【針葉樹の種類】木材へ加工される樹種の名前・見分け方や広葉樹との違いを解説
建築木材として加工される樹木は、「針葉樹」と「広葉樹」に分類されます。
特に針葉樹は日本に多く生育し、杉や桧が代表的です。
それ以外にも、建築木材へ加工される針葉樹は数多く、それぞれ異なる特徴を持ちます。
そこで、今回は「針葉樹」について、主に建築木材へ加工される樹種の一覧を紹介します。
広葉樹との違いについてもお話ししますので、木の魅力を生かした設計デザインを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
● 針葉樹は日本国内で多く生息する樹種で、構造材から内装材まで幅広い用途に活用されています。
● 針葉樹と広葉樹には、材質・見た目・コストにおいて全く異なる特徴があります。
● 私たち「柏田木材」は、1950年に奈良県で創業して以来、国内外から上質な木材を仕入れ、高品質な木質建材を製造販売しております。
コンテンツ
針葉樹とは?
「針葉樹」とは、葉の形が針のように細い樹種を指します。
日本国内の人工林で育つ樹木のおよそ90%以上が針葉樹で、70%がスギ・ヒノキであり、まさに針葉樹大国と言っても過言ではありません。(参考:林野庁|森林の適正な整備・保全の推進(1))
針葉樹の主な特徴は以下の通りです。
- 国産材が豊富(全国各地に生息している)
- 成長が早く、枝別れた少ないため真っ直ぐ上に伸びる
- 幹が軽くて柔らかい
- 木の色味は明るいものが多い
- 木材は、経年変化によって濃色化するものが多い
- 平均的に価格がリーズナブル
針葉樹の中でも樹種によって用途は異なり、体積あたりの単価が安価なものは構造材、耐腐食性や耐虫害性の高いものは外構(エクステリア)の材料として活用されます。
また、吉野杉や吉野桧などの銘木は、木目が美しいことから、内装材や家具の材料として活用される事例も少なくありません。
特に近年は、SDGsの観点から、国産材や地域材の活用が重要視されており、スギ・ヒノキを活用する建築事例が増えています。
※スギ・ヒノキの違いについては「〈吉野桧〉500年以上使い続けられている理由と特徴・他産地との違いについて解説」コラムをご覧ください。
〈おすすめコラム〉
〈奈良県が世界に誇る“吉野杉”の内装材〉特徴やメリットは?そのほか気になる疑問を解説
国産材利用でSDGs達成を目指す。メリット・デメリットから活用方法まで徹底解説
建築へ使われる針葉樹の名前一覧|日本で育つ国産材と外国で育つ輸入材
針葉樹の中でも、建築木材として加工される樹種は限られます。
ここでは、その中から特に一般的な樹種を紹介します。
国産材
針葉常緑樹 | 針葉落葉樹 |
スギ ヒノキ ヒバ モミ アカマツ クロマツ サワラ ツガ | カラマツ |
先ほどもお話しした通り、国産材として市場に出回る大半はスギとヒノキで、それに次いで生育面積が広いのはカラマツ(10%)、アカマツ、クロマツなどのマツ類(8%)です。(参考:林野庁|森林の適正な整備・保全の推進(1))
スギ・ヒノキは品質の等級によって構造材から内装材まで幅広く加工されるのに対して、カラマツは主に構造用集成材の原料として用いられます。
国産針葉樹の中には、吉野杉・吉野桧・木曽桧・秋田杉・天竜杉などの銘木が多く、国内のみならず海外でも高値で取引される事例は珍しくありません。
〈おすすめコラム〉
“奈良の木”を使うメリットは?種類やおすすめ商品についても
輸入材(外材)
針葉常緑樹 | 針葉落葉樹 |
ベイマツ(米マツ・ゴヨウマツ) ベイヒ(米ヒノキ) ベイスギ(米スギ) ベイツガ(米ツガ) ベイヒバ(米ヒバ) レッドウッド(セコイア) パイン スプルース(米トウヒ) ファー(ベイモミ) | 北洋カラマツ |
これら海外から輸入される針葉樹は、内装材よりも構造材・下地材の方が市場へ多く出回っていますが、一部はそのまま無垢材として内装材・家具材として使われたり、突板や挽板へ加工されて化粧板の表面材として使われたりしています。
また、SPF材(※)へ加工されるものも少なくありません。
※SPF材:北米産スプルース(Spruce)・パイン(Pine)・ファー(Fir)の頭文字をとって通称され、軽くて加工性が高い特徴を持つ木材です。2×4(ツーバイフォー)材など壁下地材に用いられます。
ベイマツの中でも高品質で木目が美しい材料は、ピーラーと呼ばれて和室内装材に利用され、ベイスギは壁材や天井材などによく用いられます。
これら針葉樹は、木材へ加工されると見分けにくい樹種もありますが、用途やご予算に合わせて適切な材料を選ぶことが重要です。
そして、広葉樹との違いを知ると、より一層木材を選びやすくなります。
針葉樹と広葉樹の違い|木目・強度・価格
「広葉樹」とは、平たく大きな葉をもつ樹種で、針葉樹とは樹木としても木材としても特徴が異なります。
- 国産材はごくわずかで、大半が輸入材である
- 成長に時間がかかり、枝分かれして上だけではなく横にも広がりながら育つ
- 幹が重くて硬いものが多い(強度は高いが加工しにくい)
- 木の色味は明るいものから暗いものまで多種多様(ただし、希少価値の高いものも多い)
- 木材は、経年変化によって濃色化するものから淡色化するものまである
- 針葉樹よりも高価な樹種が多い
広葉樹の方が針葉樹よりも全体の樹種数は多いですが、国産材に限定するとそれほど豊富ではありません。
そのため、広葉樹のほとんどは輸入材に頼らざるを得ず、さらに木材へ加工するまで年月がかかるため、針葉樹よりも高価な樹種が大半です。
国産材においても、広葉樹は希少性が高いことから、市場へ出回る価格は針葉樹と大きく異なります。
2023年に取引された国産針葉樹チップ平均価格は16,717円/tなのに対して、国産広葉樹チップ価格は20,925円/tと、およそ25%も差が開きました。(参考:林野庁|令和5年木材需給報告書)
ここで改めて、針葉樹と広葉樹の違いをポイント別に紹介します。
比較項目 | 針葉樹 | 広葉樹 |
---|---|---|
木目・色味の種類 | 淡い色の樹種が大半 | 選択肢が豊富 |
強度 | 軽くて柔らかい | 重くて硬い |
用途 | 構造材 内装材 家具材 | 内装材 家具材 |
加工性 | 高い | 低い |
価格 | 安価 (銘木など一部を除く) | 高価 (針葉樹よりも安価なものも) |
国産材・輸入材 | 国産材が充実 | 大半が輸入材 |
国産材や地域材にこだわるなら、針葉樹を中心に材料を選びましょう。
吉野杉や吉野桧をはじめとした、海外でも人気の高く良質な銘木が数多く存在します。
上質な“奈良の木”を使った柏田木材の木質建材
私たち“柏田木材”は、1950年に奈良県で創業して以来、国産の良質な針葉樹を様々な建築木材へ加工販売する木質建材メーカーです。
その製品は、無垢材や集成材、框材、羽目板材、無垢フローリング、複合フローリングと多岐に渡り、多くの現場へご採用いただいております。
柏田木材が長年ご愛顧いただいている理由は、ずばり多彩で高品質な当社の技術力にあります。
- レパートリー豊富な塗装・表面加工ラインナップ
- 木材の切削・接着・着色・塗装を全て自社工場で行うことによる高い品質安定性の確保
- 木材産地に近い立地によるリーズナブルな価格の実現
- 良質な国産材(県産材・地域材)の活用
- “こだわり”を実現できる多彩な特注加工・OEM製造
- 自動倉庫管理のオンタイム納品による施工効率性アップ
柏田木材は、自社製品を販売するだけに留まらず、お客様のご要望や課題を伺いながら仕様を共に決めていく“開発支援”や、“特注製造”も行っています。
そのため、材料選定やデザイン構想段階から製造まで一貫したサポートをご提供できる点が弊社の強みです。
「こんな材料があればいいのに」というお悩みを解決するお手伝いをいたします。
まとめ
建築木材として加工される樹木は、針葉樹と広葉樹に分類され、日本国内の人工林に生息する木のおよそ70%が針葉樹であるスギとヒノキです。
そのため、良質な国産材にこだわりたい方には、「針葉樹」がおすすめです。
ただし、構造材や内装材など、用途によって適した材料は異なります。
“柏田木材”は、様々な樹種から作られる無垢材・集成材など、多種多様な商品を製造しているからこそ、木材のプロとしてお客様のご予算・設計デザインに合う木質床材をご提案できます。
「木質建材を使いたいが経年変化が心配」
「既製品の材料では設計デザインにフィットしない」
「国産材を使いたいがコスト面などでハードルが高い」
「希少樹種を使いたいが必要量の材料が確保できない」
「ウッドインテリアを採用したいが耐久性が心配」
そんなお悩みを抱えている企業様を、私たちがしっかりサポートいたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。