乾燥時間がいらない自然塗料、オスモUVオイルを紹介

木材に関わるビジネス課題を解決する。

奈良県五條市で木材加工業を営んでいます、柏田木材です。

近年では健康や環境への意識が高まってきており、それに伴って、私たちにも「自然塗料を塗装してほしい」という依頼が増えてきているように感じます。

建築業界でも健康志向や自然回帰の需要が高まってきているのです。

そんな中、オスモUVオイルという塗料が少しずつですが確実にシェアを広げてきているのをご存じでしょうか。

ということで今回は、「オスモUVオイル」についてまとめてみました。

オスモUVオイルってなに?他の自然塗料と何が違う?

「オスモの自然塗料は知ってるけど、UVオイルって何?」と思われた方も多いと思います。

そこで、オスモUVオイルと他の自然塗料と比較して、メリット・デメリットをまとめてみました。

オスモUVオイルには以下のようなメリットがあります。

その① 乾燥時間がいらないため短納期かつ低コスト

従来の自然塗料では塗装後に乾燥時間が必要な上、大抵のものは重ね塗りが必須です。

そのため、塗装の作業時間が非常に長くなってしまうという課題がありました。

オスモUVオイルは塗装後に光を当てることで、数秒で硬化が完了します。

これによって、作業時間が大幅に削減されるため従来よりも短納期かつ低コストでの塗装が可能になります。

オスモカラーオイルシステム

その② 均一な塗面で安定した品質に塗装できる

従来の自然塗料は手塗りを想定したものが多く、職人の腕前によっては塗りムラが発生したり、塗布量が不均一になったりすることもあり得ました。

オスモUVオイルは工場での機械塗装を想定して製造された塗料であり、一定の塗布量になるように測定して塗装することが可能です。

そのため、均一な塗面になりやすく、品質が安定します。

その③ 耐久性に優れる

現在、日本に出回っている自然塗料の多くは亜麻仁油を使用しています。

ただ、このアマニ油は黄変する特徴を持つため経年変化が目立ってしまいます。

対して、オスモUVオイルはひまわり油・大豆油・アザミ油・カルナバワックス・カンデリラワックスを使用。様々な植物油と植物ワックスを配合しており、これによって黄変を大幅に削減しています。その強さは、ドイツ規格のDIN54004で最高評価を得られています。

オスモ保護能力

また、以下のようなデメリットもあります。

その④ 現場塗装が難しい

物件によっては現場塗装が必須の場合もあり得ますが、オスモUVオイルは現場塗装には向きません。

なぜなら、塗料を硬化させるためには特殊なランプによる光が必要なためです。

この光を発生させる機械は非常に大きなものになるので現場に持ち込んで塗装することは難しいです。

その⑤ 設備費用が大きく導入コストが大きい

オスモUVオイルにはロールコーターやUV照射機などの高額な工業用機械が必要になるため塗料を買えば塗れる塗料ではありません。

そのため、導入コストが大きいので手軽に手を出せる塗料ではありません。

これらの設備を既に所持している工場に塗装を依頼することをおすすめします。

どういった製品に向いている?向いていない?

フローリング

オスモUVオイルは「平面への塗装」であり、かつ「同形状のものを大量に塗装」することに特化した自然塗料です。

そのため、このふたつの条件を満たした製品であれば、従来の自然塗料よりも安定的かつ効率的に塗装することができます。

その代わり、この二つの条件を満たさないような、複数面に塗装する製品や、曲面に塗装する製品の場合は、そもそも塗装することができないため、従来の自然塗料を使用することをお勧めします。

向いている製品:フローリング・化粧合板
向いていない製品:雑貨・家具

オスモUVオイルの今後の展望

今はまだ、認知を広げている最中の塗料ですが、認知が進めば自然塗料を使用することを想定した製品・物件では使用される機会が徐々に増加してくる予想しています。

その根拠としては以下の3つがあげられます。

その① 塗装職人不足の軽減に役立つ

近年、日本では塗装職人の減少が慢性的になっているため、従来の自然塗料のみでは、いざ生産となっても納期や生産能力に不安があります。

オスモUVオイルであれば設備さえ整えていれば少人数での大量生産が可能であるため、人手不足対策としても活躍が見込めます。

その② 需要が増えている市場の中で、コストメリットで差別化できる

冒頭でも申し上げた通り、近年では健康志向・自然回帰の意識が高まってきています。

そのため、石油由来でない自然由来の塗料を使用した塗装の需要は今後も上がっていくと予想されます。

そして、従来の自然塗料と比較して、大量生産であればコストメリットを提供しやすいため、自然塗料の市場の中でも「大量生産向け自然塗料」というポジションで差別化されているオスモUVオイルは使用される場面が多くなってくるのではないでしょうか。

その③ 国産材との相性が非常に良い

国産材のメリット

国産材の使用が奨励されている近年、国産材の普及に向けてどのような付加価値を製品につけていくのかが重要となります。

オスモUVオイルは下記のような特徴によって国産材のとの相性が非常によいため国産材の普及に伴って使用される場面が多くなってくると考えられます。

  • 健康志向・自然回帰という共通の市場をもつ

国産材を使用することのメリットとしてよく上げられるものとして、「木材を使用した空間は健康に良い」・「国内の木材を使用することは環境負荷の軽減につながり持続可能な社会の一助となる」というものがあります。(参考:林野庁|木材は人にやさしい林野庁|木材は環境にやさしい


オスモUVオイルも「植物由来の塗料で健康面での安全性が高い」・「環境に配慮された植物由来の塗料」という製品です。

近年では、多くの企業がSDGs実現に向けての活動を行っており、その中には、「国産材を活用することがサスティナビリティを高めることにつながる」とアピールする企業も増えてきています。

そんな風に、国産材の環境に対する効果への関心が高まってきている中、さらなる付加価値向上を目指して、「塗料も自然素材にしよう。」と考える企業も現れる可能性は非常に高いと思います。

  • 調湿性を妨げない

国産材、特に杉・桧は空気中の湿度を適度に保つ「調湿性」が高いことで有名です。

季節を通して、室内を人にとって快適な湿度に保ってくれる調湿性の効果は一般的な塗料を塗装すると失われてしましますが、オスモUVオイルであれば塗装しても調湿性が失われません。

そのため、国産材の強みの一つである調湿性を活かした製品に採用されることは十分に考えられます。

まとめ

オスモUVオイルは、従来の自然塗料と比較して平面への塗装に特化した塗料です。

まだ認知度は発展途上ですが、塗装作業の省人化・国産材の普及・持続可能な社会の実現などの様々な社会的使命に貢献できる可能性を持っています。

柏田木材ではオスモUVオイルの塗装はもちろん、加工や接着にも対応しているため様々な製品の製造対応が可能です。

木製品のことでお悩みのことがございましたら、ぜひ一度、柏田木材にお問い合わせください。全力で御社の抱える、木材に関わるビジネス課題を解決するご提案をいたします。

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