建設・建築業界に直面する「2024年問題」とは|概要と問題点・解決策を徹底解説
2019年4月1日から順次施行されている働き方改革関連法によって、様々な業界・業種で「2024年問題」が発生しています。
建設・建築業界も例外ではありません。
そこで今回は「建設・建築業界」の現状化から2024年問題で見える課題、具体的な解決方法・対策について解説します。
建築現場の施工効率を上げるサービスも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
● 建設・建築業界における「2024年問題」とは、働き方改革関連法の制定に伴う人手不足やコストアップを指します。
● 2024年問題を解決するために有効な方法は、「施工効率の向上」です。
● 私たち「柏田木材」は1950年に奈良県で創業して以来、高品質な木質建材の製造販売だけではなく、施工効率向上につながるサービスも提供しております。
コンテンツ
建設・建築業の現状
建築・建設業界はバブル期に日本経済を大きく押し上げた立役者となりましたが、近年は景気低迷の煽りを受けて様々な問題を抱えています。
- 少子高齢化に伴う人材不足
- 後継者不足(技術・知識を継承できない)
- 離職率アップ
- 人手不足による長時間労働や休日出勤の常態化
(参考:国土交通省|建設業の働き方改革の現状と課題、国土交通省|最近の建設業を巡る状況について、厚生労働省|雇用動向調査、厚生労働省|毎月勤労統計調査令和5年6月分結果速報)
人材・人手不足による労働環境の悪化がさらなる離職率アップや後継者不足を招くという、負のサイクルが続いているのです。
この現状を打破するために2019年から段階的に施行されてきたのが「働き方改革関連法」です。
「働き方改革関連法」の制定によって、労働者の待遇や環境の改善が期待されている反面、現場ではそれに短期間で対応するための“歪み”が生じており、それが様々な業界において2024年問題を引き起こしています。
建設・建築業の「2024年問題」|働き方改革による変更点
「働き方改革関連法」では、以下の3点を実現するために労働基準法などの法令が改定されます。
時間外労働の上限規制
労働基準法では「法定労働時間=原則1日8時間、週40時間以内」と定めており、これを超える場合は時間外労働とみなされます。
建築現場における時間外労働の常態化を防ぐために、2024年4月以降は時間外労働の上限を「原則として月45時間以内、年360時間以内」とし、事前に事業者・労働者の間で労使協定(労働基準法第36条協定)を締結し、さらに所轄労働基準監督署長への届出が必要になります。
時間外労働の割増賃金引き上げ
1週間に労働時間が60時間を超える場合に支払われる割増賃金の割合が「25%から50%」へ引き上げられます。
労働者の同意を得られれば、割増賃金の代わりに時間外労働分の代替休暇を与えることも可能です。
ポイントは、休日労働の割増賃金にも「35%」が適用される点です。
建築現場では休日労働が常態化しているため、35%適用も予算計画に大きな影響を及ぼすと危惧されています。
同一労働同一賃金の導入
既に2020年4月から、正社員と非正規雇用労働者とで待遇差をつけることが禁止されています。
原理原則として「同じ労働量には同じ賃金を支払う」こととなったのです。
(参考:厚生労働省|同一労働同一賃金)
これら全てを働き方改革関連法が完全適用される2024年4月(※)までに導入しなくてはならず、コストアップや工事遅延などの問題が起きています。
※建設業では一部の働き方改革関連法案適用に5年間の猶予期間が設けられており、その期限が2024年。(参考:厚生労働省|働き方改革関連法の概要と 時間外労働の上限規制)
これこそ、建設・建築業界における「2024年問題」なのです。
「2024年問題」が建築現場へ与える影響
2024年問題が建設・建築現場へもたらす影響は主に3点です。
工期の長期化・遅延
人材不足の現状に加えて1人当たりの労働時間を規定以内に抑えなくてはならないため、当初の予定よりも工期が長期化し、遅延する可能性があります。
コスト(人件費)アップ
工期の長期化に加えて時間外労働賃金が割増になるため、プロジェクトにかかる総人件費が高くなる可能性があります。
コンプライアンスの重要性アップ
労働者の待遇改善に関する取り組みが重視され、企業へ求められるコンプライアンス(法令遵守)のレベルも高まります。
「働き方改革関連法」の遵守は、SDGs実現に向けてとても重要な取り組みです。
SDGs開発目標のち、労働環境改善は「1.貧困をなくそう」「3.すべての人に健康と福祉を」「8.働きがいも経済成長も」「10.人や国の不平等をなくそう」に該当します。
2024年問題による実務レベルでの課題に向けた対策を講じることで、事業者・労働者・社会が発展できる持続可能な社会を実現できます。
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「2024年問題」を乗り越えるための対策
2024年問題を乗り越えるための対策として、以下の施策が大規模プロジェクトを中心に導入されています。
- 長時間労働の是正(ITシステムによる勤怠管理の徹底)
- IoT・ICT化による生産効率アップ
- 労働者技能に見合う賃金の設定
- 福利厚生・社会保険の充実
● 適切な工期の設定(労働環境に負荷がでないゆとりのある工期)。
● 適切な価格での受注(労働者の賃金を確保しつつ事業者が正当な利益を生み出せる価格)
● BIM/CIM(※)による設計業務の効率化と情報共有による人為的ミスの防止
● 建設キャリアアップシステム(※)への加入
● 木造化の推進(ノウハウ・技術が成熟してくれば鉄筋コンクリート造・鉄骨造よりも工期短縮に)
● 施工効率の良い材料選定(特注製造・OEM化)
● 施工効率を上げるための建材管理(自動倉庫の活用)
(参考:国土交通省|建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン、国土交通省|建設業の適切な価格転嫁)
※BIM/CIM:プロジェクトの計画段階から3Dモデルでプランを構築し、それを施工や建物運用、維持管理においても活用できるように情報連携・情報共有させるデータベースシステム(参考:国土交通省|BIM/CIMとは)
※建設キャリアアップシステム(CCUS):技能者(労働者)個人の就業実績や資格を登録して、企業の垣根を超えて公正な評価や効率的な人員配置できるシステム。(参考:国土交通省|建設キャリアアップシステム)
柏田木材は、「木質建材の高品質な加工・塗装」「特注・OEM製造」「工程に合わせた納品を可能とする自動倉庫の活用」によって、建築現場の効率化をサポートしております。
施工効率向上は“柏田木材”へご相談ください
柏田木材は1950年に林業・製材業が盛んな奈良県で創業し、それ以降最新技術を用いて高品質な木質建材を開発製造してまいりました。
「2024年問題」を乗り越えるためには、施行現場の効率化が欠かせません。
そのために、柏田木材では以下のサービスをお客様へ提供しております。
- 規格品・特注品にかかわらず、加工・塗装まで自社工場で対応=「現場での職人による手作業削減・工期短縮」
- 4mエンドマッチ加工への対応=「長尺エンドマッチによる施工枚数削減・現場での仕口処理加工削減による工期短縮」
- 規格品・特注品にかかわらず、発注品を弊社倉庫で保管し、必要な時に必要な分だけ出荷=「材料置き場の削減による作業性アップ・納期遅延による工程短縮や人件費削減」
- OEM製品サポート・建材の開発支援・特注対応=「施工効率化によるコスト削減・工期短縮」
「品質を保ちながらも施工効率を上げたい」「既製品ではイメージや計画に合う建材が見つからない」とお悩みの方は、ぜひ柏田木材へご相談ください。
まとめ
建設・建築業界が抱える問題を解決すべく制定された法令が「働き方改革関連法」です。
しかし、労働環境の改善に対応しきれていない実情があり、これこそ「2024年問題」の原因とされています。
しかし、事業者・労働者・社会の持続可能性を高める上で、健全な労働環境は欠かせません。
そこで必要となるのが、施工効率の向上です。
柏田木材は1950年創業以来培った技術を経験を活かし、時代と共に様々な木質建材の製造・販売を行ってまいりました。
施工効率向上につながるサービスも提供しておりますので、2024年問題でお悩みの企業様はぜひ一度ご相談ください。
「どのような経年変化が現れるか心配」
「既製品の材料では設計デザインにフィットしない」
「国産材を使いたいがコスト面などでハードルが高い」
「希少樹種を使いたいが必要量の材料が確保できない」
「ウッドインテリアを採用したいが耐久性が心配」
そんなお悩みを柏田木材が解決いたします。