【フローリングのオイル塗装】施工方法と頻度、失敗しないコツを解説|塗料の種類やワックス・ウレタンとの違いも

住宅を中心に床仕上げ材として広く採用されている木質フローリング材ですが、表面の耐久性と見た目を維持するための塗装が欠かせません。
表面塗装の一つが「オイル塗装」です。
その他にも、ワックス仕上げやウレタン塗装の方法もあります。
そこで、今回は「フローリングのオイル塗装」について、塗料の種類や施工方法・施工頻度、ワックス仕上げやウレタン塗装との違いについて詳しく解説します。
高耐久で環境に優しいおすすめの塗装方法も紹介しますので、木の魅力を生かした設計デザインを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
● フローリングの自然な風合いや触り心地を残しながらも表面を乾燥から守る方法が「オイル塗装」です。
● オイル塗装の中でも品質ムラがなく高耐久で自然に優しい工場塗装されたフローリングがおすすめです。
● 私たち「柏田木材」は、1950年に奈良県で創業して以来、国内外から上質な木材を仕入れ、高品質な木質建材を製造販売しております。
コンテンツ
フローリングへ塗装するオイルの種類|色・表面仕上げ・成分

フローリングへ施すオイル塗装とは、オイル浸透系塗料を用いて床材表面を乾燥から守るための方法です。
最近人気の無垢フローリング材の中には、定期的なオイル塗装が欠かせないとされているものも少なくありません。
では、オイル塗料の種類を紹介します。
- ひまわり油・亜麻仁油・エゴマ油などの天然由来の乾燥油を原料に含む塗料
- 蜜蝋や米ぬかをベースにした塗料
上記塗料それぞれに、クリアタイプと着色タイプがあります。
これだけ見ると「オイル塗料=自然塗料」という印象を持つかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
天然由来の油が主成分であっても石油由来の溶剤が含まれる塗料もあるため、"100%”自然素材にこだわる場合は注意が必要です。
溶剤も天然由来の材料で作られる塗料に含まれるオレンジオイルやバルサムテレピンオイルはアレルギー症状や肌荒れを引き起こす可能性があります。
オイル塗料を選ぶ際、「自然塗料タイプであれば安全で無害」と誤解されがちです。
アレルギー体質の方や小さいお子様が使う空間へオイル塗装のフローリングを採用する際は、細かい成分についてメーカーへ確認しましょう。
健康リスクが比較的少ない無溶剤塗料を選ぶのもおすすめです。
フローリングのオイル塗装はどうやってやる?方法と頻度

扱いやすいオイル塗料はDIYでフローリングへ塗布するケースもあります。
定期的なオイル塗装が必要な無垢フローリング材を採用する場合は、事前にその方法手順を知っておくことが重要です。
①床の掃き掃除・拭き掃除(表面の汚れやホコリをとる)
②オイル塗装(オイルを木綿など柔らかい布や刷毛に染み込ませ、木目の繊維方向に沿ってムラなく薄く塗る)
③余分な塗料を拭き取る(木綿など柔らかい布で木目の繊維方向に沿って浸透しきらない塗料を拭き取る)
④塗料を十分乾燥させる(24時間は乾燥させて上にラグや家具は置かない)
室温が極端に低い(5℃以下)場合や、湿度が高い場合は、オイル塗料が乾燥するまで時間がかかります。
そのため、完全に乾いているか数箇所を手で撫でて表面がサラッと乾燥し切っているか確認しましょう。
無垢フローリング材は表面にしつこい汚れやシミが付いている場合、塗装する前に研磨してきれいにしてから再度オイル塗装することもできますが、複合フローリングは表面材が薄く研磨すると基材が見えるものもあるため、同じ方法はおすすめしません。
市販されていてDIYでも取り扱えるオイル塗料は、定期的な再塗装が必要です。
フローリングの表面が乾燥してガサガサになってささくれ出したら、オイル塗装をするサインです。
椅子をよく動かす場所や人が頻繁に踏む範囲は、表面が乾燥する前(1年に1回程度)に再塗装を繰り返すと床材が長持ちして艶や深みが増します。
オイル塗装したフローリングのメンテナンス・掃除方法

オイル塗装されたフローリングの日常的なお手入れは、乾拭きだけで十分です。
表面にしつこい汚れがついた場合でも、固く絞った雑巾で拭き取る程度に留めましょう。
溶剤系の液体(ラッカー、シンナーなど)や洗剤、アルコール系ウェットシートを使って掃除すると、変色する可能性があるため注意してください。
一般的なオイル塗装は、フローリングの表面を乾燥から守るための方法であり、耐久性や耐水性を高める効果はありません。
そのため、キズや汚れが付いてしまう点は事前に知っておきましょう。
ただし、工場でオイル塗装されたフローリング材は、耐久性を備えたタイプもありますので、詳しくは「柏田木材」へお問い合わせください。
オイル塗装・ウレタン塗装・ワックスの違いを比較

フローリング表面に施される塗装には、オイル塗装の他にワックス仕上げやウレタン塗装の方法もあります。
それぞれ特徴や効果が異なるため、フローリング材を選ぶ際はその違いを知っておきましょう。
※含浸タイプ:木材へ染み込むため、表面に塗膜が形成されないタイプ
※造膜タイプ:塗料が木材内部へ染み込まず、表面に塗膜が形成されるタイプ
オイル塗装(含浸タイプ)
100%自然由来の塗料もあるのが特徴で、取り扱いやすいことからDIYでも定期的な再塗装をしやすい点がメリットです。
また、表面に塗膜が形成されないため触り心地や艶感が自然に仕上がります。
ただし、耐久性・耐摩耗性・耐汚性・耐水性はほとんどなく、フローリングにシミがつきやすい点には注意しましょう。
また、日焼けによって変色しやすいため、白木に使う場合は紫外線防止剤(酸化チタン)を含む塗料が良い点もポイントです。
クリアタイプでも塗布すると濡れ色(無塗装状態より濃い色)になるため、淡い色の樹種よりも濃い色の樹種(チーク・ウォールナット・ブラックチェリー・タモ・ナラなど)と合わせることをおすすめします。
オイル塗装の中でも、工場塗装品は一般的なものと比べると長寿命で高耐久です。
ワックス仕上げ(造膜タイプ)
フローリング表面に形成される塗膜はとても薄いため、木の質感や木目の風合いはそれほど損なわれません。
また、再塗装の際に既存塗膜を剥離せずに上塗りできる上に塗料をホームセンターなどで簡単に入手可能なので、DIYで作業しやすい点もメリットです。
一般的なオイル塗装よりも耐摩耗性・耐久性・耐水性は高まります。
また、無塗装の床材へ塗布してもそれほど色味は変わらないため、白木の風合いを活かしたいスギ・ヒノキなどにおすすめです。
ただし、一度ワックスを塗ったフローリングは、その上からオイル塗装やウレタン塗装はできないため、注意しましょう。
塗り替え頻度は1〜2年ごとが通常です。
ウレタン塗装(造膜タイプ)
分厚く弾力性のある塗膜を形成できる樹脂系塗料を用いるため、表面をしっかりコーティングできてオイル塗装やワックス仕上げよりも耐摩耗性・耐汚性・耐水性は高まります。
塗料の艶度合いは複数あるため、光沢感がある仕上げから自然な風合いを残すマット仕上げまでデザインに合わせて選べます。
ウレタン塗装の塗膜の寿命は、20~30年程度と他の仕上げに比べて圧倒的に長寿命な点もポイントです。
ただし、天然木本来の触り心地は失われてしまうため、素足で歩きたい場所へ採用する際は、事前に踏み心地を確認しておきましょう。
現場でウレタン塗装すると、どうしても塗膜暑さが不均等で仕上がりにムラができてしまう可能性がゼロではありません。
そのため、耐摩耗性を重視する場合は品質が安定している工場塗装品を選びましょう。
紫外線によって短時間で硬化して分厚い塗膜を形成できるUV塗装品も人気です。
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高耐久&環境に優しい柏田木材の「オスモUV塗装フローリング」がおすすめ

フローリングは人がその上を歩行する過酷な環境にさらされます。
そのため、長持ちさせるためにはやはり表面の耐久性が重要です。
そこで、私たち柏田木材がおすすめする塗料が「オスモUVオイル」です。
優れた耐汚性
従来のオイル塗装やワックス仕上げと比較すると、汚れがつきにくいため、自然な風合いと天然素材にこだわりたい方におすすめです。
人にも環境にも優しい安全性
オスモUVオイルに含まれる成分のほとんどが自然由来であり、石油系溶剤は含まれていません。
無溶剤塗料(ゼロVOC塗料)なので、他の自然塗料と比較しても自然素材の割合が大きく人にも環境にも優しい塗料として注目されています。
美しい仕上がり
従来の自然塗料は現場施工が基本で、施工技術や現場の温度・湿度環境によって品質にバラツキが出てしまう懸念点があります。
対してオスモUVオイルは工業塗装用塗料で、機械塗装による均一な仕上げが可能です。
また、自然塗料に含まれるオイル成分は経年によって黄変しますが、オスモUVオイルは独自のブレンドによって黄変しづらく、美しさをより持続できます。
メンテナンスの手軽さ
日常的なお手入れは軽く乾拭きする程度で、美しさを保つために1〜2年に1回程度、専用のメンテナンスクリーナー(オスモワックスアンドクリーナー)の塗布をお勧めしています。
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乾燥時間がいらない自然塗料、オスモUVオイルを紹介
柏田木材は、1950年に奈良県で創業して以来、良質な原木を仕入れて様々な建築木材へ加工販売する木質建材メーカーです。
高品質な無垢・複合フローリング材を取り揃えており、それぞれ「無塗装・ウレタン塗装・オイル塗装・UV塗装・オスモUVオイル塗装」が標準規格で、そのほか「オリジナル色の着色や日焼け防止、ノンスリップ(滑り止め)塗装、抗ウイルス塗装」などのラインナップもございます。
自社製品を販売するだけに留まらず、お客様のご要望や課題を伺いながら創り上げる“開発支援・特注製造”も行っていますので、「こんな材料があればいいのに」というお悩みを抱えている方もお気軽にご相談ください。
まとめ
フローリングを美しい状態で長持ちさせるためには、表面保護が欠かせません。
自然な風合いや触り心地を残したい場合におすすめなのが「オイル塗装」です。
柏田木材は、良質な原木を仕入れてフローリングを製造し、高い技術と豊富な塗料レパートリーを組み合わせ、お客様にご満足いただける木質建材を提案いたします。
「木質建材を使いたいが経年変化が心配」
「既製品の材料では設計デザインにフィットしない」
「国産材を使いたいがコスト面などでハードルが高い」
「希少樹種を使いたいが必要量の材料が確保できない」
「ウッドインテリアを採用したいが耐久性が心配」
そんなお悩みを抱えている企業様を、私たちがしっかりサポートいたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。