的で、実験の域を脱していません。

一方、木材は日本において古くから建築材料として活用されてきた歴史があり、構造部材から内装材まで幅広く取り入れることができます。

良質で安全な水を確保するためには、雨水の浸透や土壌による保水力を有する森林が欠かせません。

これを、「水源涵養(かんよう)」と言います。

日本では、古くから林業が盛んで、伐採・植林を繰り返しながら木々の下層植生が維持されてきました。

しかし、このまま国産材が利用されず木が放置されれば、森林が衰退して、保水力が低下します。

(参考:林野庁|水を育む森林のはなし


森林の木々は、生育過程で多くの二酸化炭素を吸収し、酸素を排出します。

つまり、地球上に木々が増えるほど、地球温暖化の抑制につながるということです。

ただし、闇雲に木を植えても、経済的に継続されないため、やはり林業が産業として潤わなくてはいけません。


木材が使われると、計画的に伐採・植林されて、森林が活性化します。

すると、そこで生まれた有機物が蓄積して栄養豊富な土壌となり、川に溶け出し海へ運ばれます。

海に流れ出た栄養分によって、植物プランクトンが増殖し、それを餌とする動物プランクトン、魚も増えるという循環が生まれます。


森林の衰退は、そこに住む生物(生態系)の損失につながります。

世界の陸地面積30%を占める森林に、陸上生物の80%ほどが生息しているとも言われており、森林の保全が地球生物が生存するために欠かせません。

そんな森林を維持する目的として、木材利用がキーポイントとなります。

(参考:林野庁|森林における生物多様性の保全及び持続可能な利用の推進方策




「長寿命でメンテナンス性が高い」

木材はシロアリ被害や腐朽など、耐久性が短いイメージがあるかもしれませんが、それはあくまでも周辺環境によるものであり、木材そのものの特性ではありません。

数百年前に建設された寺社仏閣が現存していることからも、木造は長い耐用年数を持つことが証明されていると言っても過言ではないでしょう。

ポイントは、設計時に雨水対策や通気・換気の確保、適切な防腐・防蟻処理を行うことと、メンテナンスによってそれを継続することです。

建物の長寿命化によって、街のサスティナビリティが高まり、限られた資源を無駄にしない都市が実現します。





「再利用・再使用・再生産が可能」

木材は、建築材料としての寿命を全うしても、その後「再利用・再使用・再生産」ができる貴重な素材です。

今、私たちの身の回りにあるものをみてください。鉄やアルミニウム、プラスチック、石油などなど。これらは使ったあと、再使用や再利用することはできても、資源そのものを再生産することはできません(何億年もかければ別かもしれませんが)。

木材は、再使用や再利用できるのはもちろんですが、さらに、森林から再生産することができる貴重な資源です。

適切な量だけ使うこと、伐ったら植えて育てること。これを繰り返し行うことでいつまでも枯れることなく使い続けることができる資源なのです。

(引用:林野庁|木材は環境にやさしい
(引用:林野庁|木材は環境にやさしい


廃棄物を極力減らしてリサイクル・リユースすることは、生産者・消費者共に取り組むべき課題です。

自然資源を持続可能にするためにも、生産量や使用量を持続的に管理して、効率性を高めることが重要と言えるでしょう。





「快適な室内環境を作れる」

木材は、断熱性・調湿性が高く、紫外線や音も吸収するため、内装に取り入れることで心地よい空間を作り出せます。(参考:林野庁|木材は人に優しい

また、木の放つ匂い成分によってストレス軽減やリラックス作用がもたらされることも分かっているため、建物用途を問わず、様々なところに内装材として用いられています。

木材がもたらす健康面のメリット(免疫力アップ、リフレッシュ効果、疲労感緩和、安眠効果など)が多くの研究によって立証されているため、最近では住宅だけではなく、学校などの教育施設や病院・老人ホームなどの福祉施設、オフィスなど、多方面で内装の木質化が進んでいます。(参考:林野庁|内装木質化した建物事例とその効果



「経済発展・技術向上への貢献」

国土の多くを占める森林から生み出される国産材を積極的に利用することで、林業・製材業が活発になり、ひいては地方経済、日本経済の発展をもたらします。

また、良質な木材が採れる樹種(エリートツリーなど)の研究開発や、間伐材などを利用した人工木材の技術開発が進むきっかけになることも期待できるでしょう。

林業の高齢化は深刻で、日本における全産業の平均高齢化率と比べると、15%も高い25%(2020年時点)にものぼります。

原因はいくつか考えられますが、若者が“働きがい”を感じられないことも一因と言えるでしょう。

この現状を打破するためにも、木材利用、特に国産材の利用が欠かせません。

また、林業の繁栄は、過疎化が進んでいる林間部の経済発展ももたらすことが期待できます。



木材利用率が上がれば、林業・建材産業のイノベーションが進むことが期待できます。

また、林業・製材業が活性化すれば、研究開発への投資額が増えることも十分考えられるため、より高品質な建築材料が生み出される可能性が高まるでしょう。


森林とSDGs
(引用:林野庁|我が国の森林の循環利用とSDGsとの関係



ポイント
私たち「柏田木材工業」は、国産材を使った建築材料を多く生み出しているほか、“ウッドチェンジ”をしたい企業様を技術面でサポートしています。
「今まで金属やプラスチックに依存していた」「ウッドチェンジをしたいがどうしたらいいか分からない」という方へ、樹種選定や加工技術のご提案をいたしますので、お気軽にご相談ください。





環境に配慮した建築材料をお探しの方は“柏田木材”へご相談を

一号棟内観


私たち「柏田木材工業株式会社」は、1950年に奈良県で木工所として創業して以来、多くの木製品の開発・製造支援を行ってきました。

木製製品のOEM・特注製造・研究開発を通じて、お客様の木材に関わるビジネス課題を解決いたします。

その理由は、柏田木材工業がお客様へご提案する5つの“お約束”があるからです。

柏田木材・5つのお約束
●加工・接着・着色・塗装を自社にて一貫対応いたします。
●ウレタン塗料だけではなく、UV塗料・オイル塗料・屋外用塗料など様々な塗料に対応いたします。
●お客様からの材料支給にも対応いたします。
●加工前の材料保管・加工後の製品保管を自社倉庫にて対応いたします。
●お客様のご要望に合わせて樹種・形状・塗装仕様のご提案をいたします。



木材に関するすべての工程を自社にて対応し、倉庫管理の代行によって運送距離や回数を減らすことで、運搬エネルギーの削減を実現できます。

また、自社工場は銘木として知られている「吉野杉・吉野桧」の産地と近いため、高品質な木材から作られた製品を最小限の運搬エネルギーでご提供できる点も強みです。

「バイオマスボイラー」による自然を無駄にしないクリーンな熱源確保や、水性塗料を用いた着色技術、高耐久で低汚染なUV塗装・オスモUV塗装の導入によるVOC削減など、様々なアプローチで環境に配慮。

総合的に地球環境保護に取り組んでいます。

「木質系建材を使いたいが既製品では難しい」

「国産材を使いたいがコスト面などでハードルが高い」

「希少樹種を使いたいが必要量の材料が確保できない」

「ウッドインテリアを採用したいが耐久性が心配」



そんなお悩みを抱えている企業様を、1950年創業以来“木工所”として培ってきたノウハウと環境開発でしっかりサポート。

木材利用の可能性を広げることで、環境保全へ貢献しています。

柏田木材工業へのお問い合わせがこちらから




まとめ

サスティナブル建材の研究開発は世界各国で進んでいますが、どうしても採用できるプロジェクトが限られてしまうのが現実です。

しかし、だからと言って環境への配慮が必要ないという訳ではありません。

そこで注目されているのが「木材利用」。

様々な観点からサスティナブルな建材として効果が期待されています。

「木材を使ってこんな部材が作りたい」「国産材・地産材を用いた建材を使いたい」という方は、まず柏田木材工業へご相談ください。

高い加工技術で、あなたの理想を叶えます。

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