桧(ヒノキ)の特徴|無垢材・集成材や杉との違い、銘木を徹底解説

桧(ヒノキ)の特徴|無垢材・集成材や杉との違い、銘木を徹底解説

桧(ヒノキ)は、日本が世界に誇る樹種で、建築材料から木質製品の材料まで幅広く活用されています。

今回は、桧の特徴から経年変化、お手入れ・メンテナンス方法、全国各地で生育する銘木(ブランド桧)についてまで詳しく解説します。

建築で使われる桧材の種類やおすすめ建材も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

コラムのポイント

● 桧には美しい見た目や滑らかな質感、高い耐水性などのメリットがあります。

● 桧は無垢材・集成材・床材・突板化粧板・不燃パネル・不燃木材と様々な建築材料へ加工され、多くの現場に採用されています。

● 桧材の中でも特に品質の高い銘木と呼ばれるブランド樹種がいくつもあり、国内のみならず世界からも注目されています。

●「柏田木材」は1950年に奈良県で創業して以来、高品質な木質建材や技術開発支援をお客様に提供しております。


桧の特徴とは

桧とは

桧(檜)は、日本の本州から四国、九州まで全国的に生育する樹種で、国内人工林1,009万ヘクタールの約25%を占めるほどたくさん育てられています。(参考:林野庁|スギ・ヒノキ林に関するデータ

ポイントは、日本の人工林で育つ桧の多くがまさに伐採するのに適した樹齢45〜60年に達しているということです。(参考:林野庁|樹種別齢級別蓄積林野庁|森づくりの理念と 森林施業

これら伐採に適した木を建築材料などに生かして森林循環(※)を活性化させるため、林野庁主導で国産桧材の活用が促進されています。

※森林循環:森の「植林・間伐・伐採・再植林」を繰り返して老木を減らすことにより、森林の二酸化炭素吸収力を高めるサイクル。

そのため桧材は、環境問題解決などの観点から国産材にこだわった建築プロジェクトへ多く採用されています。

強度・寿命温度・湿度環境が整えば、数百年は耐久性を維持できます。(参考:木づかい.com|法隆寺を支える材はヒノキ
比重(硬さ・重さ)気乾比重(※)が0.34~0.54 g/c㎥と、広葉樹よりも柔らかく軽い木材に分類されるため、運搬効率が高く加工性にも優れています。
辺材(※)は黄色味がかった白褐色で、心材(しんざい)はピンク味を帯びています。
木目比較的まっすぐで、あまり目立ちません。
質感きめ細かく滑らかな肌触りです。
耐水性油分が多いため、吸水(吸湿)しにくく腐食に強い特性をもちます。
ただし、水性塗料は定着しにくく均一な着色が難しいため、主にクリア塗装や白木の状態で使われます。
防腐性耐水性が高い上に、αカジノールと言う成分により腐食の原因となる木材腐朽菌の繁殖を抑えられます。
ただし、防腐効果は経年によって減少します。
防虫性フィットンチッドやヒノキチオールによってシロアリの繁殖を防止できます。
ただし、防虫効果は経年によって減少します。
品質安定性耐水性が高く吸水(吸湿)しにくいため、反り・ねじれ・伸縮・木割れなどの変形は他の樹種より起きにくいとされています。
ただし、全く変形しない訳ではありません。
香りピネンやカジノール、ヒノキチオールなどの香り成分が多く含まれており、独特な香りによるリラックス効果やダニ抑制、消臭効果が立証されています。

※気乾比重:含水率15%程度の状態における1㎤あたりの重さ
※辺材(へんざい):丸太方向の樹皮に近い部分
※心材(しんざい):丸太方向の幹中央に近い部分

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桧の経年劣化(経年変色)

桧の経年劣化(経年変色)とお手入れ・メンテナンス方法

桧は湿度などの環境が整えば、長寿命で比較的経年劣化が起きにくい樹種です。

ただし、淡い色の樹種特有の「経年変色」が目立ちます。

桧は紫外線にあたると白褐色から徐々に飴色へ変化するため、窓辺など直射日光に当たる場所は数ヶ月でかなり色が濃くなるので注意しましょう。

しかし、桧に含まれる油分が年月を経て表面に浮き出て独特な艶感が加わる点も大きな魅力です。

ポイント

柏田木材では、桧の日焼けによる変色を抑える特注塗装を承っております。



桧材のお手入れ・メンテナンス方法

桧材のお手入れ・メンテナンス方法

無塗装の白木材は、手の油分が付いただけで後から手形が浮き出る可能性があるため注意しましょう。

また、水拭きするとシミが目立つため、掃除する際は乾拭きのみが原則です。

桧材の表面に汚れやシミがつかないようにする方法として、ウレタン塗装を採用するケースが多く、自然な風合いのオイル塗装をする事例も増えています。

ただし、現場でウレタン塗装やオイル塗装を施す場合、表面保護の効果は長持ちせず、定期的な再塗装が必要なので注意しましょう。

メンテナンスの手間を省きたい場合は工場塗装品木材がおすすめです。

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桧木材の種類

桧木材の種類
桧フローリング

桧から作られる建築材料にはいくつかの種類があり、それぞれ用途や特徴が異なります。

無垢材

桧を伐採して乾燥させ板材や柱材へ加工した建築材料が無垢材です。

桧は耐水(耐湿)性や防腐・防虫性が高いことから、土台や柱、梁などの構造材に用いられ、そのきめ細かい質感から、内装材として主に採用されます。

天然木そのものなので、調湿性があり、特有の香りを楽しめます。

集成材

集成材とは、複数の板材を繊維が同じ方向になるように積層して接着させた材料です。

無垢材の欠点である反りなどの変形を抑えられることから、家具やカウンター材などに多く用いられます。

また、無垢材の特徴でもある香りや調湿性がほぼそのまま残る点も人気のポイントです。

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突板化粧板

突板化粧板とは、表面材である突板と基材(きざい)であるMDFや合板などを接着したパネル材で、室内の天井・壁仕上げ材や、造作家具の面材、内装フラッシュドアの面材などに用いられます。

無垢材や集成材と比べて変形するリスクが少なく、薄くて軽いため施工効率が高い点がメリットです。

ただし、桧材の割合が少ないため、触り心地は無垢材・集成材と比べて硬く感じます。

また、無垢材・集成材よりも調湿性と香りによる効果が少ない点にも注意しましょう。

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床材

桧を用いた床材には、無垢材に実(さね)加工を施した無垢フローリング材と、突板(つきいた)や挽板(ひきいた)と呼ばれる天然木を薄くスライスした素材を表面材とする複合フローリングがあります。

どちらも見た目は桧材そのものですが、踏み心地や施工性などに違いがあるため、現場に合わせて適した床材を選びましょう。

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不燃パネル

不燃パネルの構造
※非不燃の突板化粧板も基本的な構造は同じです。

突板化粧板の基材を不燃材にしたパネル材で、防火材料(不燃材・準不燃材・難燃材)として国土交通大臣から個別認定を受けている製品は、内装制限(※)の対象範囲に使用できます。

※内装制限:不特定多数の人が利用する公共性の高い建築物において、火災時に建物利用者の避難時間を確保するために天井・壁へ防火材料を使わなくてはいけないルール

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不燃木材

不燃木材とは無垢材に不燃薬剤を注入した材料で、不燃パネルと同様に防火材料として国土交通大臣から個別認定を受けている製品は、内装制限の対象範囲に加えて、耐火・準耐火建築物の外装材としても採用できます。

桧の不燃木材は無垢材とほぼ見た目は変わりません。

ただし、経年によって不燃薬剤が表面へ滲み出て結晶化する白華(はっか)現象が現れる可能性があるため、それを防ぐ不燃塗装を施した材料をおすすめします。

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日本全国の“銘木”桧|特徴の違い

日本全国の“銘木”桧|特徴の違い

日本国内の広範囲で桧は育てられていますが、その中でも特に品質が高く世界からの需要も多い銘木(ブランド樹種)がいくつかあります。

木曽桧(きそひのき)

  • 長野県や岐阜県が主な産地で、日本の三大美林のうちの1つ
  • 耐久性や抗菌性が高い

東濃桧(とうのうひのき)

  • 岐阜県東濃地方で育つ
  • 寒暖差が大きい地域で育つため、年輪が細く詰まっていて、良質かつ高強度で美しい木材として知られる

土佐桧(とさひのき)

  • 高知県を中心とした四国山脈の源流域で主に生育する
  • 精油成分が多く、耐水性に優れている

尾鷲桧(おわせひのき)

  • 三重県尾鷲市や紀北町で育つ
  • 急峻な地形とやせた土壌で長い年月をかけて育つため、年輪が緻密で油分が多く赤みを帯びた光沢感が特徴

吉野桧(よしのひのき)

  • 奈良県の吉野川・高見川流域で育つ
  • 吉野地方の林業は日本で最も長い歴史を持ち、独自の方法で育てられるため、年輪が緻密かつ均一で高密度・高強度な点が特徴

このように、日本にはそれぞれ特徴的な高品質の桧材がいくつもあり、近年は国内利用にとどまらず、海外へ多く輸出されているのが現状です。

令和5年のヒノキの輸出量は約4,000㎥にも上り、その多くは中国・フィリピン・韓国・アメリカへ輸出され、主に内装材として活用されています。(参考:林野庁|木材需給の動向(5)

ポイント

柏田木材は1950年に吉野桧の産地である奈良県で創業して以来、奈良県産桧材をはじめとした良質な木材を使って、無垢材・突板化粧板・不燃パネルの製造や、不燃木材の加工を手がけています。

UV塗装などの特殊塗装も全て自社工場にて対応しておりますので、「既製品では思うような木質建材が見つからない」という方は、お気軽に弊社までご相談ください。


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多様な桧材を扱う “柏田木材”

突板合板・無垢材どちらも“柏田木材”へご相談ください

私たち“柏田木材工業株式会社”は、建材を中心に木製品の開発・製造支援を行う会社です。

木製製品のOEM・特注製造・研究開発を通じて、お客様の木材に関わるビジネス課題を解決するだけではなく、地球環境に配慮した建材製造を行っています。

1950年創業以来、奈良県にて高品質でデザイン性・施工性・コストにまで配慮した商品をご提供し続けてきました。

自社製品は多岐にわたるため、「無垢材か集成材」、「無垢フローリングか複合フローリング」、「不燃パネルか不燃木材」など、ありとあらゆる選択肢を提案させていただきます。

柏田木材の強み

柏田木材では、現場やご予算・工期に合わせた最適な木質建材を提供しております。

● レパートリー豊富な「塗装・表面加工ラインナップ」
● 木材の切削・接着・着色・塗装を全て自社工場で行うことによる「高い品質安定性の確保」
● 木材産地に近い立地による「リーズナブルな価格の実現」
● SDGsやカーボンニュートラル実現に貢献できる「国産材(県産材・地域材)の活用」
● “こだわり”を実現できる「特注加工・開発支援・OEM製造」
● 施工効率性アップを実現できる「自動倉庫管理のオンタイム納品」


内外装用木質建材をお探しの方は、ぜひ柏田木材までご相談ください。



まとめ

桧は性能面やデザイン面でメリットが多く、無垢材・集成材・床材・化粧板など様々な建築材料として施工されています。

柏田木材は銘木として知られる吉野桧の産地に近い奈良県で1950年に創業して以来、時代と共に様々な木質建材の製造・販売を行ってまいりました。

無垢材から不燃木材、不燃・非不燃突板合板まで多彩な製品を取り扱っていますので、木質材料の選定についてぜひご相談ください。

お問い合わせに関して

当社では主にメーカー様、商社様、施工業者様、設計事務所様からのお問い合わせを承っております。
専門的なご相談やご依頼は、こちらのフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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