防火構造の外壁に木材(無垢材)は使える?建築基準法のルールと成立条件、設計のポイントを解説

防火構造の外壁に木材(無垢材)は使える?建築基準法のルールと成立条件、設計のポイントを解説

住宅・非住宅を問わず、木質建材を用いる外装のニーズは高まっていますが、現場によって防火規制がハードルとなる場合もあります。

特に、防火構造の建物では「木材は使えないのでは」と疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

実際は、一定の仕様条件を満たせば、防火構造でも外壁や軒裏に無垢材などを使用することは可能です。

ただし、仕様を誤ると法適合しないため、事前の確認が欠かせません。

そこで本記事では、防火構造の外装に木質建材を取り入れたい設計者の方に向けて、防火構造の基本的な情報から、防火構造建築物の外壁に木材を使用する方法や設計のポイントについて、“木材のプロ”がわかりやすく解説します。

関連告示や仕様認定の仕組み、防火構造の外壁・軒裏に関する「よくある質問」も紹介しますので、ぜひ設計の参考にしてください。

コラムのポイント

● 防火構造建築物でも、条件がそろえば、外装材に木材を使用できます。

● 防火構造建築物の外壁を板張りなど木質にする場合は、国土交通大臣の認定した仕様にするか、不燃下地・不燃木材を採用するなど、構造方法や仕上げに一定の制限があります。

● 防火構造で外壁を木質仕上げにしたい方は、事前に関連告示の内容を確認するところから始めましょう。

● 外装用の木質建材を選定する際には、専門メーカーに相談する方法もおすすめです。


コンテンツ

【結論】防火構造でも外壁に木材は使える|メリットとは

【結論】防火構造でも外壁に木材は使える

結論から言うと、防火構造の仕様が求められる建築物でも、外壁の仕上げ材に木材を使用できます。

仕上げ材が防火材料(不燃材料・準不燃材料・難燃材料)ではなくても、定められた仕様の採用や下地材との組み合わせにより、法的規制をクリアできる可能性があるのです。

そのため近年は、非住宅建築物の木造化や木質化がトレンドとなっており、外壁を無垢材で仕上げるケースは珍しくありません。

外壁に木材を取り入れる主なメリットは、以下の3点です。

  • 意匠性・ブランディング力の向上(他施設との差別化)
  • 環境配慮性の向上(木材利用による森林活性化※や消費エネルギーの削減、CO2の固定化)
  • 地域経済への貢献(国産材・地産材利用による林業・製材業の発展に寄与)

※木材利用により、森林サイクルが活発になり、CO2吸収量の増加につながるとされている(木材利用の環境配慮性についてはこちらをご覧ください)

ただし、防火規定の対象となる建物の外壁に木材を採用するには、建築基準法で定める一定条件を全て満たす必要があり、仕様の検討や確認が欠かせません。

防火構造の外壁に木材を採用したい場合は、事前に防火構造の基礎知識と関連告示の内容を整理しておくことが重要です。

▶︎おすすめコラム:外壁で使う木材|メリット・デメリットと材料の種類や塗装・メンテナンス、おすすめ建材を解説

建築基準法で定める「防火構造」とは|基本知識を整理

建築基準法で定める「防火構造」とは|基本知識を整理


まず、建築基準法で定める防火構造の基本知識についておさらいしておきましょう。

防火構造とは、建築物の外殻(原則は外壁・軒裏・開口部の一部)に一定の防火性能を要求する構造を指します。

防火性能の内容は、以下のとおりです。

  • 耐力壁である外壁は、建築物の周囲で発生する通常の火災による火熱を受けても、加熱開始後30分間は「構造耐力上支障のある変形・溶融・破壊、その他の損傷」を生じない
  • 耐力壁以外の外壁と軒裏は、建築物の周囲で発生する通常の火災による火熱を受けても、加熱開始後30分間は直接加熱されない面の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しない

(参考:e-GOV法令検索|建築基準法施行令|第108条「防火性能に関する技術的基準」

防火構造にする場合、具体的には、以下の性能基準を満たす必要があります。

【屋根】周囲の建築物からの火の粉により屋根から延焼しないよう、屋根を不燃材料で造るか葺くこと
【「延焼のおそれのある部分※」の外壁・軒裏】周囲の建築物の火災による輻射、接炎等によって延焼しないよう、防火性能を有すること

※延焼のおそれのある部分:以下の範囲

延焼のおそれがある部分
(引用:国土交通省|第40回建築分科会・第13回建築基準制度部会|【参考資料4】建築基準法制度概要集

この措置により、周囲の建築物で火災が発生しても、接炎による延焼被害を防止することが可能です。

その他、防火構造の適用が求められる建物の多くは、「延焼のおそれのある部分」の外壁開口部に、防火設備※の設置も義務付けられます。

※防火設備:火災時の延焼を防止するための設備で、防火戸(シャッター・ドア)や、防火ダンパー、ドレンチャー(散水設備)などを指す(消防法で定める消防設備とは異なる)

対象となる建築物

防火構造にしなくてはいけない建物は、主に以下のとおりです。

地域の種類条件
防火地域内・平屋建てかつ延べ面積50㎡以下の建物に、防火構造(外壁・軒裏)および防火設備(開口部)が義務付けられる(それ以上の規模の建物には、さらに高い耐火性能が求められる)
準防火地域内・平屋建て及び2階建てかつ延べ面積500㎡以下の建物に、防火構造(外壁・軒裏)および防火設備(開口部)が義務付けられる(それ以上の規模の建物には、さらに高い耐火性能が求められる)
22条地域※・特殊建築物※と延べ面積1,000㎡超の木造建築物に、防火構造(外壁、軒裏)が義務付けられる(開口部の防火設備設置義務はなし)

・上記以外の建物には、準防火構造※(外壁、軒裏)が義務付けられる(開口部の防火設備設置義務はなし)
上記以外の地域・延べ面積1,000㎡超の木造建築物に、防火構造(外壁、軒裏)が義務付けられる(開口部の防火設備設置義務はなし)
(参考:国土交通省|社会資本整備審議会|第15回建築基準制度部会|【参考資料3】建築基準法制度概要集

※22条地域:建築基準法第22条に基づき、火災延焼の防止を目的に自治体が指定したエリアで、防火地域・準防火地域に次いで住宅に防火性能が求められる
※特殊建築物:建築基準法第2条第2項で定められている「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場、その他これらに類する用途に供する建築物」
※準防火構造:外壁・軒裏が、加熱開始後20分間は火熱に耐えられる構造

上記の他に、大規模な木造建築物等については、火災の際の周囲への危険性が大きいことから、「建物高さ」もしくは「軒高」、「延べ面積」に応じて、外壁を含む主要構造部に、一定の非損傷性・遮熱性・遮炎性※が要求されます。

※平屋・2階建てで、建物高さ13m超または軒高9m超の延べ面積3,000㎡以下の木造建築物は、外壁・軒裏を防火構造とし、柱や横架材、1・2階床の仕様も制限されます。

主要構造部の制限【規模に応じた規制】
(引用:国土交通省|社会資本整備審議会|第15回建築基準制度部会|【参考資料3】建築基準法制度概要集

関連告示とその内容

防火構造の仕様を定めているのが「建設省(現・国土交通省)告示第1359号『防火構造の構造方法を定める件』」です。

(参考:建設省告示第1359号「防火構造の構造方法を定める件」>国土交通省HP>サイト内検索画面にて「告示第1359号」と入力

その中には、外壁の仕上げや構造について、以下のルールが定められています。

※以下は告示のうち、外壁仕上げに関する部分を一部抜粋した内容です。詳細は、本文をご確認ください。

  • 耐力壁にあたる外壁は「準耐火構造」とすること(耐力壁はおり高い耐火性能が求められる)
  • 間柱・下地を不燃材料でつくり、かつ、次に定める防火被覆が設けられた構造とすること
    • 屋外側の場合
      • 国土交通省告示第253号の第1第3号ハ(1)又は(2)に該当するもの
      • 塗り厚さが15mm以上の鉄網モルタル
      • 木毛セメント板・せっこうボードの上に厚さ13mm以上モルタルかしっくいを塗ったもの
      • 木毛セメント板の上にモルタル又はしっくいを塗り、その上に金属板を張ったもの
      • モルタルの上にタイルを張り、その厚さの合計が25mm以上のもの
      • セメント板・瓦の上にモルタルを塗ったもので、その厚さの合計が25mm以上のもの
      • 厚さが12mm以上のせっこうボードの上に金属板を張ったもの
      • 厚さが25mm以上のロックウール保温板の上に金属板を張ったもの
  • (外壁内の)間柱・下地を不燃材料以外の材料でつくり、かつ、次のいずれかに該当する構造とすること
    • 国土交通省告示第253号の(1)と(4)〜(6)までのいずれかに該当するもの
    • 塗り厚さが20mm以上の鉄網モルタル・木ずり漆喰木毛セメント板・せっこうボードの上に、厚さ15mm以上モルタルもしくは漆喰を塗ったもの
    • 土塗壁で塗り厚さが20mm以上のもの(下見板を張ったものを含む)
    • 厚さが12mm以上の下見板(屋内側の仕様制限あり)
    • 厚さが12mm以上の硬質木片セメント板を張ったもの

このように、関連告示には、外壁の木材仕上げに関する記述はかなり限定され、詳細な仕様が明示されていないため、基本的には、建材メーカーや建設会社が個別で国土交通大臣認定を取得した仕様にするか、国土交通省告示第253号の仕様にする方法のどちらかが採用されます。

(参考:国土交通省|告示・通達一覧|国土交通省告示第253号「主要構造部を木造とすることができる大規模の建築物の主要構造部の構造方法を定める件」

▶︎おすすめコラム:板張り外壁の設計ポイントとは?建築基準法のルールと経年劣化、メンテナンス方法を徹底解説

防火構造と防火措置、耐火・準耐火構造の違い

防火構造と耐火・準耐火構造、防火措置との違い

建築基準法で定められている防火規定のうち、構造の種類はいくつかに分けられています。

防火構造と似た性質を持つものは、以下のとおりです。

構造の種類特徴(防火構造との違い)
防火構造建物の外壁・軒裏を対象に、通常の火災による火熱を受けても「加熱開始後30分間」は火熱に耐えられる構造
防火措置火災による延焼と建物の焼失を防止するための以下の措置

①柱・横架材(梁など)への一定の品質の木材使用・柱脚部の緊結する
②外壁・軒裏を防火構造とし、1・2階の床を一定の構造とする
③地階の主要構造部は耐火構造または不燃材料とする
④火気使用室はその他の部分と耐火構造・特定防火設備で区画する
⑤各室・各通路の壁・天井の内装は難燃材料とし、又はスプリンクラー設備等・排煙設備を設置する
⑥柱・梁を接合する継手・仕口は一定の構造方法とする
⑦一定の構造計算により通常の火災により容易に倒壊するおそれがないこととする
準耐火構造主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)が、「加熱開始後45〜60分」の火熱に耐えられる構造
耐火構造主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)が、「加熱開始後1〜3時間」の火熱に耐えられる構造
(参考:e-Gov法令検索|建築基準法|第2条第9号の2・3国土交通省|社会資本整備審議会|第15回建築基準制度部会|【参考資料3】建築基準法制度概要集

火災への抵抗力は、「防火構造<防火措置<準耐火構造<耐火構造」の順で高く、仕様に関する制限も増えます。

防火構造はその対象を「外壁・軒裏」に限定しているのに対して、その他の構造は主要構造部※全般に適用される点が大きな違いです。

※主要構造部:建築基準法第2条第5項で定められる「壁、柱、床、梁、屋根、階段(構造上重要でない部分を除く)」

防火措置・準耐火構造・耐火構造の性能は、主に以下の場合に要求されます。

  • 「建物高さ・軒高」及び「延べ面積」に応じた主要構造部の制限(法第21条)
  • 特殊建築物の「用途・階数・延べ面積」に応じた主要構造部の制限(法第27条)
  • 防火地域・準防火地域における「階数・延べ面積」に応じた主要構造部の制限(法第61・62条)

(参考:e-Gov法令検索|建築基準法|第21条、第27条、第61条、第62条

防火構造の外壁に木材は使えるか|無垢材・板張りの対応方法

防火構造建築物の外壁に木材を使用する方法

防火構造建築物の外壁仕上げに木材を使用する場合は、原則として、「個別認定を取得した仕様」に沿って、防火材料※を使用するか、「不燃下地」「不燃木材」のいずれかを採用します。

※防火材料:建築基準法施行令第108条の2で定める不燃性能(燃焼しない・防火上有害な変形、溶融、き裂、その他の損傷を生じない・避難上有害な煙またはガスを発生しない)を有する建築材料で、性能を維持できる時間に応じて、不燃材料(20分)・準不燃材料(10分)・難燃材料(5分)に分類される(詳細はこちらをご覧ください)

ただし、それぞれ特徴や適切な施工部位が異なるため、事前に違いを確認しておきましょう。

※以下の内容は概要です。仕様条件の詳細は、事例ごとに異なる可能性があるため、各自治体へお問い合わせください。

認定を取得した仕様の採用

告示の仕様もしくは、防火構造の仕様として大臣認定を受けている構造・建材を採用すると、一定の制限はあるものの、条件を満たせば外壁に木材は使用可能です。

どの認定仕様を選ぶかは建物によって異なりますが、主に以下の方法が採用されます。

  • 政令で定める技術的基準に適合していると実験などで明らかになり、大臣認定を受けている構造方法
  • 主要構造部を準耐火構造とした建築物と同等の耐火性能を有するとして技術的基準に適合していると実験などで明らかになり、大臣認定を受けている構造方法
  • 外壁耐火構造・不燃構造と同等の耐火性能を有する建築物として技術的基準に適合していると実験などで明らかになり、大臣認定を受けている構造方法
  • 「建設省告示第1358号『準耐火構造の構造方法を定める件』」に基づき、大臣が定めた構造方法メンブレン型準耐火構造・燃えしろ設計など)

(参考:e-Gov法令検索|建築基準法施行令第109条第3項国土交通省|告示・通達一覧|建設省告示第1358号「準耐火構造の構造方法を定める件」国土交通省|ここまでできる木造建築のすすめ

防火構造に認定されている構造方法には、以下のうちいずれかの認定番号が付与されています。

防火構造の認定明細区分認定番号
耐力壁PC***BE(***は、通し番号)
非耐力壁PC***NE(***は、通し番号)
軒裏PC***RS(***は、通し番号)
(参考:国土交通省|建築基準法に基づく構造方法等の認定・特殊構造方法等の認定|構造方法等の認定に係る帳簿

不燃下地を用いる仕様の採用

外壁下地に不燃下地を採用すると、仕上げ材に無垢材などの木材を使用できる可能性があります。

下地の構成や仕様については、国土交通省告示第253号で定められているため、設計の際には詳細を確認しましょう。

(参考:国土交通省|告示・通達一覧|国土交通省告示第253号「主要構造部を木造とすることができる大規模の建築物の主要構造部の構造方法を定める件」

不燃木材を用いる仕様(雨が当たらない場所のみ)

防火材料として認定されている不燃木材を仕上げ材に使用する方法もあります。

ただし、不燃木材に含浸されている水溶性薬剤は、雨に当たると流出し、不燃性能が低下するため、原則、雨ざらしの場所には使用できません。

雨が直接当たらない軒裏や深い庇の下にある外壁などには不燃木材を仕上げ材に採用できる可能性がありますが、水溶性薬剤が空気中の湿気を引き寄せて白華現象※や反りなどの変形を起こさないように、不燃塗装※してあるものを選ぶ必要があります。

※白華現象:内部に含まれる不燃薬剤が湿気を吸って表面に浮き出て結晶化し、白い粉として現れる現象
※不燃塗装:不燃木材の性能を維持するための塗装(非不燃材に塗装しても、不燃性能は付与されない)

▶︎おすすめコラム:不燃木材とは?建築基準法との関連性とメリット・デメリットをプロが解説

▶︎おすすめコラム:木材は塗装で“不燃化”できる?建築基準法との関係や塗料の種類を解説

ポイント

1950年創業の「柏田木材工業」では、国内外から良質な木材を仕入れ、外装仕上げに使用できる木質製品を製造・販売しております。

各種塗装もすべて自社工場にて行っていますので、木質建材の選定や仕様にお悩みの方は、お気軽に弊社までご相談ください。



防火構造で木質外壁にする際の設計ポイント

防火構造で木質外壁にする際の設計ポイント

防火構造で木質外壁にする際には、以下のポイントを押さえて設計プランを検討しましょう。

認定番号・仕様の種類を確認

まずは、下地や構造の組み合わせが、大臣認定を取得している仕様と適合しているか確認しましょう。

カタログに書かれた認定番号を確認するか、関連告示で定める仕様になっているか精査する必要があります。

ただし、告示に書かれた仕様は抽象的なものも多いため、適合の可否について心配な場合は、必ず事前に建築主事(自治体)もしくは指定確認検査機関にご相談ください。

▶︎おすすめコラム:不燃材料の認定制度とは|告示との違いや条件・試験内容、番号一覧の見方を解説

雨がかり・雨仕舞いの検討

外壁の仕上げ材を選定する際には、雨がかりや雨仕舞いの検討も必要です。

特に仕上げ材に木質建材を使用する場合は、雨が当たりやすい場所では劣化しやすく、材料の耐水性の有無により、外壁の耐用年数が左右されます。

雨が直接当たる部分とそうでない部分で、仕上げ材や塗装仕上げの種類を使い分ける方法がおすすめです。

▶︎おすすめコラム:木材の屋外施工|塗装の必要性とは?劣化の原因・塗装の選び方と長持ちさせるポイントを解説

通気性・排水性

木質建材は、雨が当たる場所だけではなく、通気性・排水性が悪く水分や湿気が残りやすい場所でも劣化しやすいため、注意しましょう。

日当たりの悪い壁面や植栽・塀が近くにある壁面は、湿気によって木材が変色したり、カビ・木材腐朽菌・シロアリが繁殖したりするリスクがあります。

そのため、建物の形状や立地環境に合わせて、木質外壁にする範囲と非木質の外装材を使用する範囲を分けるプランがおすすめです。

▶︎おすすめコラム:【木材腐朽菌の繁殖条件と対策】カビ・菌根菌・シロアリとの違いや材料選びのコツを解説

メンテナンス性・劣化対策

杉板などを用いた外壁を採用する場合は、メンテナンス性や劣化対策も考慮しましょう。

杉板は古くから建物の外装仕上げ材として使用されていますが、立地環境によっては、美しい状態を維持できない場合があります。

また、湿気による変色・変質を防ぐためには、定期的な塗装が必要なケースも少なくありません。

そのため、外壁を塗り替える周期とその費用についても、事前にシミュレーションしておきましょう。

中規模以上の建築物や公共性の高い建築物では、こまめな外壁の塗り替えが難しい場合もあるため、注意が必要です。

▶︎おすすめコラム:外壁で使う木材|メリット・デメリットと材料の種類や塗装・メンテナンス、おすすめ建材を解説

▶︎おすすめコラム:外壁の杉板は塗装すべき?しないべき?それぞれのメリット・デメリットを解説

材料サイズとロスの少ない納まりの検討

外装計画を検討する際には、できるだけ材料のロスが発生しない納まりと材料を選びましょう。

特に、板張りの外壁にする場合は、1枚ずつ加工・施工しなくてはいけないため、材料のサイズなどによって施工効率が変わり、面積が大きくなるほど施工費や工期が影響を受けるため、ご注意ください。

建材メーカーによっては、規格サイズに加えて特注サイズのオーダーを受けているところもあるため、複数社の材料を比較検討しましょう。

ポイント

「柏田木材工業」では、各建材の特注オーダーも承っており、製品開発支援やOEM製造にも対応可能です。

自動倉庫による材料・完成品の保管代行も行っておりますので、オンタイム納品をご希望の方も、弊社までお問い合わせください。



防火構造の外壁・軒裏に関する「よくある質問」

防火構造の外壁・軒裏に関する「よくある質問」


ここでは、防火構造の外壁・軒裏について多くの方からいただくご質問に、“木材のプロ”が回答します。

Q .防火構造の建物で木材以外に一般的に用いられる外壁仕上げ材は?

A.防火構造建築物の外壁には、木材の他に以下の仕上げが採用されます。

  • モルタル下地+塗装仕上げ
  • コンクリート打ち放し
  • ALC(軽量気泡コンクリート)パネル+塗装仕上げ
  • 金属系サイディング(ガルバリウム鋼板・アルミニウム板など)
  • スパンドレル(アルミ・ステンレスなど)
  • 窯業系サイディング

上記のうち、木目を表現できる材料は、「金属系サイディング・スパンドレル・窯業系サイディング」ですが、全て色柄は印刷であり、無垢材とは質感や色合いが異なるため、現物サンプルなどで違いを確認してから仕様を決めましょう。

Q .材料・仕様の国土交通大臣認定内容はどこで確認する?

A.認定内容は、建設会社や建材メーカーのカタログで確認するか、国土交通省のホームページで一覧を見ることができます。

国土交通省|建築基準法に基づく構造方法等の認定・特殊構造方法等の認定|構造方法等の認定に係る帳簿」にアクセスすると、認定番号や仕様の詳細のリストが表示されます。

認定番号の確認方法
矢印
認定番号の確認方法
(引用:国土交通省|建築基準法に基づく構造方法等の認定・特殊構造方法等の認定|構造方法等の認定に係る帳簿

Q.防火構造の外壁・軒裏に木材を使用すると、建築コストは高くなる?

A.一般的には、モルタル塗装やサイディング仕上げよりも材料費・施工費のどちらも高くなります。

ただし、外壁・軒裏に木材を使用する場合、コンクリート打ち放しや石張り、タイル張り、スパンドレル仕上げ、ALC仕上げよりも建築コストを抑えることが可能です。

外装材を選ぶ際には、予算計画に合わせて複数の材料を使用し、それぞれの施工面積を調節する方法もあります。

※外壁や軒裏の仕上げにかかるコストは、下地の仕様や納まり、施工面積によって変動しますので、詳細は建築会社にご確認ください。

Q.防火構造の外壁・軒裏に木材を使用する場合の、メンテナンス周期と方法は?

A.防火構造の外壁・軒裏に木材を使用する場合、施工条件によっては塗装が必要ない場合もありますが、一度塗装すると、定期的な塗り替えが必要です。

再塗装の周期は使用する塗料によって異なりますので、建材メーカーなどにご確認ください。

3〜15年周期で塗り替えるケースが一般的です。

無塗装の木材でも、経年にともなって銀白色に変化していったり、表面の木肌が粗くなってきたりするため、適宜、表面を着色塗装・保護塗装する方法もあります。

Q.防火区画に接する外壁にも木材は採用できる?

A.防火区画に接する部分を中心とした上下左右幅90cmの部分は準耐火構造としなくてはいけませんが、その基準を満たした個別認定を受けた構造方法や外装材を使用すれば、木材利用は可能なケースもあります。

(参考:e-Gov法令検索|建築基準法施行令|第112条16項

外壁面から幅50cm以上突き出す準耐火構造の庇・袖壁・床を設けて延焼を遮断できれば、外壁の規定を満たさなくても建築確認が下りる事例も少なくありません。

防火区画の種類
(引用:国土交通省|官庁施設における木造耐火建築物の整備手法の検討会(第2回)|資料3外壁面での木材の利用

詳細な仕様や納まりにつきましては、建築主事(自治体)もしくは指定確認検査機関にご相談ください。

Q.「ロ準耐1の外壁」にも木材は採用できる?

A.外壁を耐火構造とするロ準耐1※(ろじゅんたいいち)でも、仕様によっては木材を採用することが可能です。

※ロ準耐1(ろじゅんたいいち):建築基準法第2条第9項の3のロ「イに掲げる建築物(=主要構造部を準耐火構造としたもの)以外で、イに掲げるものと同等の準耐火性能を有するものとして、主要構造部の防火の措置、その他の事項について政令で定める技術的基準に適合するもの」を指し、木造住宅や小規模な店舗・事務所でよく採用される基準(建設省告示第1358号「準耐火構造の構造方法を定める件」

構造方法はいくつかありますが、例えば、外壁をRC造やブロック造など、外部からの延焼を遮るとともに、内部火災の火熱を受けても倒壊せず燃え残る(自立できる)性能があると、外装材を木材にできる可能性があります。

Q.外壁・軒裏を木材仕上げにすると、火災保険は高くなる?

A.建物の火災保険料は、建築基準法に沿った構造種別を基本として決定するため、外壁・軒裏の仕上げを木材にしただけでは保険料への影響はないのが原則です。

火災保険料の算定には、RC造・SRC造とS造、木造の種類と建物用途の組み合わせによりT構造・M構造・H構造(構造級別)が用いられます。

専用住宅非住宅
(一般物件)
構造の種類
M構造---RC造・SRC造の共同住宅・特殊建築物など
T構造1級RC造・SRC造の耐火建築物
(戸建住宅含む)
T構造2級S造の準耐火建築物や省令準耐火建築物など
(戸建住宅含む)
H構造3級木造※の共同住宅・戸建住宅など
※木造でも、建築基準法で定める耐火建築物や準耐火建築物の基準を満たすとT構造となる可能性がある

高品質の外壁用羽目板・不燃木材は“柏田木材”へご相談ください

高品質で多様な“柏田木材”の木質製品

柏田木材は、1950年に林業で有名な奈良県五條市で創業した「無垢材・不燃木材・突板化粧板(不燃タイプ・非不燃タイプ)」を取り扱う建材メーカーです。

材料選定のサポートや、特注品・OEM製品のご注文も承っておりますので、「防火規定に対応できる」「品質が高い」「産地にこだわった」木質建材をお探しの方は、ぜひ弊社へご相談ください。

柏田木材・製品の特長

● レパートリー豊富な「塗装・表面加工ラインナップ」
● 木材の切削・接着・着色・塗装をすべて自社工場で行うことによる「高い品質安定性の確保」
● 木材産地に近い立地による「リーズナブルな価格の実現」
● SDGsやカーボンニュートラル実現に貢献できる「国産材(県産材・地域材)の活用」
● “こだわり”を実現できる「特注加工・開発支援・OEM製造」
● 施工効率を高められる「自動倉庫管理のオンタイム納品」


杉羽目板

杉羽目板
種類厚み
(mm)
幅×長さ
(mm)
塗装形状オプション加工
規格サイズ12115×1950
115×3800
ウレタン塗装
UV塗装
オスモUVオイル塗装
長手本実
長手目透かし
着色塗装
浮造り
特注サイズ9〜18幅:50〜240
長さ:900〜4000
ウレタン塗装
UV塗装
オスモUVオイル塗装
長手本実
長手目透かし
着色塗装
浮造り

時間をかけてじっくり天然乾燥した後に機械による中温乾燥を施すことで、杉本来の美しい淡紅色を残し、反りや木口割れなどの変形を最小限に抑えられます。


ルーバー

ルーバー無塗装
種類厚み
(mm)
幅×長さ
(mm)
塗装・表面加工樹種
無垢タイプ
集成材タイプ
〜90幅:~450
長さ:〜4000
無垢:ウレタン・オイル・外部用塗装

集成材:ウレタン・オイル

※着色・浮造りも可能
無垢:杉・桧

集成材:杉・桧・タモ・ウォルナットなど
※上記の他に「突板タイプ」もありますが、そちらは屋内利用におすすめです。詳細は商品ページをご覧ください。

屋外用塗料や薬剤注入による防腐処理にも対応し、サイズもお客様のご要望に合わせて製造いたします。


不燃木材

不燃木材
種類厚み
(mm)
幅×長さ
(mm)
形状塗装
無垢タイプ
集成材タイプ
12〜90幅:~450
長さ:〜1500
羽目板
ルーバー
不燃ウレタン塗装

それぞれ、「杉」と「桧」、「価格を抑えたレギュラータイプ」と「半屋外でも利用できる白華抑制タイプ」をお選びいただけます。


まとめ

防火構造建築物でも、条件がそろえば、外装材に木材を使用できます。

ただし、国土交通大臣の認定した仕様にするか、不燃下地・不燃木材を採用するなど、構造方法や仕上げには一定の制限があります。

防火構造で外壁を木質仕上げにしたい方は、事前に関連告示の内容を確認しましょう。

柏田木材は1950年創業以来、時代と共に様々な木質建材の製造・販売を行ってまいりました。

「木目を活かした内装・外装デザインを実現させたいが、思うような材料が見つからない」という方は、ぜひ柏田木材までご相談ください。




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当社では主にメーカー様、商社様、施工業者様、設計事務所様からのお問い合わせを承っております。
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