特定不燃材料とは?不燃材料との違い・関連告示・使用部位・内装制限との関連性を解説

「特定不燃材料」とは、建築基準法で定める内装制限の緩和措置を受けるために欠かせない建築材料です。
そこで本記事では、「不燃材料との違いが分からない」「どこに使用するか知りたい」という方のために、「特定不燃材料」の定義と一覧、内装制限に関わる緩和措置の内容について詳しく解説します。
消防法における取り扱いや、キッチンパネルに関する疑問など、特定不燃材料について多くの方からいただくご質問も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
⚫︎「特定不燃材料」とは、建築基準法に基づき、火気使用室における内装制限の緩和措置を受けるための建築材料です。
⚫︎火気使用室以外には原則使用する必要はなく、内装制限の対象範囲でも、一般的には天井・壁の内装仕上げ材として「不燃材料・準不燃材料・難燃材料」が用いられます。
⚫︎「柏田木材」は1950年に奈良県で創業して以来、産地にこだわった「無垢材・突板化粧板(不燃・非不燃)・不燃(準不燃)木材・集成材・ランバーコア」などを取り扱い、木質建材の製造から加工、塗装まで全て自社工場にて一貫して行っております。
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特定不燃材料とは|定義・一覧、不燃材料との違い

「特定不燃材料」とは、建築基準法で定める不燃材料の中でも、特に高い耐火性能を有するものを指します。
【不燃材料】
建築材料のうち、不燃性能(通常の火災時における火熱により燃焼しないことその他の政令で定める性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。
(引用:建築基準法第2条第9項)
特定不燃材料の詳細は国土交通省告示第225号で定義されており、「不燃材料のうち、建設省告示第1400号の第1号から第8号まで、第10号及び第12号から第17号までに該当するもの」、つまり、建設省告示第1400号の第9号・第11号以外の建築材料を指します。
(参考:国土交通省|準不燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げを定める件(平成21年国土交通省告示第225号))
- コンクリート
- れんが
- 瓦
- 陶磁器質タイル
- 繊維強化セメント板
- 厚さが3mm以上のガラス繊維混入セメント板
- 厚さが5mm以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板
- 鉄鋼
- 金属板
- モルタル
- しっくい
- 石
- 厚さが12mm以上のせっこうボード(ボード用原紙の厚さが0.6mm以下のものに限る)
- ロックウール
- グラスウール板
不燃材料として告示で定められている建築材料には、アルミニウム ・ガラスも含まれますが、この2つは特定不燃材料として認められていません。
ちなみに、不燃材料は告示に明記されている材料以外にも国土交通大臣の個別認定を受けたものも含まれますが、特定不燃材料は、告示第1400号に規定する不燃材料の一部のみを指し、大臣認定を取得した不燃材料は認められません。
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特定不燃材料の使用部位|内装制限緩和との関連性

特定不燃材料は、火気使用室における内装制限のルールを合理化するために設けられたものです。
火気使用室において、本来であれば準不燃材料で仕上げなくてはいけない範囲※1を特定不燃材料仕上げにすることにより、その他部分の仕上げ材に、難燃材料もしくは木材等※2を使用できます。
※1:建築基準法施行令第128の5「特殊建築物等の内装」第6項で定める範囲
※2:建設省告示第1439号「難燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げを定める件」第1・第2号で定めるもの
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この緩和措置が設けられた平成21年当初は対象を住宅に限定していましたが、令和2年以降は住宅以外の建築物(ホテル・旅館・飲食店など)の火気使用室にも適用されるようになりました。
(参考:国土交通省|国住指第3311号「準不燃材料でした内装の仕上げに準ずる仕上げを定める件の 一部を改正する件の施行について(技術的助言)」)
この内装制限における緩和ルールについて理解する上でキーワードとなるのが、「可燃物燃焼範囲」と「火気使用設備」です。
| 可燃物燃焼範囲 | ・可燃物として木材を想定し、木材の出火リスクがある温度や受熱強度を超えてしまう範囲を指し、長期加熱部分と短期加熱部分に区分される 【長期加熱部分】 火元から水平方向で半径25cm、垂直方向で80cmの円柱に含まれる範囲の間柱と下地材、内装仕上げ材 【短期加熱部分】 火元から水平方向で半径80cm、垂直方向で235cmの円柱に含まれる範囲の間柱と下地材、内装仕上げ材 (一部、他の条件あり) |
| 火気使用設備 | 【長期加熱設備】 ・加熱部1口当たりにおける1秒間当たりの発熱量が4.2kW以下の「コンロ」 ・1秒間当たりの発熱量が18kW以下で、機器の側面と上面から発熱する「ストーブなど」 ・開口部の幅が100cm以内、高さが75cm以内の「壁付け暖炉」 ・長幅が90cm以内の「いろり」 【短期加熱設備】 ・油深0.30m(油量1700cc)以下で、200kWの加熱が5分間継続することを想定する「天ぷら油火災の危険性があるコンロ」 |
対象となる火気使用設備を設置する可燃物燃焼範囲内において、以下の仕様組み合わせにすると、可燃物燃焼範囲外の内装制限が緩和され、天井・壁の内装仕上げ材に「難燃材料」の使用が認められます。
| 加熱状態の区分 | 間柱・下地・内装仕上げの組み合わせ |
|---|---|
| 長期加熱 | 間柱・下地「特定不燃材料」+内装仕上げ「特定不燃材料」▶︎緩和対象 間柱・下地「木材」+内装仕上げ「特定不燃材料」▶︎緩和対象外 |
| 短期加熱 | 間柱・下地「特定不燃材料」+内装仕上げ「特定不燃材料」▶︎緩和対象 間柱・下地「木材」+内装仕上げ「特別仕様の不燃材料※」▶︎緩和対象 ※特別仕様の不燃材料:厚さ12.5mm以上のせっこうボード・厚さ5.6mm以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板または繊維強化セメント板の重ね張り・厚さ12mm以上のモルタルなど |
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消防法における特定不燃材料の取り扱い

特定不燃材料の採用による火気使用室における内装制限の緩和措置は、建築基準法で定めるルールですが、消防法においても特定不燃材料が関連する記述があります。
ルールは自治体によって異なる可能性がありますが、例えば東京都の場合は、可燃物燃焼範囲における間柱・下地・内装仕上げ材に特定不燃材料を用いて、さらに建物を準耐火構造にすると、火気使用設備から指定可燃物※までの距離を短くすることが可能です。
※指定可燃物:消防法第9条の4で定める「基準数量以下の危険物・わら製品・木毛、その他の物品で火災が発生した場合にその拡大が速やかであり、又は消火の活動が著しく困難となるものとして政令で定めるもの」
(参考:東京都火災予防条例第3条第1項、東京消防庁|第3章 火気設備等の技術基準)
消防法のルールにつきましては、詳細を管轄の消防署までご確認ください。
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火気使用室以外の内装制限は「不燃材料・準不燃材料・難燃材料」で原則OK

「特定不燃材料」は、あくまでも住宅および非住宅建築物における火気使用室の内装制限を緩和するための材料です。
そのため、原則として火気使用室以外の天井・壁には、防火材料として告示に明記されているものか、大臣認定を受けている不燃材料・準不燃材料・難燃材料を使用できます。
不燃材料・準不燃材料・難燃材料には、告示で定める建材以外に各メーカーが製造する様々な素材・仕様・デザインのものも含まれるため、より多様なプランに対応可能です。
「柏田木材」では、国内外から良質な木材を仕入れ、不燃(一部、準不燃)認定を受けた突板化粧板を製造・加工しております。
不燃木材の取り扱いもございますので、内装制限の適用範囲内に木材や木質建材を使用したい方は、お気軽に弊社までご相談ください。
特定不燃材料に関するよくあるご質問

ここでは、特定不燃材料について多くの方からいただくご質問を紹介します。
Q.特定不燃材料の認定番号は?
A.2026年3月時点では特定不燃材料の個別認定制度はないため、認定番号はありません。
ちなみに、防火材料の認定番号は以下の通りです。
| 防火材料の種類 | 認定番号 |
|---|---|
| 不燃材料 | 一般:NM-◯◯◯◯ 外部仕上げ:NE-◯◯◯◯ |
| 準不燃材料 | 一般:QM-◯◯◯◯ 外部仕上げ:QE-◯◯◯◯ |
| 難燃材料 | 一般:RM-◯◯◯◯ 外部仕上げ:RE-◯◯◯◯ |
Q.キッチンパネルは特定不燃材料?
A.住宅に使用される一般的な厚さ3mmのキッチンパネル(メラミン不燃化粧板)は、特定不燃材料に含まれません。
一部のメーカーでは、特定不燃材料の一覧に含まれる厚さ5mm以上(6mm・9mm)の化粧繊維混入ケイ酸カルシウム板を取り扱っていますが、必ずしもキッチンパネルに求められる耐水性・耐汚性があるとは限りませんので、詳細は各メーカーや自治体の建築主事までご確認ください。
高品質で多様な“柏田木材”の不燃突板化粧板

柏田木材は、林業・製材業で世界的に有名な奈良県五條市で多様な木質建材を製造するメーカーです。
弊社では不燃材料として大臣認定を取得している「天然木突板貼り不燃パネル※」と、準不燃・不燃材料認定を受けている「不燃木材」を取り扱っております。
※塗装済みの状態で不燃材料として認定を取得済み(個別認定番号:NM-1276)
⚫︎レパートリー豊富な「塗装・表面加工ラインナップ」
⚫︎木材の切削・接着・着色・塗装を全て自社工場で行うことによる「高い品質安定性の確保」
⚫︎木材産地に近い立地による「リーズナブルな価格の実現」
⚫︎SDGsやカーボンニュートラル実現に貢献できる「国産材(県産材・地域材)の活用」
⚫︎“こだわり”を実現できる「特注加工・開発支援・OEM製造」
⚫︎施工効率を高められる「自動倉庫管理のオンタイム納品」
天然木突板貼り不燃パネル(不燃材料認定品)
対応樹種:杉・桧・米栂・米松・オーク・バーチ・メープル・ウォルナット・チーク・チェリー・アッシュ・カリン・カバなど40樹種以上
| 種類 | 厚みmm | 幅mm | 長さmm | 塗装 |
|---|---|---|---|---|
| 規格サイズ | 6・9 | 450 | 1,818・2,424 | ・ウレタン塗装(クリア・着色) ※UV塗装は不燃仕様には対応しておりません。 |
| 特注サイズ | 3〜90 | 〜1,220 | 〜2,424 |
突板化粧板は、不燃タイプに加えてUV塗装も対応可能な非不燃タイプもございますので、防火規定の対象部分とそうでない部分のデザインを統一したい方は、ぜひ弊社製品の採用をご検討ください。
▶︎おすすめコラム:化粧不燃ボードとは|種類・厚み・規格・価格から、準不燃材との違いまで徹底解説
不燃木材(不燃・準不燃材料認定品)
対応樹種:杉・桧
| 種類 | 厚みmm | 幅mm | 長さmm | 塗装 |
|---|---|---|---|---|
| 羽目板 ルーバー | 12~90 | ~450 | 1,500~ | ・無塗装 ・不燃ウレタン塗装(白華抑制タイプ) |
柏田木材では、不燃木材の加工に加えて、意匠性・耐久性を維持する不燃塗装のご注文も承っております。
そのほか、羽目板への特殊塗装も多くご相談いただいていますので、木材の仕上げについてもぜひご相談ください。
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▶︎おすすめコラム:木材は塗装で“不燃化”できる?建築基準法との関係や塗料の種類を解説
まとめ
「特定不燃材料」とは、火気使用室における内装制限の緩和措置を受けるための建築材料です。
火気使用室以外には原則使用する必要はなく、内装制限の対象範囲でも、一般的には天井・壁の内装仕上げ材として「不燃・準不燃・難燃材料」が用いられます。
柏田木材は1950年創業以来、時代に合わせて様々な木質建材の製造・販売を行ってきました。
奈良県産材をはじめとした各地の銘木を取り扱い、木質建材の製造から加工、塗装まで、全て自社工場にて行っております。
内外装の仕上げに用いる木質建材の選定でお悩みの方は、ぜひ柏田木材までご相談ください。

