地産地消とは｜SDGsとの関連性、メリット・デメリット、建築の取り組みを解説

食材をはじめとして多くのメディアで取り上げられているのが「地産地消（ちさんちしょう）」というキーワードです。

近年、その分野は非食品分野にまで広がり、特に国産材・地域材の需要が高まっています。

今回は「地産地消」の具体例や取り組むメリット・デメリット、SDGsとの関連性について“木材のプロ”が詳しく解説します。

地産地消に貢献できるおすすめの建築材料も紹介しますので、設計デザインの材料を検討している方はぜひ最後までごらんください。

地産地消とは｜非食品分野でも

地産地消とは、その地域で生産されたものを同じ地域で消費する取り組みを指します。

元々、農林水産物をはじめとした食料分野で取り組まれてきましたが、近年は非食品分野で地産地消をコンセプトに掲げる事例は少なくありません。

農林水産物

• 地域で生産された農林水産物を、その地域の小売店（スーパーマーケットや直売所、道の駅など）で販売する
• 地域で生産された農林水産物を、地元の学校給食や飲食店で提供する
• 地域で生産された農林水産物を、地元の企業が加工して販売する
• 地域で生産された農林水産物を、ホテルや民宿、旅館などの食事で提供する

これらの取り組みは昔から実施されてきましたが、近年は文化継承や食育（しょくいく）の観点から事業に取り入れる事例が増えています。

エネルギー

• 太陽光・風力・水力・地熱などの自然エネルギーについて、地域で発電した電力をその地域で消費する

災害の多い日本では、万が一の場合に備えて“電力の地産地消”が進んでいます。

地域内で生活に必要なエネルギーを確保することにより、災害復興のスピードを早められるため、地方を中心に積極的に取り組む自治体は少なくありません。

（参考：資源エネルギー庁｜知ってる？「電力の地産地消」）

建築・建設、林業・製材業

最近、農林水産物に次いで地産地消の取り組みが進んでいるのが、建築・建設分野や林業・製材業です。

その地域で育った木材（地域材・地産材）はこれまで木工工芸品へ主に活用されてきましたが、さらに利用量を増やすために木造建築の構造材や木質内装材へ使われ始めています。

伝統工芸と建築分野の融合や、地域資源を活かした建築デザインにより、持続可能性の高いシンポリックな建築物が全国で増えているのです。

▶︎おすすめコラム：「地産地消を“建築”で実現」10のメリットや関連する補助金を紹介

地産地消はSDGsの何番と関連する？

地産地消は、SDGs※においても重要なキーワードで、いくつもの開発目標と関わりがあります。

※SDGs：Sustainable Development Goalsの略称で、日本語では「持続可能な開発目標」を意味する。17の目標と169のターゲットから構成され、貧困、飢餓、教育、ジェンダー、環境、経済格差など、2030年までに国を問わず抱えている問題を解決に導くために設けられた。

地産地消のメリット

地産地消は「なんとなく環境にやさしい」「SDGs実現に貢献できそう」など、漠然としたイメージを持たれがちですが、多方面において具体的なメリットをもたらします。

生産者にとってのメリット

• 消費者との距離が近いことによる信頼獲得
• 運輸距離短縮による環境負荷の軽減
• 田畑・漁場・森林の荒廃阻止
• 企業・プロジェクトの環境的貢献アピール

消費者・社会にとってのメリット

• 生産者の顔が見えることによる安全性・安心感のアップ
• 地方経済への貢献（経済活性化・雇用創出）
• 資源の計画的な消費による生態系・環境保護（外来種の駆逐、森林の若返りにより地滑りの防止・水源の涵養作用）
• 地域の文化継承（農業・漁業・生産業・林業・製材業など）
• 国内自給率アップによる供給安定化（数量・価格）

▶︎おすすめコラム：国産材利用でSDGs達成を目指す。メリット・デメリットから活用方法まで徹底解説

地産地消のデメリットと課題

地産地消は環境面・経済面においてメリットがある一方で、取り組む前に知っておいていただきたいデメリットもあります。

生産者にとってのデメリット

• 生産者同士の情報交換や消費者への情報発信（マッチング）の方法が分からない
• 販売ルートを確保できない
• 営業活動に時間を使えない
• 個人への直販は、代金決済やクレーム発生などの不安がある

消費者にとってのデメリット

• 販売量が不安定
• 品目の選択肢が少ない
• 規格（品質やサイズ）が不揃い
• 購入する方法が分かりづらい
• 必ずしもコスト面で有利とは限らない（大量入手・大量生産の方がコストを抑えられる場合も）

行政の抱える課題

• 地産地消を普及啓発する方法が定まらない
• 独自性を出せる自治体とそうでない自治体に分かれてしまう
• 補助金の支給など生産者へ資金的なサポートをするための費用が必要

（参考：農林水産省｜地産地消の現状と課題）

「奈良の木」を用いた建築材料は“柏田木材”へご相談ください

柏田木材は、林業・製材業で世界的に有名な奈良県五條市で「無垢材・不燃木材・突板化粧板・不燃パネル」を取り扱う建材メーカーです。

奈良県は吉野杉・吉野桧（ヒノキ）の産地としても世界的に知られています。

木材を知り尽くしているメーカーだからこそ、お客様のご要望やプラン・現場の条件に最適な材料を提案できる点が私どもの強みです。

木質建材の加工・製造に加えて特殊塗装も全て自社工場で手掛けているため、「内装制限に対応できる・表面耐久性が高い・変色しにくい・環境と人にやさしい・産地にこだわった」木質建材をお探しの方は、ぜひ弊社へご相談ください。

▶︎おすすめコラム：〈吉野桧〉500年以上使い続けられている理由と特徴・他産地との違いについて解説

▶︎おすすめコラム：〈奈良県が世界に誇る“吉野杉”の内装材〉特徴やメリットは？そのほか気になる疑問を解説

突板化粧板（非不燃・不燃）

対応樹種：杉・桧・米栂・米松・オーク・バーチ・メープル・ウォルナット・チーク・チェリー・アッシュ・カリン・カバなど40樹種以上

【不燃タイプ】

種類	厚みmm	幅mm	長さmm	塗装
規格サイズ	6・9	450	1818・2424	ウレタン塗装
特注サイズ	3〜90	〜1,220	〜2424

【非不燃タイプ】

種類	厚みmm	幅mm	長さmm	塗装
規格サイズ	6・9	450	1818・2424	UV塗装 ウレタン塗装 無塗装
特注サイズ	3〜90	〜1,220 （UV塗装品は60〜450）	〜4000 （UV塗装品は1500〜4000）

無垢材（羽目板）

対応樹種：杉・桧・唐松

樹種	厚みmm	幅mm	長さmm	塗装
杉・桧	10〜18mm	70〜180mm	1,500〜4,100	無塗装 ウレタン塗装 オイル塗装 UV塗装 オスモUVオイル塗装
唐松	要相談	要相談	要相談

不燃木材

対応樹種：杉・桧

種類	厚みmm	幅mm	長さmm	塗装
羽目板 ルーバー	12～90	～450	1500～	無塗装 不燃ウレタン塗装（白華抑制タイプ）

フローリング

対応樹種：杉・桧・唐松

杉

種類	厚みmm	幅mm	長さmm	塗装
規格サイズ	12・15	120	1960・3960 1950・3950（厚み15のみ、エンドマッチ付き）	無塗装 UV塗装 ウレタン塗装 オスモUV塗装
特注サイズ	12〜	70〜	900〜

桧

種類	厚みmm	幅mm	長さmm	塗装
規格サイズ	15	110	1960・3960 1950・3950（エンドマッチ付き）	無塗装 UV塗装 ウレタン塗装 オスモUV塗装
特注サイズ	12〜	70〜	900〜

唐松

種類	厚みmm	幅mm	長さmm	塗装
規格サイズ①	15	105・140	1950・3900 1940・3890（エンドマッチ付き）	無塗装 UV塗装 ウレタン塗装 オスモUV塗装
規格サイズ②	15	120	1818（エンドマッチ付き）

まとめ

地産地消とは、その土地で得られた資源をその土地やその周辺で消費する取り組みを指し、環境面や経済面においてメリットがあります。

ただし、地産地消に取り組む際には事前にデメリットや課題についても知っておくことが重要です。

柏田木材は1950年創業以来、時代と共に様々な木質建材の製造・販売を行ってまいりました。

奈良県産材をはじめとした各地の銘木を取り扱っておりますので、無垢材・不燃木材、不燃・非不燃突板合板の選定でお悩みの方は、ぜひ柏田木材までご相談ください。